1件のLINEが表示された。
そこには「別れよ」の3文字だった。
私はすぐに彼に電話をかけた。
昨日まで普通に話して電話してLINEしてたのに。
でも全く繋がらなかった。
LINEをしてももう二度と返信が返ってくることなんかなくて彼から送られてきた別れよの1件だけが残っていた。
忘れようとしても忘れることなんか出来なくて嫌うことも出来なかった。
私は毎日のようにたくさん泣いていた。
ある日突然彼のお母さんから電話がかかってきた。
お母さんは泣きながら教えてくれた。
彼の病気が悪化してしまいもう先が短いことを知ってしまった。だから自分のことを忘れて新しい恋をして幸せになって欲しいって考えたんだって。
彼は毎日病室で泣いていた。
その話を聞いて崩れ落ちていくかのように声を上げて泣いた。彼のお母さんと一緒にたくさん泣いた。
私ね、もうあなたのせいで新しい恋なんかできないよ。
だって私の好きな人はずっとあなただから。
好きになってくれて好きにならせてくれてありがとう。
これからはちゃんと前を向いて生きていくね。
あなたの隣に居ることが私の当たり前になってた。
ずっとそばにいるって、ずっと一緒だって思ってた。
でもねぇ、違ったんだ。
ずっと隣にいてくれるなんて保証なんかない。
当たり前なんかじゃないのに隣で笑ってくれることを当たり前だと思ってた。
ねぇ、お願い。
隣にいる人を大切にして、一緒にいることを当たり前だなんて絶対思わないで。
絶対に大切な人の手を離さないでね。
あなたがどうか幸せになることを願います。
街の明かりが消えた。
もうこの世界には誰もいない。
私一人だけだ。
七夕の日
彦星と織姫は年に1度だけ会うことを許されている日
なのになんで、どうして、私はあの人と会えないの?
年に1度だけ会える日のはずなのに、
わたしはもう二度と会えない。
嘘つき。
あなたと見たあの星空が今でもきれいな思い出だよ。
でも、綺麗なのと同じくらい寂しくも見えた。