透明でいたいんだよ。
好かれたくも嫌われたくもないし、雑踏のなかの一人でいたいのに。なのに。

【透明】

見上げたらそこにいて、少し心上がる存在になりたい

【星】

誰にも後暗くない顔をしていたい

【願いが1つ叶うならば】

嗚呼、まだ諦められない

【嗚呼】

自習場所にしていた図書館が好きだった。
静かで、お金がかからなくて、風に晒されない。

閉館して、大きなショッピングモールに組み込まれることになった。
狭いワンフロアにしかない、限られた机にタンブラーを持ち込み勉強している学生と、ソファには無料で新聞や雑誌をペットボトルで席取りした老人が常にいる。

見たくなくて、貸し出しと返却のカウンターに真っ直ぐ向かっては予約した本の受け取りと返却だけしてさっさとあのフロアから遠ざかろうとするようになった。

【秘密の場所】