好き嫌いの話じゃない。
気に入らない人。でも気に入らないと口にしたらこっちが小物の悪者なのは確かだとわかるから口にしない。
彼の性格がアレなことはさておき、気に入った者には優しいところや、誰かを敬ったりするところも見ているから、真面目で固すぎる自分と合わないだけで彼が悪では無いこともわかってしまっているからだ。
私が弱いだけなのだ。真面目に生きていようが、言うこと聞いてるだけ。反抗も打開の提案もしないくせに、明るく愛嬌を装い順応し取り入る賢さもない。
真面目にやってるだけなのに、結局気の強い人や小賢しい人に負けて、なんで正しく評価されないのって舌を打つだけ。
彼は私よりずっとずっと厳しいなかやってきた。やりたいやりたくないでなくやるべきことならやる、と続けてきた人。そして成果を出している。
自分がコンプレックスに感じることすら烏滸がましい気がする。遠いな、と思う。
【遠く…】
大したことじゃなくても秘密って言われたら、ばらしたくなるでしょう。勝手に「この人だけに話すなら」「ばれたところで大したことないだろう」と。
秘密なら、本気で話さない方がよろしい。誰かとの秘密になったら、それはばれない秘密じゃなくなるから。
【誰も知らない秘密】
気づけば薄暗い青の空間
【静かな夜明け】
それが通じたとき、恐ろしい喜びを得る
【heart to heart】
祝いに、弔いに、発表に貰う花束はあまり好きじゃない。
崩れぬように持ち帰るのは気を遣うし鞄に突っ込めないし、邪魔だし、家に置くのにはこっちが花瓶用意して差し替えて、特に好きじゃない植物を置く。
虫が来そうとか、水を差替えないから枯れて水が汚れていくそれを、邪魔くさく思いながら倒さないようにスペースに気を遣う。枯れると、捨てるのが余計に億劫で。
すぐに捨てるのはひどいとか可哀想とか言われそうだから置いておいてるだけ。
何か贈らなきゃだけど思いつかないからとりあえず花束、と思われてる気がする。そんなことのために刈られる花の方が可哀想な気もするし、私のものとして、こっちが面倒見なきゃならないものとしておくりつけといて帰って捨てたら怒られるなんて、こっちが困った話だ。
そんなこと言えないし、かと言って何か欲しい訳でもない。ただ良かったよ、と言葉を貰えたら何でもいいし、何もいらないし、誰々さんは何かくれなかったなんて言わないのに。
【永遠の花束】