【鳥かご】
からの鳥かご
中の鳥は逃げたのか死んだのか
主を失い転がる鳥かご
在りし日の思い出
【友情】
わたしにとってそれは
鉢植えの花のようなもので
肥料をあげて水をやらないと枯れてしまう
現代に生きる大人は忙しすぎて
枯れ果てた植木鉢に時々淋しくなるのは
きっとわたしだけじゃないはず
また新しく育てたくても
種すら手に入らないこんな日は
【花咲いて】
花咲いてまた散る
その繰り返し
季節が巡っても
美しいと思う心は変わらない
変わらないでいたい
歳を重ねるごとに
世界は色褪せていくけれど
来年もまた咲く花を
美しいと思える心を
失わないでいたい
もしかしたらもうとっくに
失くしてしまったかもしれないけど
ふと漂う香りに甦る
世界が鮮やかだったあの日
【もしもタイムマシンがあったなら】
太古の昔に旅をして
日が沈む大地を眺めたい
人類の足跡をたどる
走馬灯のように
卑弥呼の時代
原始的で神秘的なシャーマン
ローマのコロッセオ
熱狂する人々の声
ロココと退廃のベルサイユ
革命とドラマ 新しい概念
ベルエポックのカフェテラス
芸術家たちのサロン
そして世界大戦
破壊と再生
AIとの邂逅
時間が加速していく
早送りされていく人類の時間
タイムマシンがあるとして僕は
人の終焉を見届けたい
意味のないことだとしても
なんとなく神様みたいで
ちょっと悲しく面白いことだと
思ったんだ
【今一番欲しいもの】
書くことに対するモチベーション
なんか飽きてきた
時々フィードバック欲しくなる
人が怖くてこうして閉ざされた場所を選んだのに
誰かの声が聞きたいなんて、おかしいね
けっきょく人は人と繋がらないと
自分のカタチすら認知することができないのかな
誰のために書いているのか?
自分のためだと思っていた
考えを整理して心を癒すためだと
でも、いまは欲がでてきた
誰かに読んで欲しい
わたしの言葉が誰かの心に届いて欲しい
池に投げ入れた小石のように波紋となって
誰かの感情を震わせたい
今一番欲しいもの
わたしの欲
それは、繋がりたい。と、いうもの