【喪失感】
医者のせいで俺の大切な人が死んだ。
過去にも、一人の大切な人を失ったことがある。
一人目は、俺がこの手で殺した。
二人目は、他人の医療ミス。
二回も大切な人の心臓が破裂する瞬間を見た。
一回目は実際に俺がやって、二回目は画面越しに。
ああ、俺が手術をしていなければ助かったのに。
ああ、俺が手術をしていれば助かったのに。
【踊るように】
付き合ってる距離なのに付き合ってない関係が好き。
でもそんな時間はすぐになくなること、分かってるんです
「好きなら『好き』って言いなよ」
違う。今の関係が一番好きで落ち着くの。
「彼、貴方のこと気になってるらしいよ」
それはそれでありだけど、今の関係以上は望まないの。
【些細なことでも】
「今日調子悪い?予定変更するか。」
「そこ気にしなくていいよ。僕がやっとくから。」
いつもメンバーの心配ばかりするボーカル。
周りの人ばかりを見ていて、自分には目もくれず。
ある日、ボーカルは突発性難聴になった。
「心配しなくて大丈夫です。
ただ薬の副作用で頭痛だったり体調はすぐれないけど。」
【心の灯火】
自分は報われても他人は報われない。
イカれた世界に、僕は唾を吐いた。
みんなに笑顔を届けたい。
だから、僕は認めたメンバー脱退。
メンバー脱退後、さらに世界から注目を浴びる。
『メンバー脱退後、大規模なること思ってましたか?』
「はい。思ってました。」
【香水】 ※あるドラマを元に
「…あれ、先生、香水つけてます?」
「はぁ?つけるわけ無いだろ。」
あんなの金の無駄、と吐き捨てるように言った。
でも、どこか優しくて落ち着くような匂いを纏っている。
「柔軟剤でも…こんな匂いはしませんよね…」
「っておい…ここ仕事場だぞ。」
抵抗する先生を抱きしめ、首筋に顔を埋める。
すると、優しくて落ち着くような匂いを強く感じた。
「ああ…先生自体だったか、」
「何言ってんだ、お前は。」