やっと掴めたこの手を絶対離さないように
あなたが一人で泣かないように 消えないように
並んで歩いていたら何気なく繋がれるこの手に
少しだけ力をこめる
握り返してくれなくたっていい
強がりな自称宇宙一の愛をこめて
『力を込めて』
小さい頃、怖がりな私にジャングルジムの登り方を教えてくれた男の子がいた
すいすいとてっぺんまで登り、根気強く私に登り方を教えてくれる彼は私にとって"ヒーロー”だった
初めて私が頂上に登れた日は自分のことのように喜んでくれた記憶がある
思い返すとこれが私の初恋だった
数十年経ってヒーローと再会した
あの頃のヒーローは、煙草と酒にのまれて消えていた
人はどうにでも変わる
怖がりな私がジャングルジムの頂上に登れたように
いい意味でも
悲しい意味でも
『ジャングルジム』
もしも戻れるのなら
あの時に戻りたい
今ならあなたが欲しかった言葉が分かる
でもあの時の私は言えなかった
だからもう私はあなたの目に映れない
次に進めなんて言われるけど
私はあなた以外の人なんていらない
私はあなたが好き
今になって素直に出てくる本音
もう秋になる
すこし遅すぎたみたい
『秋恋』
生きていると
数え切れない出来事があって、運命がある
笑って泣いて忙しない毎日
でもいつかはこの人生も終わる
私達は何かを得ようと毎日必死だけれど
どんな記憶も思い出もこの体と共に焼かれて塵となる
私達には何も要らないのだ
必要なものも背負うものもなんにもない
どうせ世界が終わるのならば
私が欲しいものは君だけ
『世界の終わりに君と』
正直になると言いたいことがたくさんある
君と私の愛の重さが釣り合ってないとか
どうして自分の努力は報われないのかとか
正直世間は馬鹿ばっかりだとか
正直になると蓋をして何とか押さえ込んでいた気持ちが全部溢れて、自分が壊れてしまうから
毎日取り繕って思ってもないことばかり口に出して自分を必死に守ってる
みんなそうなんだろう
どれだけ強がっている人だってみんな
どうせ弱くて脆い人間なんだから
正直言ったらそうなんでしょ
『正直』