【朝日のぬくもり】
土地柄もあるのかもしれないが、朝、家を出かける時には「まぶしっ! あっつ!」と喚いている。朝日のぬくもりを通り越し、何というかいろいろ突き刺さってくる。強い。痛い。
今年はべったりと梅雨空だろうか、それとも空梅雨で早朝から太陽はサンサンと照るだろうか。そんなことを考えつつ、天気予報アプリを開いては閉じを繰り返している。
【岐路】
ふとした瞬間に自分自身を振り返る時、必ず後悔は付いて回る。可能性は無限にあっても、その瞬間に選び取れる「道」はひとつしか無い。岐路に立つとはきっとそういうことなのだろう。
【世界の終わりに君と】
流し見ていたネットニュースの「手を繋ぎながら永眠した老夫婦」の話題。命の火が消える瞬間も、最愛のひとの手を離さなかった彼等。彼等は「彼等の世界」の終わりを幸福に逝ったのだろうか。ふとそんなことを考えた。
【最悪】
うーわぁ、最悪や。きょう体育あんのに体操服忘れてきたやんけ。
教室入口の時間割とぺったんこのサブバッグを比べたところで、だいたい目が覚める。しかし寝ぼけ眼で天井を見上げているのは、今日の出勤のためにそろそろ起き出さなくてはならない社会人だ。
学生時代の記憶はひどく曖昧で、思い出らしい思い出というモノもこれといって無かったりする。しかし記憶のすみっこには若かりし日の残り香が焼きついているのだろうか、夢の中の私はだいたい「遅刻した」だの「忘れ物をした」だのと大騒ぎをしている。いや、流石にちょっと抜けすぎてはいやしないか。
たぶんこの先も、折に触れて十代の私の姿を夢に見ることがあるのだろう。でもせっかくなら、起きている時の私が思い出せない「楽しかった記憶」を掘り起こしてもらいたいものである。
――いま思い出せるのは、だいたいろくでもない記憶ばかりなので。
【誰にも言えない秘密】
私には「秘密」なんてない、ことはないのだが、「誰にも言えない」となるととんと思いつかない。せいぜいがひとりきりの部屋でのだらしない自分の姿くらいで、己の在り方を鮮烈に飾り立てるような、心の奥底を常に締めつけて離さないような――そんな人生を左右するような秘密とは無縁に生きている。
もしかしたらこの先の人生で、私も「何か」を抱える日が来るのかもしれないが、今はまだ、平々凡々に過ごせる時間を大切にしたい。
それはそれとして「誰にも言えない秘密を抱えた美しく格好いい生き様」には憧れる、と漫画のページをめくりながら思うんだけれどね。