『心の灯火』
それは、
見たことが無いけれど、
きっと誰にでもあると思えるもの。
時に、
誰かの一言に揺らいで消えてしまうくらい、
繊細なものになるけれど、
時に、
どんな逆境にもめげない力を
与えてくれるものにもなる、
とっても不思議なもの。
『海へ』
誰に届くか分からない。
そもそも、誰にも届かないかもしれない。
だけど、僕はこの海へ
投じてみたくなりました。
この小さなボトルメッセージを。
奇跡的にこのボトルを拾ってくれたあなたへ、
心からの感謝を込めて。
誰から届いたか分からない。
そもそも、私に宛てられたメッセージでは無いかもしれない。
だけど、私はこの海へ
投じてみたくなりました。
この小さなボトルメッセージへお返事を。
奇跡的に読ませてもらったこのメッセージに、
心からの感謝を込めて。
『さよならを言う前に』
何か言わなきゃとは思っていたの。
君の心に、少しでも響く言葉を、何か。
だって、もう会えないかもしれないから。
でも、いざ言葉にしようとすると
なぜだか全部ありきたりな
薄っぺらい言葉しか思いつかなくて。
カッコ悪くてとても口にできないわ。
だから、私はさよならを言う前に
この言葉を言うの。
また、会おうね。
って。
『空模様』
今朝の空模様はいかがでしょうか?
僕は寝ぼけ眼で部屋の窓を開ける。
まぶしい太陽の光が、僕に降り注ぐ。
きっと、今日も暑くなる。
今朝の空模様はいかがでしょうか?
僕は恐る恐るリビングのドアを開ける。
キミの鋭い視線が、僕に突き刺さる。
ヤバい、ガチで怒ってる。
昨晩、君の秘蔵のアイス食べちゃったの、バレたかな?
今日の帰りに、買って帰るから許してよ。
『いつまでも捨てられないもの』
我ながら、実に愚かだった。
僕はクローゼットの前でため息をついた。
この間、彼女と行った旅行で、
自分の土産として買ったTシャツ。
店で一番派手で、
一番訳のわからない柄のヤツを
二人でゲラゲラ笑いながら買ったのだ。
だけど、こんなTシャツじゃあ、
宅配便を受け取ることすら恥ずかしい。
……じゃあ、何で買ってんだ、って?
そんなのこっちが聞きたいくらいだ。
とはいえ、捨てるにはもったいない。
部屋着にするしか、ないだろう。
その後、彼女が僕のうちに遊びに来た時だ。
彼女は僕の部屋着を見て、
あの旅の時と同じくゲラゲラ笑った。
やかましいのに、まぶしくて、
こっちまで笑い出したくなるような、
その彼女の顔を見て、ようやく僕は気がついた。
なるほど、だから僕はこのTシャツを買ったのか、と。