7/25/2024, 2:43:16 PM
鳥籠の鳥の暮らしはまあ楽だ。
決まった時間に決まった餌が届けられて、話し相手は優しい人間。空に憧れようと、薄い透明な枠から外に出ようとは思わない。私の島はこのカラフルに彩られたリビングだけ。私の空は人工的な香りの空気のすんだ空だけ。覚えた言葉で歌えば喜んでくれる人間の姿が生き甲斐なだけでここにいる。わるくない。翼を大きく使えなくてもわたしはここで歌えたらそれでいいと思っているのよ。貴方の途方の無い語りをききながら「わからないでしょうね」なんて言いつつ吐き出される言葉の数々はもちろん分からないけど、あなたがいつもより少し苦しそうなのはかわかるわ。だから覚えた言葉で歌ってみるの。あなたがクスリと笑ったらそれが薬になるように。
7/22/2024, 3:28:45 PM
もしもタイムマシンがあったなら
どこに行こう
生まれなかった日を思おう
産まれてしまった日を思おう。
そうしてどこで間違えたのか探そう。
間違いがあったのか、正せるのか
間違えて成長する私の生まれた皺顔を、だれがどんな笑顔で見てくれていたのだろう。
知ったところでタイムマシンに頼るでもない私の手はずっと震えながら我慢の拳を握るだけだれど。