鐘のなる音がする。気になるなぁ。音だけを頼りに耳を澄ましながらその音が鳴る方へ歩いて近づいて行く。
段々と音が近くなってきた、そうしてやっとたどり着いたその先には鐘の音に合わせてシャンシャンと鈴を鳴らしながら踊る女の子が居たのだ。
ただ、不思議と怖く感じることもなく何故だろう懐かしい。ずっと聴いて観ていたいようなそんな感覚そうしているうちに音は止み女の子がこちらに気づいたようで礼をしてこちらに向かってきた。
「毎年夏にこうやって鐘の音に合わせて踊るのです」
そう言って女の子は家の中へと戻っていった。
目が覚めるまでに、真実を知り暗闇の中にいても探し求めていかないと。自分と向き合う他人とも向き合う。
無数の穴と白色の天井、隣に目を向けると薄いカーテンが引かれていた。病室だ。なんで病院?起き上がってみると頭には包帯と脚にはギプスが巻かれていた。思い出せないなにがあったのか。。ナースコールを押した
コンコン
ノック音が聞こえた。○○さーん体調いかがですか。お目覚めになられんたんですね事故の記憶はありますか?
無いです。
ショック症状だね
時間が経てば思い出すかもしれません。
これから1ヶ月入院してもらいます
1ヶ月!?
そんな入院している暇な無い、だってこれから大事な試験があるのに?
そんな事をしている暇は無い、急いででも治さなくちゃ。
急ぐ気持ちは分かりますがまず治すことに専念してください。
これから長いリハビリが待っている。
こんな事になるならいっそのこと。もう考えるのはやめよう。また明日だ。
いつも雨の中、それでも怠惰でもどんな風に過ごそうが時間だけは流れてく、朝が来て日が暮れて夜がくる。そんな毎日を過ごしてとめどなく溢れ出るこの気持ちは涙となり明日、もし晴れたらいいな。
元々人に関心など持たなかったのに、話しかけてくれる人がいた。人の温もりを知って優しさを知ってもう独りではいられなくなった。だから知らなければ良かったとも思う知らなければ傷つきもしない、優しくされることもないだから、1人でいたかった。だからそれでも居てくれる人がいて良かった。