「風のいたずら」

幼少期病弱だった私が
家で寝ていると
窓を開けている
レースのカーテンが
風で揺れている。

心の中で話しかける様に
見ていると
返事をする様にまた揺れる。

「透明な涙」

赤ん坊が産まれて初めて
涙を流して泣いているのを
見た時思ったんだ。

これ以上純粋な涙はないと。

守っていく。
どんな事があっても。

透明な涙

「あなたのもとへ」

あなたには１度も
直接会った事はないけれど
私が幼少期の時
気持ちだけ会いに行った事が
ありましたね。

あなたがすぐに
私だと気付いてくれて
とても嬉しかった。

そんな曰くのあったあなたが
去年突然逝ってしまった。

私はその時視えなかったけど
挨拶に来てくれましたね。

当時は何だと思ったけど
そう言う事だったんですね。

気持ちがあなたのもとへ
そして私のもとへ。

「そっと」

もう２度と
目を覚まさない
あなたの顔を
唇を噛みしめて拭きました。

それがあなたに触れた
最後でしたね。

「まだ見ぬ景色」

その景色を見るには
それ相応の努力が必要だ。

努力したからとて
見れるものでもない。

その時が来るまでは
わからないんだ。