いつまでも降り止まない、雨。
コンビニで傘を買うことも考えたけど、近くの本屋で雨宿りをすることにした。
漫画の棚を見て最新巻がないかを確かめて、知らない漫画の試し読みをしても、雨はまだ止まなかった。
仕方がないので趣味の本でも眺めてるかと思ったら、一つの平積みの本が目に入った。
星々が表紙の、柔らかい素敵な文庫本。
私はこの本に目が離せなくなって、気がついたら手に取ってレジへと足を運んでいた。
会計を済ませたら、雨は止んでいた。
月並みかもしれないけど、この雨はこの本との出会いを引き寄せてくれたのかな、と思う。
あの頃、誰も知らない地域に引っ越して、友達が欲しいと足掻いてた自分へ。
いやもしかしたらそんなに悩んでなかったかもしれないけど。
まず、友達がいなくても死なない。
友達って不思議なもんで、いくらその場で気が合った人がいたとしても続くとは限らないし、結局はフィーリングと相性でしかない。
大事なのは、自己研鑽と己のパーソナリティを知ることなんだ。
「自分」がどういうタイプなのかを知ってれば適切な距離を保てるし、それでこそ一人が好きなタイプならば一人でいればいい。孤独を楽しめるなら、それもいいだろう。
だから、友達がいないだけで世界の終わりのような顔をしないでほしい。私は元気だから。
そもそも呪縛というのは、社会生活から生まれたものではないか?と思う。
そりゃ他の生き物とかは呪いとかそういうのには無縁の生活を送ってるわけで。
社会性があり、規律があり、営みのルールがあり。
そういうものがあって初めて呪縛、束縛されてるな、と感じるんじゃないか。と。
だから、本来は呪縛なんてもんは存在してないんじゃないかとすら思う。
本人がそう思ってるだけ。とも思う。
もちろん社会生活的に駄目なもんは駄目だろうけど、「逃れられない呪縛がある、逃げられない」と思ってるのは本人だけかもしれないよ、って話。
昨日へさよなら、明日への出会い
今我々は、一分一秒時を刻み、生きるため未来へと足を運んでいる。
過去はただの経過。未来は未定。
だけどその不確定さに、胸を躍らせられないか?
誰もいないプールに潜る夢をよく見る。
透明な空間、静かなくぐもった音、全身の重力が効かなくなる浮遊感。
手で水を掻きながら仰向けになって水面を眺めると、太陽が反射してきらきらしている。
とってもきれい。