誰よりも、ずっと
あなたのことが好きでした
(過去形)です。
…。
フラれて人は強くなると
皆は言うけれど
メタルスライム倒した勇者みたいに
モリモリ経験値が入る訳ではなく
じわじわと
傷口が塞がって
かさぶたが取れて
前よりちょっと丈夫な皮膚に
なる程度の
ほんのちょっとのレベルアップしか
強くなんかなれないのです。
でもありがとう。
桜を見るとつい、思いだして
傷口がほんの少しうずくよ
早く僕も、魔王を倒せるくらいに
強くなりたいね。
『詰替えシャンプー
この前買ったの、忘れてたー!
まーた買っちゃった!
…まあ、
どうせすぐ無くなるし?
別にいいか。
洗面台のとこに置いとこ』
…という現象。
去年も今年も、
きっと来年も
これからも、
ずっと。
沈む夕日に
跳ねるボラ
空のクーラーボックスを担ぎ
一休さんになった私は
竿を片付けていた。
跳ねるボラ
あ、また跳ねた
お前はさっきからなんなんだ
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ跳ねやがって
ちょっと期待だけさせて
音だけかい。このやろー
ボラは跳ねる。
なぜ跳ねるのか?
諸説あり。
魚を釣る
美味しく食べるために
持って帰る分、その場で
締めるのだが
君の目を見つめると
かわいそうに思ってしまう事もある
だからこそ
『いただきます』という言葉は
感謝の言葉だって事を
毎回、釣りは学ばせてくれる
ーでも、僕は、完璧な人間ではない
先日、夜の防波堤で釣りをしていると
偶然、サバの大群に当たった。
糸を垂らせば簡単に
サバが、釣れる釣れる!
しかも30センチを超える大型も混じってくる!
楽しい!!!
釣ったサバの首を次々と、
ポキッ、ポキッ、ポキッ!
割って締めていく
あまりに釣れる楽しさに
夢中になってしまい
ふと
気がつくと
バケツ一杯に入ったサバと
血の池地獄…………。
……………、
…………
……。
『ごちそうさまでした』
今日の僕は
サバでできている。
ありがとう。
こんなにきれいな
星空の下で
僕は一人ぼっちだ。
宇宙に浮かぶ
さみしい星たちと
肩を並べるくらいに、
孤独。