仕事帰りに、偶々公園に立ち寄った。
その公園には、人は居らずただブランコが隅っこにぽつんと置いてあるだけであった。
私は、吸い寄せられるようにブランコへ向かっていた。
ブランコに腰掛け、今までの人生を振り返った。
その中で、子供の頃の記憶が鮮明に思い出された。
あの時に戻れないのは知っているのに無性に戻りたくなる。
そんな、事を考えている間に、あたりはすっかり夜になっていた。
今日は、もう家に帰ろう。
そう考え、ブランコから立ち上がり家に帰った。
今日、家族に荷物を送った。一人暮らしを始めてから今日で丁度一年だ。なので、自分で稼いだお金で家族のみんなにプレゼントを買った。
荷物を送る時、プレゼントと一緒に手紙も付けた。
手紙には、元気にやっていますと書いた。
それと、返事は別にしなくていいです。とも書いた。
それから数日後、私宛に手紙が届いた。
家族からだった。
返事は別にしなくていいと言ったが手紙を書いて送ってくれた事はとても嬉しかった。
また、手紙を書いて送ろうと思った。
あなたに届けたい私の気持ちを手紙にして。
私は愛している。
いつか誰かに告げてみたい言葉である。
だが、私はそんな誰かにまだ出会ってすらいない。
愛を相手に伝える事はとても難しい。
愛している人に私の愛が否定される事が恐ろしいからだ。
だが、いつか誰かに告げてみたい。
あなたを私は愛していると。
久しぶりにこの街に帰って来た。若い頃に嫌いで仕方無かったこの街も今では、とても綺麗に見える。
本当に昔は、この街が嫌いで堪らなかった。陰気臭くそれでいて疎外的何か新しい事をすると直ぐに批判が飛んでくる。当時の私から見た街の印象はある時を境に時間が止まったのではないかと疑ってしまう程のものだった。
高校を卒業後は嫌いな街を出るために敢えて違う街の大学に進学した。その時の気分はとても良かった事を今でも覚えている。
しかし、時が立つほどに次はその街の嫌な部分が目に映る。
そこから、大学を卒業すると、直ぐに別の街に移った。
今度こそ大丈夫だと思った。だが、そんなことは無かった。
また、直ぐに次の街に移った。それな事を何回も繰り返す内に疲れていた。
今思えば私は、自分の住みやすい理想の街を探す事に執着していたらしい。とんでもない、馬鹿者で合った。
そして今に至る。
嫌いだった街は、好きな街へと変わっていた。
それは、私が変わったのかも知れないし街が変わったのかも知れない。
だが、今はそんな事はどうでもいい。
私は、今、この街で幸せなのだから。
いつの時代も人は同族である人を傷つける。
そして、人の不幸で生活をする人も存在する。
他人の家に侵入し物を盗むもの。その人間を使役するもの。
人を平気で傷つけそれを動画にして上げるもの。
兵器を作るもの。
戦争を起こすもの。
すべての人が人に優しくなる日は来るのだろうか?
そんな事を考えながら人に優しく生きている。
いつか、真の意味での平和が訪れる事を祈りながら。