星座
ずいぶん前に
十三星座占いというものがあったが
真贋のほども分からないまま
いつの間にか忘れ去られた
今もってよく分からないが
新しい十三番目の星座が加えられた
私は胸の奥でワクワクしていた
もともと射手座なので
新しい星座に当てはまるかもと期待していたのだ
果たして十三星座占いでは
実にまさしく私の誕生日によると
十三番目の新たな星座が当てはまったのだった
ところが私のロマンチックな想像とは違い
その星座の名は
蛇使い座
であった
私が心からガッカリしたのは言うまでもない
花も恥じらううら若き乙女が
蛇使い座だと
星座は?
と聞かれたときに
別の意味で頬を赤く染め
蛇使い座だと言わなければならないのだ
私は心中穏やかではいられなかったが
流行り廃りがあるもので
ほどなくして十三星座占いは
人々の記憶から忘れ去られて行った
だというにもかかわらず
今日ここでこうして
暴露する羽目になったのだった
でき得ることならば
話題になることなく
速やかにそっと忘れてもらいたいテーマなのであった。
完
踊りませんか?
あなたはそう言って私の手を取った
ふざけた感じの微笑みで
生憎ですけど
わたし好きな人としか踊りたくないの
最初で最後のダンスはあの人と
心に決めているの
ごめんなさいね
お遊びなら
腕の中で眠るならこの人と
決めている人が居るの
悪ふざけは嫌いなの
巡り会えたら
僕たちの魂
心と心
体と体
覚悟しておいて
巡り会えたら
抱きしめて離さない
きっと明日も
きのうも
今日も
ずっとひとり
きっと明日も
そう思ってきたけれど
きっと明日も
ひとつの良いこと
見つけていく
静寂に包まれた部屋
部屋はしんとしていつもより広かった
僕と猫以外誰も居ない
夜の静けさが街を包むころ
君の不在を思う
今ごろ元気でいるだろうか
僕は自由だ
独りになりたいと思っていたじゃないか
これで良かったはずだろう
君ひとりいない
君ひとり居ないだけじゃないか
僕の好きな
君の苦手な
騒がしい音楽が鳴り響いている
静寂に包まれた部屋には
君が居ないというだけだ