彼岸花

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10/5/2024, 11:30:08 AM

#星座

夜空に輝く君は一等星

距離も、大きさも、明るさも、温もりも、

なにもかも敵わないけれど

たとえ何千光年離れてたって

僕は君を見つけるよ

この夜が明けても

君だけは消えないで

10/4/2024, 12:46:28 PM

#踊りませんか?

ネットとは、姿の見えない仮面舞踏会

嘘のレッテルを貼り
嘘の関係が生まれる

「本当」は部屋の隅にでも隠して

私はこれが好きなんです。
私はこれが趣味なんです。
私はこれが得意なんです。

そういうことを綴るだけで、
自分のことを理解してもらえたって思ってしまうような

その「本当」でさえも創った『嘘』かもしれないのに

なぜか異常な依存性
なぜか絶えない承認欲求

顔を見て言えないようなことでも、
言いやすくなってしまうから
それはきっと、殺人罪

魅惑の煙に包まれて、人々はみな辿り着く
ここは危険な仮面舞踏会
そろそろ一曲、どうですか?

9/29/2024, 11:30:04 AM

#静寂に包まれた部屋

僕は部屋

少し前に建てられたばかりのアパート
まだ人はいないけど

それでも僕は部屋

ガチャリ

最初に越して来たのは四人家族
小さい女の子と中くらいのお兄ちゃんが一人

学校から帰って、疲れたようすのお兄ちゃん
「頑張ったねぇ」とナデナデする女の子
それを見て微笑む両親

数十年後、すっかり大きくなった子供達は
あまりここに来なくなった
それでも、訪れるたびに笑顔で話していた

次に越して来たのは金髪のあんちゃん

毎日毎日、そりゃあもう酒臭くて、タバコ臭くて…
何度か綺麗な女性も連れて来てたっけ

意外と女性と付き合うのは苦手らしくて
フラれた時にはクッションに顔を埋めて泣いていた
大丈夫だよって言ったんだけど、
ちゃんと伝わってたのかな?

ある日は、眼鏡をかけた男性が来て
カメラを構えながら、「新たな心霊アパートだ…!」
と叫んでた
ちょっとちょっと、人が来なくなっちゃうから
やめてくださいな

__

まぁこれも全部数百年前のことであって
今は誰もこのアパートに住んでいない

僕に残ったのは、静寂の空間だけ

維持費とかもかかるんでしょう?
どうせなら壊しちゃおうよ

だけど家主のおじいさんは、このアパートを見上げては
にっこりと笑うだけ
その微笑みは「温もりはずっと残しておくべき」と
言わんばかりだった

もう何度目の秋晴れが
僕のそばを通り抜けていった

9/28/2024, 2:55:10 PM

#別れ際に

別れ際に、いつも君は笑う。

どんなに辛い別れだとしても、
それは「さよなら」じゃない
またいつか、この空の下で会えるから
…だってさ。

そんな映画みたいなことを言ってた。

君と離れて一年。
私は空を見た。

もしも、
私が一つ 歳をとるか
君が一つ 若返ったなら

同い年として、ずっと一緒にいられたのに。

淡い妄想、儚い願い
数多の感情を風に乗せて

君のいる空に届けと願った。

9/16/2024, 11:45:32 AM

#空が泣く

雨が本格的に降り始めた
家から適当に持ってきた折りたたみ傘が役に立った

「くらい」

小学生ぐらいの女の子が
母親の手を握って言った

「くらい、くらい」

2人は歩きながらそう言っていた

確かに周りは暗かった
なんだかこっちまで気分が重だるくなってくる

「はぁ…」

思わずため息を吐いた
すると先頭を歩いていた女の子が駆け寄ってきて言った

「くらい、だめ」

すかさず母親がやってきた

「ごめんなさい」

どうやら外国人の方のようだ
一生懸命、日本語を話そうとしていた

「Ok!Thank you.」

あまり英語が得意でなかった私は
精一杯の言葉で取り繕った

すると彼女は安堵の表情で頭を下げて去っていった
女の子はちらりと振り返り笑った

2人が去った後、私は思った

もしかして、あの子が言っていたのは
『暗い』じゃなくて『Cry』だったのではないかと

ふと空を見上げる
暗い空は少しだけ、笑っているような気がした

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