睦月

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11/2/2023, 10:38:35 AM

『眠りにつく前に』

明日 朝日を見よう
いつものところで
待ってます

眠りにつく前に
LINEがきた

アイツのスマホに
あの娘から

にやけるアイツの横顔

朝食のメニューは決まった

あの娘とアイツが
永遠に
眠りにつくメニュー

10/28/2023, 12:54:22 PM

『暗がりの中で』

「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」

何時だったか
太宰治が知り合いを励ますつもりで
書き添えた文章だとか
あの人が そんなことを言っていた

何故か フッと思い出し
呪文のように繰り返す

私は負けた あの娘に負けた

誰かの命を奪うくらいなら
自分が消え失せた方が楽
なんて誰かが言っていたような

確かに そうね
他人を憎むパワーなど
もう 残っていない

現世への未練を断ち切って
アイツへの未練を断ち切って

アイツを
惚れさせることもできなかった
私を殺す…

そう 決めたはずなのに…

私は以外に業が深い
呪文のように繰り返すうちに
生きることに
執着している自分に気付く

暗がりの中で
声一つ上げずに
私は涙を流していた

すべてを断ち切って
生まれ変わったつもりで
生きてみよう

そう思ったら
なんだか 死ぬのが
馬鹿馬鹿しくなった

10/27/2023, 1:23:36 PM

『紅茶の香り』

あの娘の影を感じたのは
あなたが
紅茶の香りさせ
帰ってきた夜のこと

残業 接待 飲み会と
言い訳 マンネリ
飽き飽きする

あの娘せいで
飲めなくなった
紅茶を

「どうぞ」

と 差し出せば

あなたは
どんな顔するの?

私に 心があることも
私が 惨めになることも

すべては 見えてて
目を反らす

優しさなんて 微塵もないの
残酷なだけ あなたの言葉

「愛してる」

10/25/2023, 11:10:18 AM

『友達』

ナイショの秘め事 隠し事

「友達だから…」
便利な言葉

私は
気付いていないふり

証拠集めに勤しんで

あなたの目の前突きつける

その日を思い
ほくそ笑む

いったい何人の
お友達がいらっしゃるの?

そろそろ 限界

復讐へのカウントダウンは
まもなくよ

10/24/2023, 11:03:54 AM

『行かないで』

行かないで
逝かないで
往かないで
いかないで
イカナイデ

叫んでも 祈っても

ひとり また ひとり

行ってしまった
逝ってしまった
往ってしまった
いってしまった
イッテシマッタ

残されたのは

わたしだけ…

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