心臓が口から出るとはまさにこの事だ。
ドキドキよりバクバクして手まで震えだしてきた。
彼から告白された時はすべてバレバレで思わず笑ってしまったほどだ。
けど、今は人生の転換期。
まだこの先どうなるのかもわからない。
緊張が頂点の私の手をそっと彼が握ってくれた。
大丈夫。
未知の扉が開いて私を待っている。
言葉にできないぐらい幸せになってやる。
過呼吸と精神的に追い込まれた3月中旬。
ぼんやりした状態で1日を過ごす3月下旬。
外では春の花が咲き乱れ、生命の息吹きが感じられるようになった。
去年の今頃は桜やルピナス、桃の花も見に行ったっけ。
今年は無理だなと考えてると彼が買い物に行こうと言った。
ここ数日は部屋にこもって外には出ていなかった。
彼の車に乗って助手席で流れる景色を見ていると、満開の桜のトンネルが現れた。
風に舞い上がり、見事な演出をしてくれる。
別に遠出しなくてもご近所で良いものが見れたと私の心も春爛漫になった。
これからもずっと
あなたの隣で笑っていたい
あなたの隣で年をとりたい
これからもずっと
あなたと共に歩んで
最期を迎えたい
色素の薄い茶色の君の目を見つめる。
右に左に流して遊んでいると影が落ちた。
影が離れて君の目を見つめると、一緒になって笑っている。
真っ赤な顔の私は再び君の目を見つめる。
君の薄い茶色の瞳は私を魅了させるには十分みたいだった。
YouTubeで見た昔のCMの動画。
制服姿で歌って踊る彼女たち。
そんな時間はとっくに過ぎて、私はもういい大人だ。
自然と涙が溢れていた。
今さら何を比べているんだろう。
青春が10代なんて誰が決めた。
今から、この一瞬からでもいい。
泣きながらでも、ネガティブ思考でも。
明日からの人生を突き進んで輝け私。
それでいい。
それでいいじゃないか。
人生なんてわからない事だらけだから…