私の名前はあて字
人名辞典かなんかで探して名付けた
ただ「友」という字は入れたかった
そう親に聞かされていた
願いも思い入れも特にないらしい
でも私は
何気に自分の名前を気に入っている
当て字なせいで幼い頃からよく漢字を書き間違われてきた
卒業証書は明らかに付け足したような
他の字と違う色とバランスの悪さ
間違われたまま渡されるよりはマシなのだろうけど
就職の際に交わした雇用契約書にも名前と違う漢字の表記があった
訂正をお願いしたものの
再度提示されたものは前回とはまた別の違う漢字が使われていて
また訂正するのは面倒だったのでそのまま放置した
幸い公式文書で間違われることはなかった
郵便も違う表記のまま何事もなく届くことが多々ある
よくこれで届くものだ
住所さえ合ってれば他はどうでもいいのか
最早訂正するのにも疲れてきた
でも
間違われたままなのは流石に癪に障る
私を示す唯一の名前なのだから
そんな思いで間違われる度にしつこく訂正し続ける
今後の人生
あと何十回訂正すればいいのだろうか
終わりにしよう
こんな生活
終わらせて
新しい生活を送るんだ
終わりにしよう
こんな関係
終わらせて
新しい関係を築くんだ
終わりにしよう
こんな人生
終わらせて
新しい人生を歩むんだ
私の当たり前が
あなたの当たり前ではない
逆に
あなたの当たり前が
私の当たり前ではない
そんなの当たり前のはずなのに
何故人は分からないんだろう
街の明かり
家への道しるべになってくれる
自分を照らしてくれる
でも
どことなく寂しい気持ちにもなる
この世で独りぼっちになったような
そんな気持ち
私の居場所はどこ?
友だちだと思ってた子に縁を切られたあの日
友だちとは何かが分からなくなった
学校にいるのが苦しくなり
かと言って
家にいるのも苦しく
心から安らげる居場所がなかった
でも
あなたに話しかけられた日から
学校が楽しくなった
一緒に話したりご飯食べたり勉強したり
とても楽しかった
私はあなたのこと友だちだと思ってた
あなたにとって私はどうだったのだろう