お休みに入る前に食べ物を沢山買った。飲み物や、時間を潰すための本、ゲーム、お菓子、色んなものを買い溜めてーー。
いざ！冬眠！

手ぶくろを左右でわけてみる。裸の手のひらを合わせて、冷たいって笑いあいながら指を絡めて熱を分け合う。じきに温かくなるね。

「不変」であればいい。と何度願ったのだろう。環境や関係、外見何もかも「お気に入り」のものは何も変わらずそこにあり続けてほしい。と。

そんなの、無理なんだってずっと昔から気がついてるよ。

「妻へのプレゼントに」「恋人に」「友人とパーティーをするから」「自宅に飾るので」

たくさんのクリスマスの物語に触れた日。
骨ばった傷だらけの手で、ひとつひとつ束ねる。
ここはお花屋さん。お花と想いを束ねる場所。

すごく寒い。それはもう凍えそうな程に。そんな日の夜、まるで雪のようにぼくの目の前に現れたあなたは、眞白の息を吐いて、ぼくに微笑む。頬や鼻先、耳を真っ赤にして。