神は細部に宿る
という言葉があります。
ディティールに拘りの感じられる作品や、細かい箇所まで抜かりなく仕上げられた仕事など
そういったものを見た時に、そんな言葉が浮かびます。
細部に宿る。細部…小さいもの…ミクロ…
微生物。
生物の根源をイメージする。
つまり神は微生物に宿る。
神様が、本当は何処におられるのか。
神様だけが知っている。
足を止めて立ち止まり、後ろを振り返る。
後ろを見たまま、前に進めるだろうか。
過去の栄光。
過去の失敗。
過去を後悔。
過去を憂い。
過去を懐かしむ。
この道の先にあるものを見ず。
答えを過去だけに求める。
足を止めて立ち止まり、前を向く。
未来を見つめて、前に進めるだろうか。
この道の先を
見ることが
出来るだろうか
今日は薄曇り。
それにもかかわらず暑い。
地面は熱く、水道から出る水も熱い。
湿気のせいか体に熱がこもり、私自身も熱い。
地球がどんどん熱くなる。
みんな熱くなる。
この先を考えて怖くなり、途方に暮れ、最終的に悲しくなる。
日差しは明るく、命を讃える。
日差しをまた、そんな風に好意的に思える時が来ますように。
朝からカラスの鳴き声がする。
一羽鳴くとそれに呼応して他のカラスが鳴く。
梅雨。朝から雨。
窓のカーテンは朝から閉めっぱなしだった。
ふとカラスがひときわ大きな声で鳴くのが聞こえ、窓に視線を向けた。
カーテンの隙間から、明るい光が差していた。
いつの間にか雨は止んでいるようだ。
カーテンを開けてみた。
控えめな明るさだが薄暗くもない。
そんな空の向こうからカラスの声が聞こえた。
カラスの姿は見えない。
ただ、雨が止んだ後の濡れた町と傘を畳んだ人が歩いていくのが見えた。
一瞬、雀の声が聞こえた。
カーテンを締め切った部屋の中でカラスの鳴き声を聞きながら想像してた世界とは全く違う。
窓の向こうに見えるのは
淡々とした日常。