10/13/2024, 10:23:45 AM
坂を登って
脚を蹴り倒す脚立
ふるびた喫茶店も
今じゃ音も無いな
気配すら消え去ってくれよ
相槌は疲れたんだ
愛想笑いが痛いんだ
心が無垢のまま成長して
大人になれない花嫁にぼくは
清潔さも忘れてる
10/12/2024, 1:01:26 PM
夕陽が差す陽だまりの中で
湯気が立つ演劇みたいな拍手だけ
鈴虫みたいに鳴くあの楽器も
照らされただけのポスターも
今となっちゃ古臭い思い出だって
言わず知らずあたしはうっぷせて
前上がりはできるのに
逆上がりはできないなって
世界が逆さまの中で
綺麗に笑う、日差し
10/11/2024, 12:10:59 PM
亜麻色の髪が靡く
ぼくたちは煙草みたいな関係ね
って呟く君が白い足を覗かせながら笑う
わたしは一人 たちこもる限り
辛いとか苦しいとかぜんぶ消え去れと言った
辛かったんだ
苦しかったんだ
痛かったんだ
感情が消えない前に
じゃあまたねと優しく笑う
あの部屋で過ごした日々も
あの空間のお気に入りも
なくなっちゃったね
なくなってしまった
10/10/2024, 10:18:51 AM
なんで好きになっちゃったんだろう
ぼくはあなたを忘れたはずなのに
初恋と呼ぶにはまだ早かったのかな
早い蕾が散る季節だねって
初々しく言って
薫る花束の匂いと
甘いケーキが置かれた机に
ぼくはそっと蝋燭を落とす
涙は知らないあえてない
君は知らない涙の落とし方
綺麗に落ちるのはぼくだけ知ってる
ほらと渦巻いて
ぐうのお供出ないわね
10/9/2024, 10:18:06 AM
腫れた傷物には春は来ない
膨らんだ蕾があなたを待つ
舟に乗って月面の下へ
すいすい泳ぐ筏にぼくは
月明かりの海は綺麗だねと
白い服をくるくる回して
一本の花を差し出す君に
手送りは要らないのにって
少し笑う