水色の花柄ワンピース、黒いカンカン帽、青いメタリックカラーのサンダル。昔から夏は嫌いだけど、夏のお出かけにしか身に着けられないお気に入りはたくさんあった。
屋台の食べ物を今は食べたいと思わないけど、あの頃は好きだった。あのお祭りの匂いも音も雰囲気も好きだった。
夜の虫の音と丁度いい気温と風が好きだった、真夏の記憶。
こぼれたアイスクリームが手をつたう。
それを舌ですくう。
バニラアイスクリームだった。
やさしさなんて無いと思う。
今助けておけば後々自分の役に立つかもの損得勘定。
やさしいと思われたい、人にやさしい自分が好き。
可哀想と思われてる、下に見られて哀れまれ馬鹿にされてる。
どれもやさしさなんかじゃない。
けど、相手がやさしくされた嬉しい助かったと思えばどんな動機でもやさしいと言うことになるのかもしれない。少なくとも何もしない人よりはそりゃあ良い。
麻雀でツイてることを風が吹いてると表現する人がいる。
一昔前は当たり前だったらしい根拠の無い理論も立場逆転し今はオカルト派は少数派に感じる。
当然くだらないと思う。全く信用してない。ただ自分は「風を信じますか?」とは言って欲しくない。「風を感じたことはありますか?」と言って欲しい。
風だ流れだ言う人はそれが事実である前提で話をして欲しい。風があるないなんて議論をして欲しくない。まるで無いかもしれないことを受け入れるような、存在を疑うようなこと、作り出したあなたが言ったらおしまいじゃない。風を感じてるんですよね?あなたがあるって言ったらあるんですよ。
だから自分も無いなんて言わない。「感じたことはないですね」と言いたい。
夢じゃないって証明は出来ない。
長い夢をみてるだけかもしれない。夢の中で夢を見てるだけかもしれない。
1倍速の走馬灯かもしれない。もうすでに未来は決まってるのかもしれない。
高次元の存在が作ったプログラミングなのかもしれない。リアルな仮想世界なのかもしれない。
もしそうだとしたら、脱出して元の次元に戻りたいのか。そしてその世界こそが本当だと証明するにはどうしたらいいのか。永遠に、納得することはない。
そんなわけで大人しくこの世界の住人として生活する。今日も明日も。