「言葉にならないもの」 #93

私があなたへ抱いている気持ち。

恋情と愛情をやさしく混ぜて
寂しさと嫉妬とやるせなさを切り刻んで誤魔化して
「可愛い」という好意のリボンで飾った気持ち。

言葉にしてしまうのがもったいないなぁと思う。

「真夏の記憶」 #92

私の夏の記憶に、あなたはまだいない。
去年の夏はただの友達だった。
今年は関係は変われど日常に大差はなかった。

夏は、あと少しだけれど、
来年の夏には、あなたが散りばめられた今夏の記憶を思い出せるかしら。

「こぼれたアイスクリーム」 #91

あなたはアイスクリームみたい。

甘くて、とろけちゃいそうなもの。
色とりどりで、愛らしいもの。
繊細で、迂闊に触れると溶けてしまうもの。
冷たく心地よいけど、食べ過ぎると良くないもの。

そして、この手からこぼれてしまっても、きっと追いかけてしまうもの。

「やさしさなんて」 #90

「優しさなんて受け取り方次第だよ」
自分は優しくないと言うあなたに私が言ったこと

そして私は、あなたは優しいと思った。

「じゃああなたの受け取り方はだいぶ尖ってるね」
あなたはそう言った

仕方ないよね、惚れちゃったんだから。

「風を感じて」 #89

ふうっと、そよ風が吹く
きっとこの風は、私しか知らない。

びゅうっと、強風が吹く
きっとこの風は、あなたも感じてる。

そう考えれば、強風だって悪くない。