アナタはわたしと一緒にいるのが嫌なのかと思っていたの。
話し掛けても微妙な反応。目が合ったと思ったらものすごい勢いで逆を向く。
ほら、昨日だって告白したら何も言わずに走って逃げたしさ。さすがに泣いちゃったな。
わっ!ごめんごめんもう大丈夫だよ!
恥ずかしかっただけだっておしえてくれたから。
…でもこれからはちょっとでもいいから
伝えてね。あっ、バス来ちゃった。また明日ね。
「なんで忘れてたんだろうな…」
一筋の光と共に溢れた。
「なんでアナタはそんなに優しくしてくれるんですか?」
素朴な疑問を控えめに聞くと、貴方は
嬉しそうだった顔を歪ませる。
そんな顔をさせたかった訳じゃないのに…。
「泣かっ…ないで…?」
あぁ、なんで言葉が詰まるんだろう。
拙い言葉でも伝わったのか彼はゆっくり止めを瞬かせた。
そして、今度は悲痛を訴えるものでは無いとわかる柔らかい雨をそっと流した。
理想郷と聴いてあなたは
何を思い浮かべるのでしょう。
不死の世界?
それぞれが愛してやまない人や物で溢れた所?
勉強の無い世界や
平和な世界かもしれない。
けれど私はこう思う。
死にたいほど苦しい時でも、自殺を試みても死ねない。逃げられない。
愛されなければ生きていてはイケナイの?捨てられてしまうの?
学びが無いのなら私たちは会話もなく孤独だ。
戦争はいらない!…だけど全てを同じ考えにしては発展なんかしない。ロボットと同じだ。
あなたの理想郷は何ですか?
ゼェゼェ……ヒューヒュッ。
異質な音が響きだしてからどのくらい経っただろう。時間が経過すると共に過換気は悪化。
考えてはいるが体は全く反応してくれない状態。放課後、人がまばらな時間に着替えに来たのが間違いだった。
トイレの個室で服を取り出していると、1ヶ月前から日常とかした気持ち悪さが込み上げてきた。昼食時に1度吐き出したので、出てくるのは濁った液体だけ。
「色んな意味でまマズイ」と思っていると一瞬白く目の前が変わりふらつき立てなくなった。挙句、人感センサーのライトには反応されずに暗闇の完成だ。
「もしこのまま気づかれなかったら…」
思考の渦に飲まれて呼吸は浅く、早くなる。
暗闇のなか助けを求める掠れた声は届くはずもない。
僕はよく自分を鑑賞しているかのような気分になるンだよね。
動いているのは間違いなく僕なのに言葉使いはまるで違う。何より1番変なのはいつも1人でいるところだよね。
僕はいつも☆☆くんと一緒にいるのにツ、
なんでかな。
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私は時々記憶が曖昧になる時間があります。
寝ているかのような、ボーッとしているかのような不思議な感覚です。けれどもイヤな感じはしないです。
逆に意識が鮮明になるとフッと体が軽くなったよう少し元気になります。
でもちょっと前にクラスの人気者で明るくて優しいと評判の女の子が話しかけて来た時には違和感がありました。
「ねぇ♡♡はさぁ、☆☆くんと仲良くなれたらって思ってるんだ〜!だから…あなたも応援してくれるよね」
「……。えっ??」
想像していたよりもハイテンションで頭が回らなくなり、なんで私に☆☆君のことを相談しているんですか?とは聞け無かった。
「協力するのしないの?!」
ドスの効いた声に鈍い反射で
「しししっます!」と言ってしまった。
思えばこの一言のせいで
私と☆☆くん、そして僕の
『すれ違いは加速した』