毎年家族でバーベキューをするのがお決まり。場所や具材は少しずつ変われど、バーベキューをするということ自体は今年も変わらない。夏。
バーベキューなんて暑くて面倒でお金のかかるので好き好んでやりたいとは思わないが、いざやらなくなったらそのことを思い出してさみしくなるに違いない。
一生は不可能であっても、一度でも多ければいい。
!じゃ足りない感情
ふと見上げた時の空がとても綺麗だった。鮮やかなオレンジで、遠くの空になるにつれて明るなっていた。理科は苦手なのでとても不思議で、でも一瞬のことなんだろうと思った。
その瞬間、スマホが震えた。いつでも待ち望んでいる遠くに住んでいるあの人からのメールだ。
「空、めっちゃ綺麗だよ!」
男女の友情は成立するか問題。
これはそもそも"成立"の定義からだ。
行動したらか、気持ちが相手に(第三者に)バレたらか、想ってしまったらか。一瞬想像しただけでアウトならそりゃ成立しないだろう。
でも、気持ちの大小は含めず、相手は勿論第三者にも誰にも気づかれてないなら、墓場まで持っていったら、それは成立してないってことにしてくれませんか。
想われた相手からしたら友情だったのに、死んだ後で天国で見た友達リストに載ってなかったなんて酷い話ありますか。友達だと思っていたのは君だけでした、君が見ていた景色は全部嘘でしたってそんな片思いってありますか。男女なら多少覚悟はしてたかもしれなくても、同性なら心底びっくりですよ。もはや何で気づいてあげなかったんだって、自分を責めるかもしれませんよ。そんなの誰も楽しくないですよね?流石にそれは可哀想だなって思いますよね?ね?
だから、絶対確実に隠し通すので、お願いですから、あいつの友達リストに自分も載せてくださいよ神様。
言葉にならない会話は割と行われている。
単語そのものが思い出せず、お互いわかってることはわかってるのであれだそれだで通じている時。
言葉とは逆の意味や別の意味を含みつつ会話している時。冗談やしゃれ、皮肉や煽りを楽しみつつ水面下で蹴り合う。
取り繕ったうわべの会話をしている時。形式だけの事務的義理的なラリー。別の目的がある場合と逆に何も生まれ無い時間を埋めるだけの雑談だったり。
言葉にするほう、しないほう。
人間にテレパシーが使えたら果たしてどちらが相手に伝わるのだろうか。
水色の花柄ワンピース、黒いカンカン帽、青いメタリックカラーのサンダル。昔から夏は嫌いだけど、夏のお出かけにしか身に着けられないお気に入りはたくさんあった。
屋台の食べ物を今は食べたいと思わないけど、あの頃は好きだった。あのお祭りの匂いも音も雰囲気も好きだった。
夜の虫の音と丁度いい気温と風が好きだった、真夏の記憶。