彼岸花

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9/8/2024, 10:46:05 AM

#胸の鼓動

ドキドキドキ
あなたに恋をした

トクトクトク
幸せを掴んだ

ズキズキズキ
あなたが浮気をした

ドクドクドク
毒牙はどこだ?

ドク…
奴を見つけた

グサグサグサ
赤く染まった

バタバタバタ
あなたはどうして

バカバカバカ
こんな奴を庇うの?

ドクン…ドクン…
周期が乱れた

いらない

グサッ

9/7/2024, 11:21:12 AM

#踊るように

僕はずっと、お芝居のわけ役だと思ってた。

シンデレラの役が、クラスの可愛い女の子だとするなら
僕はただの、そこらへんに生えてる木だ。

魔法使いや王子様、馬だって凄い。
みんなみんな主役だ。

そして僕は、それらを端で眺める愚か者だ。

自分が情けなくなる。
なんでみんなみたいに明るくなれないのだろう。
輝かしい才能もないのだろう。

そう思っても、足が一歩も動かない。
むしろ、人前に出るのを恐れている。

それなのに僕は、こんなことを嘆いてばかり。
ほんと、馬鹿だ。

こんな劇の幕なんか、さっさと閉めてしまおう。

そう思った。

そんな時、一人の踊り子が目に入った。
誰にも見られない場所で一生懸命踊ってる。

「ねぇ、一緒に踊らない?」

その子はそう言って僕の手を引いた。

「誰かから評価されなくてもいいの。」
「ただ、せっかくのお芝居だから…楽しもうよ。」

閉じかけた幕を再び開けて、
止まりかけた時間を元に戻して、
また劇が始まった。

9/1/2024, 10:19:04 AM

#開けないLINE

君からの返信

既読をつけるには早すぎる

なんだか待ってたみたいじゃん

だから何分か我慢して

別に興味ないから感を出す

本当は、すぐにでも見たい

君がどんな言葉を織りなすのか

どんなふうに思ってるのか

待ってる時間は

すごくワクワクして、

すごく辛くて、

すごくドキドキする

わざとあけない、君からのLINE

今はまだ、ひらけないLINE


_________________________


このお題ということは、始めてから一年経ったんか…
時の流れは早いなぁ…!

8/31/2024, 11:41:06 AM

#不完全な僕

僕は人の『色』が見える。
誰にも信じてもらえないけど。

人はみんな色を持ってる。

その人のイメージカラー?好きな色?

否、僕はその人の“才能”を表すものなんだと思う。
例えば、泳ぐのが得意な人は青。
誰とでも話せる人はオレンジ。
絶対音程を外さない人は緑…とかね。

小どもの頃、僕の色は空虚な白だった。

当時は何がなんだか分からなかったけど、
その頃はまだ才能なんて分からなかったんだ、きっと。

何年経っても、
鏡を見るたびに、僕の頭上には白が見えた。
…大丈夫。まだ才能に目覚めてないだけだ。
決して、みんなと違うなんてことはありえない。
そうやって、信じ続けた。

もう高校生だ。そろそろ何かあってもいいはずだ。
おそるおそる鏡を見る。
しかし、結果はいつもと変わらない、白。

僕は布団に潜って泣いた。
自分の価値の無さに。自分の非力さに。
そして周りから取り残される不安に押し潰されながら。

___気づけば暗い空間にいた。

(…ここはどこだ?なぜ僕はこんなところにいる?)

辺りを歩いてみた。
ここは黒一色だ。いや、黒にみえる別の何かか?
その闇に一人の少女が立っていた。

「ここはどこなんだ?教えてくれよ。」

彼女はピクリとも動かない。
それどころか彼女は僕の意識の中に入り込んできた。
脳内に、か弱い声が響く…

〈…やっと、来てくれたのね。〉

初めて彼女がこちらを向いた。
彼女には、目がなかった。
ない…というか、そこだけ消しゴムで消されたように
空間に同化していた。
僕には不思議なことに『恐怖』という感情はなかった。

「君は誰だ?」

〈私は…あなたの秘密を知る者よ。〉

「秘密?」

〈あなた、人の…色が見えるんでしょ〉

「……なぜ知っているんだ?」

〈…あなたの目には、私は何色に映ってるかしら?〉

まずは質問に答えてほしかったが、
とりあえず会話を続ける他なさそうだ。

「…君は、透明だよ。特に、目。」

〈正解。そう、私の色は透明。色なんてないのよ。〉

「だったら…僕にも色なんてないよ。」

〈あら、どうして?〉

「だって…」

僕は全てを話した。警戒心はもうなくなっていた。
これはおそらく夢だ、そう振り切ったからだ。

〈ふーん。白、ねぇ…〉

「ああ、白だ。周りはみんな、立派な色があるのに。」

〈…白は、立派な色じゃないの?〉

「…へ?」

〈だって、少なくとも透明な私よりはいいじゃない?
白だって立派な色でしょう?例えばそう…お米とか、
綿花とか、キャンバスとか…あっ、そうよ!
キャンバス!あなたはキャンバスなのよ!〉

「…キャンバス?」

〈ええ、キャンバスは最初は白いものでしょう?
だからあなたはこれからどんなものにもなれるの!
あとは、絵の具って、描くものがないと使えない
でしょう?だから、他の人たちがあなたによって輝けるってことじゃない?〉

「…えっと、つまり縁の下の力持ち的な?」

〈そうそう。だから、自信を持ちなさい。
色だけで人を判断するのは良くないけれど、
少なくともあなたは純粋でいい子だと思うわ。
…なんとなく、そんな気がするの。〉

「そっか…。」

〈…そろそろ夢から覚めなさい。
それから、頑張るのよ。〉

「…ああ、ありがとう。」

目の前には見慣れた天井があった。
やはり夢だったようだ。
だけど、これだけは夢じゃない。

白は、立派な『色』だ。

8/27/2024, 10:30:59 AM

#雨に佇む

君と歩いた雨小道
ひとつの傘で歩きたくて
傘が壊れた嘘をつく

“風邪引いちゃうから”
その言葉に期待した
目を伏せながら、身を寄せる

“バイバイ”

傘と言葉を残して
君は遠くへ走ってく

しばらくの間
君の消えた白い闇を見ていた
もう君の姿なんてないのに

雨に佇む

君のくれた傘を
花に落ちる水滴を
ぼんやりと眺めながら

君が悪いわけじゃない
私が勝手に思ってしまっただけ
妄想は夢の中に留めておくべきだった

_でもさ、

小さな水たまり
一粒の雨が
そこに溶けていった 

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