私には親友が居る、何でも話せて何でも解ってくれる親友が居る。
なぁ~んて話有るわけ無いから、何でも話したらバラされるし。解ってくれるって何を、自分自身でも自分が解らないのに何を?寂しい話かも知れないけど、皆分かってる事だよね。だから今だけは、若い時だけは人を信じたい。
今、私はあなたを見て心打たれる幼い瞳を見て。
ごめんなさい、って謝りたくなる。
何でこんな事に、私が何をしたの一体私が何を。
何気ない朝だった、珈琲を飲んで居るとアイツが放った言葉が。此処から出て行ってくれないかだった、どうしての?
何があったの?子供が出来たんだ!子供誰に!?
沈黙して語らないアイツ、数分後に一言妻に。
はぁ〜あ何、妻は私でしょ?いや、籍は入れてないから妻じゃないんだ。言葉を飲むとはこの事か、確かに一緒に出してはいなかった任せていた。そしてアイツは、違う女と籍を入れた訳か。そこそこ収入の有る私と暮し、二重生活をしていた理由か。余りにも酷い仕打に言葉も出ない、頭を整理したいからと家を出る。会社は休もう、それだけしか浮かばない。外は寒い風が吹いている、こんな季節に私は彷徨っている。人生も彷徨っている!気が付けば、実家に居た。何も無い家で、誰も居ない両親も居ない。此処で、枯れる程泣いて忘れようアイツ何か。戸籍は綺麗だ、私も綺麗だ。アイツより!
明日にはきっと明るくなれる、だから今だけは項垂れて歩いて良いよ。顔なんか上げなくて良いよ、道を睨みながら歩いて良いよ。でも明日にはきっと、明るい一筋の光
が現れる。
私の父は何とも哀愁のある人だった、人の良い男で頼まれるとなんでもやる人間だった。
何でか無口な癖に人に好かれる、そして女の人にも好かれる。人とつるむのが苦手でよく、一人で飲みに出掛けていた。でも、朝になると知らない人間を泊めて居たりする。
母は、何も言わずに朝ご飯など出してやっていた。
そんな父がある時家出したのだ、スナックの雇われママど。多分、頼まれて一緒に行っちゃたんだと思う。
学校の帰りに、父が校門の前に居た帰ってきたの?
母さんは怒ってるかい?当たり前だよと。娘に怒られながら、哀愁のある後姿で前を歩く。娘はスキップしながら後ろを歩く。
結婚してからだいぶ立つ、子ども達にも恵まれ穏やかな日々を送っている。彼はすら〜とした人だったが、今も余り変わらない。
私はと云うと、だいぶ様子が変わった。
子を生み育て旦那のお世話をし、時々義両親のご機嫌伺いをし。穏やかだが、忙しい日々を送っている。
たまに、贅沢に御高い温泉の素なる物で湯に浸かる。
身体を洗おうと湯船から出ると、懐かしい肥えた頃の母が居る。鏡の中の自分だった、なぁ〜んだここに居たのか。
何年ぶりかに母に会った。
ごめん、ファンタスティックな話は書けないや!