わたしは、今、この世界に生きている

優しい優しい、友情も愛情も

わたしの、懐に残る侘しさも

誰かを愛して、誰かに愛されて生きた証も

わたしが、私自身を愛するときは

いつか来るのだろうか

わたしは、あなたが恋しい

わたしは、あなたが愛おしい

どうして、お先にお行きになさるの？　と

あなたが、優しく、問うたものですから

わたしは、にっこり笑って

行かねばなりません。行かなくては、お天道様にも、

お叱りを受ける　と

騙し騙し抜いた嘘の言葉を吐いた

ほんとうは。

ほんとうは

わたしは、

みんなで掛け声合わせて

せーの

いち、に、いち、に

みんなで仲良く輪になろう

そうして、笑った、出撃前夜も

みな、涙を飲み込んで笑って呑んで酔いつぶれて

ああ、こんな時間が続くといいな

こんな時間がずっとずっと続けばよかったな

あの日のことが、まだ頭の中にぐるぐる回る

あの日、あの夏

一つの爆弾が落とされた日のことを

わたしの視界に包まれた色

わたしの全てを奪ったことも

街も人も平和も

焼き尽くされた、出来事も

あなたが飛んだ先には、何があるのでしょうか

綺麗な空でしょうか

瞬く光でしょうか

あなたが飛んだ雲の隙間から

優しい優しい太陽が、はばかりなく落ちてくる

また明日を迎えてしまう

くるしい、くるしい、朝日に

死にに征くと

大きく羽を羽ばたかせて