7/17/2025, 1:35:20 PM
「揺れる木陰」 #66
あなたと私、それからそよ風と葉擦れ。
その声だけが聞こえるところでお喋りがしたい。
あなたのはっきりした低めの声を自然の音が控えめに飾る。
あなたの表情がわからないほどの木下闇で声だけに集中してみたい。
私の全てをあなたに集中させてみたい。
7/16/2025, 1:57:49 PM
「真昼の夢」 #65
ぽかぽか、うとうと、
午後の日差しがあまりにも心地よい。
ふふ、おはよ。
あなたが隣にいる気がした。
「次の問題を――さん」
先生の声で現世に戻される。
私の隣にいたのはあなたではなく数学だった。
7/15/2025, 1:44:28 PM
「二人だけの。」 #64
「付き合ってることは二人だけの秘密ね」
私は隠しごとが苦手だから上手く誤魔化せなくて、少しずつ露見してきている。
本当はあなたの私だけの甘美な秘密にしてしまいたいのに。
隠せない私をあなたは「ばか笑」と笑う。
その甘い響きで、少し隠すのを躊躇ってしまうの。
7/14/2025, 12:24:14 PM
「夏」 #63
暑いからって、あなたがこっちに来なくなる
暑くなくても来てくれないのは分かっているけれど
あなたが来てくれないのを暑さのせいにする
暑さに責任転嫁する
しんどくないから、夏が好き。
7/13/2025, 12:23:30 PM
「隠された真実」 #62
好かれている、ような気はする。
嫌われてはいないだろうとは思う。
普通以上好き未満、みたいな感じ。
「私のこと好き?」
たった一言、聞けばあなたはきっと答えてくれる。
でも怖い。
十中八九、好きだと言ってくれると思う。
でも、好きの度合いが違いすぎたら?もし、何も返ってこなかったら?
その薄いヴェールの下に隠された真実が怖い。