「優劣感、劣等感」

友達にテストの点数で勝っていたら嬉しい。
でも友達が得意なことを自分より上手にしていたら、負けたような気持ちになる。
自分より下の人をつくり、そこに存在意義を生み出しているのだ。

「これまでずっと」

「お姉ちゃんなんだから妹に優しくしなさい」「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」
小さい頃からずっとそう言われて育ってきた。
部活の後輩が私宛の色紙に「周りを頼ってみてください」と書いていた。
私は、ずっと辛いことがあっても言葉にはせず、「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせてきた。
誰かを頼ろうにも頼り方がわからない。

「1件のライン」

ラインの通知音がなった。
画面を見ると、同じクラスの友達だった。
「ありがとう」
ラインにはそう書かれていた。
私は彼女になにかしてあげただろうか？
次の日、彼女は命をたった。

「目が覚めると」

男の子がふり返る。
「またね」
目にかかった前髪の隙間からあの優しい目が私を捉える。

スマホのアラームの音で目を覚ます。
「夢か…」
いつもと変わらない朝が来て、いつもと同じように学校に行く。
いつもと違うことといえば朝見た夢だ。
今日は私の大好きな人の一周忌。

私は、甘えるのが下手で、寂しがり屋だ。
だから、猫の抱きまくらを抱いて寝る。
そうすると、ひとりじゃないような気がして
落ち着くから。