波にさらわれた手紙

LINE交換してあったって
会いたいと思った人の住所はわからない
手紙なんて誰が欲しいと思うのか
残念だな
私とても字が綺麗なのに
砂に書いた字は上手じゃないや
波で消されてさようなら

8月、君に会いたい

8月になると思い出す
9月の新学期前に祖父母の家に戻っていた時
近くの学校に転入させてもらっていた
2ヶ月だけのクラスメイト
各学年1クラスしかない
穏やかな学校
アメリカ土産を配りながら短期間だけど
よろしくねと話していた時君にあった
横の子があまり好きな柄じゃなかったみたいで
表情を固くしていた時に交換しない？って
やさしくさりげなく気遣っていた
話なんてそんなにした事ないし
一緒のグループにもならなかった
初恋じゃない
顔も正直よく覚えてない
けれど、夏になるとふらり思い出す
色白で笑うと右頬にエクボがあったこと

涙の跡

感情ってなんだっけ
心が張り裂けそう
身体がぐちゃぐちゃになって何も感じない
一周まわって無
支離滅裂
なのに
ねぇどうしてそんなに普段通りなの？

だってそれは脳の活動だよ
心なんてないのに

身も蓋もないこと言うな
気がつけば頬がカサカサ
これがただの生理現象だというの？

半袖

暑い、なんて陽射し
プールで思う存分泳ぎたい
それなのになんで怪我しちゃったかなぁ
見せたくないから長袖を着てる
治った時はもう半袖の季節じゃない
せっかく買った新しい服の出番は来ない
着たいな、着ちゃおうかな
ハンガーを見つめたら
風が入ってこっちにおいでとゆらめく
立ち上がり手に取とうとしたら
くるりと背を向けられた

星を追いかけて

月明かりをたよりに真っ暗な道を歩く
下ばかり見ていたら疲れたので伸びをする
まるい月
大きな月
大好きなあの星は今日は見えない
明日探そうか