『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
匂いほど、強引に過去を連れ出してくるものはない。
雨が降り出す前のアスファルトから立ち昇るあの匂い。
太陽をぱんぱんに浴びてはちきれそうなほどの安心感を詰め込んだ布団のあの匂い。
母の鏡台の付近からどこからともなく香ってくるあの匂い。
そして街ゆく人々の誰かからふんわりと運ばれて来るあの匂い。
君があの頃につけていた香水に似た匂いにたった1秒でも触れた瞬間、私はセーラー服で放課後のグラウンドを見下ろす10代の頃に立ち返る。
香水
今日新大久保に行った。駅に着いたとき思わず「香水臭」と言ってしまった。周りの目がすごく怖かった。駅を出てお腹が空いていたのでお店を探しているとシトラスのような匂いがしている人とすれ違った。「ちょっと待って」そう言って俺はその人の手を掴んだ。だがその人は俺が探している人とは違かった。「すみません人違いです」そう言って俺は歩き始めた。俺が探しているのは一緒の施設で育った血のつながっていない姉貴だ。姉貴は毎回出かけるときに必ずシトラスのような匂いがする香水をつけていた。でも3年前殺人事件に巻き込まれて死んだ。だが、俺はそんなことを信じなかった。だから今でもこうして姉貴を探している。あのとき決めたんだ。どんなに汚い手を使っても姉貴を見つけると。
香水。
香水、私はあまり好まないものだ。
まぁ、匂いによるが。
あまりにキツイのはどうかと思う。
というより、必要だろうか。
そう思う。
香水
「ヴァシリーはいつもいい香りがするよね」
「……何だ、藪から棒に」
鍛錬の後、部屋に戻ってミルの淹れた茶を飲んでいた時にミルがそんなことを言い出した。
確かに嗜み程度に白檀の香を部屋で焚くことが多い。その香りが服や髪に染み付いているのだろう。試しに服の袖をすん、と嗅いではみるが香りはしない。
「ほら、いい香りがすると落ち着くでしょ?私もその白檀の香を焚いてみたいなぁ……なんて」
目を輝かせながら娘はそう言う。俺はカップを置き、腕を組んで目の前の娘を見つめる。
「いや、お前に白檀の香りは合わんな」
「えぇ〜……」
「それに香を焚く、ということは煙が出るということだ。それで喘息の発作を引き起こすこともある」
「そうなの?それは任務に支障が出るから嫌だな……」
「ああ。だから、香の代わりに別のものを後日用意してやろう」
「別のもの?」
首を傾げるミルに俺は手招きをする。席から立って、ミルは俺の側まで歩いてくる。腕を引いて、その小柄な身体を腕の中に閉じ込める。
「それは渡す時までの楽しみにとっておけ。いいな?」
「うん、分かった」
褒めるように頭を撫でてやると、ミルは嬉しそうに目を細めてこちらに全身を預けてくる。
まるで猫のようだ。中庭によく現れる野良猫にやるように顎元を指先で優しく撫でてやれば「猫じゃない」と軽く睨まれる。
「おや、先ほどまでは懐いていたのに……今は違うか?」
「そうじゃないけど……猫じゃない」
ミルの拗ねたような顔に対して、口角が自然とあがる。
「それはすまなかった。どうしたらお前の機嫌は治る?」
「……絶対に申し訳ないと思ってないでしょ」
「思っていない」
「……」
呆れたように息を吐かれた。しかし、娘が俺の腕の中から抜け出す素振りはない。
「どうした?呆れたならここから抜け出せば良いだろう?」
「申し訳ないと思うのなら、ここにいさせて。この白檀の香りを味わいたいの」
「いいだろう。好きなだけここにいるといい」
心地良さそうに擦り寄ってくる娘の頭を撫でる。
いろんなことを言いはするが、結局は俺のもとからこの娘は離れられない。
だが、それで良い。この娘が俺のもとから離れられなくなれば良い。俺がこの娘のことを常に思うように、ミルも同じように常に俺のことを考えたら良い。
そうじゃないと不平等だろう?
数日後。
任務終わりに私はヴァシリーに呼び出された。彼の部屋に訪れると、白檀の香りがする。殺風景な部屋に置かれた簡素なテーブルの上にお香が置かれていた。そこから煙がゆらゆらと細い線を出している。
「来たか。そら、例のものだ」
寝台に腰掛けていたヴァシリーが小さなものを投げてくる。受け止めて、見ると……それはシンプルなデザインのガラス瓶だ。中に水のようなものがある。
「これは?」
「香水、というものだ。先日お前に合うものを用意してやると言っただろう?首元に付けてみろ」
「……ありがとう、ヴァシリー」
キャップを外し、軽く首元に香水を振りかける。ふわりと林檎とムスクの香りが鼻腔をくすぐった。
「良い香り……」
「気に入ったか?」
「ええ、とても!ありがとう!」
甘すぎないその香りは私の好みだった。ヴァシリーの方を見れば、寝台から立ち上がってテーブルの上に置かれた香を消していた。
「あれ?何で消すの?」
「香りが混ざるだろう。白檀はいつでも楽しめるが、お前のその香りはお前が近くにいないとわからない」
ヴァシリーは私の元まで歩いてくる。そうして、少し屈むと私の首元に顔を寄せた。
「くすぐったいよ、ヴァシリー」
「我慢しろ」
「えぇ〜……」
しばらくした後、ヴァシリーは首元から離れた。そうして満足そうに笑うと私のことをぎゅっと抱きしめる。
「……ヴァシリー?」
「またその香りを付けてこい。俺もその香りが気に入ったからな」
「もちろん。付けてくるよ」
この香りをつけていれば、いつでもヴァシリーのことを思い出せる。それが何だか嬉しくて、大事な師の腕の中で私は笑っていた。
香水
香水の瓶ってテンション上がる。
全部可愛いのよね。
香水
「贈り物ですか?」
綺麗にディスプレイされている香水を手にしては戻し、また別の品を手にとりを繰り返すこと数回。店員さんに声をかけられる。普段入ることなどないセレクトショップ。並べられている商品も縁遠く途方にくれていた。声をかけてくれた店員さんにこれ幸いと頷く。
「はい。お世話になった方へプレゼントしたくて」
まぁ素敵ですね。お相手は女性の方ですか、等々、質問されるままに答えていく。
半年前、卒業したばかりの高校の担任。歳上の女性。そしてこれは伏せるが初恋の相手。ご家族の都合で遠い地に引っ越すことになったらしいとかつての同級生に連絡が回った。
急なことでもあるため皆で集まって見送る時間もなく。本当に慌ただしく旅立ってしまった。個々にお別れのメッセージは送ったがすっきりしない。そんな時ふと思い立った。そうだ。プレゼントを贈ろうと。おあつらえ向きに明後日は先生の誕生日だ。
香水を選んだのは何となくだ。自分の中の贈ってカッコいいプレゼント、ベスト3に入る。香りは記憶に残るとも言うし。あと一つはまだ買えないけどワイン。残りは、何だろうね。
そうして俺は、優雅な小瓶を手に入れた。青臭く告白めいたカードも封入し、梱包は万全。送り先は遠方のため航空便でと宅配業者の窓口を訪れる。しかし。
「申し訳ございません。香水は航空便では取り扱い出来かねます」
意気揚々と発送に訪れた俺は自分の無知を知る。
一人舞い上がっていた気持ちが萎んでいく。通常の発送は出来るけど誕生日である明後日には間に合わない。断りを入れ窓口を後にする。
そっかー。香水って飛行機じゃ送れないんだ。一つ学んだ。あー青空眩しい。
「香水」
香水は、
記憶の扉を開ける鍵。
すれ違いざまに、
香りがふわり。
昔の恋人がつけていた香水。
普段思い出すこともないが、
その香りで思い出す。
嬉しかった事も、
苦しかった事も。
無意識のうちに、
記憶の扉が開く。
私のつけている香水も、
誰かの記憶の扉を開けるだろうか。
香水。
いい匂いになるよな。
でも、臭いやつもあるぜ。
臭いってなんだよ。なわけないだろ
匂いが強すぎて、嫌な奴もあんだよ
ん〜そんなことがあんのか..
まぁ何事もほどほどにってことだな、
何、かっこいいこと言ってんだよ
でもそうだろ?
まぁ..たしかにな
でも、お前はもっと頑張った方がいいわ
うるせぇよ。お前もだろ。
...ふっはははは
なんか、匂いが強い香水が生まれた理由がわかった気がする
はははははは
香水。
いつもつけてる
香水だけど
人の匂いによって
少しずつ違う。
私の鼻の奥に
留まった
香水の香り。
ずっと同じ香り。
「おらそこ! もっと気合い入れてやれや!!」
普段は穏やかな中学校の廊下に似つかわしくない怒号が響く。
水泳部の1、2年生が1列に並んで腹筋を鍛えている様子を、3年の先輩が監視する構図だ。
怒鳴った先輩に指された方向にいた1年生たちはみなビクリとしてスピードを上げた。私はそのことに申し訳なさを感じてしまう。なぜならあの先輩が怒っているのは、100%私だからだ。
今週に入ってから、颯人先輩の私に対する態度がいっそう厳しさを増した。原因が先生を巡る私と彼の因縁であることは明らかだが、突然ヒートアップした理由ははっきりしていない。
限界ギリギリの筋トレを続けていた私は、ついに「もう無理」というラインに達して寝そべった。先輩たちが終了の合図を出す前だ。自分でも情けないと思うが、まだ未熟な体なので致し方ない部分もあるだろう。
しかし、颯人先輩はそうは思わなかったらしい。ずんずんと私のほうに向かってきて、私の腹を踏んづけた。
「ゔっ!?」
予想外のムーブに思わず大声で呻く。周りもびっくりして我々に注目した。3年の先輩たちが慌てて颯人先輩を私から引き離す。
「おい、やりすぎだぞ颯人!」
「……」
先輩は私を一瞥すると、何も言わないままその場を後にした。
「おい、どこ行くんだよ颯人!」
先輩のひとりが追いかけていった。
「岡野くん、大丈夫?」
残った先輩と同級生たちが心配して声をかけてくれる。
「保健室行く?」
「あ、いえ、大丈夫です。そんな強くなかったし」
「そう? でも筋トレはさすがにキツイっしょ? あっちで休んどきな」
「ありがとうございます」
私は立ち上がって教室の中に移動した。適当な椅子に腰掛けて体を休める。
みんなは筋トレを再開したが、その日颯人先輩は結局戻って来なかった。
「颯人さんて、なんかさぁ」
「ねー。尊敬してたのになぁ」
帰り道、そんな噂話が耳に入った。彼を狂わせているのは私だと、まさか言うわけにもいくまい。
心苦しさを抱えたまま校門までの道のりを歩いていると、途中で出ていった颯人先輩を追いかけていった人が走ってきて、私を引き止めた。
「岡野、悪いけどちょっと来てくれないか?」
「なんですか?」
「実は……」
先輩は声を潜めた。
「颯人から事情は聞いた。でも今回のは完全にあいつが悪い。だから謝らせるよ」
そうか、先輩、話したのか。
「……先輩、できれば颯人先輩と2人で話したいのですが」
「え、大丈夫? また喧嘩にならないか?」
「大丈夫です。颯人先輩が悪い人じゃないの、先輩のほうがよく知ってるでしょう」
「それはまぁ。じゃあ、俺は帰るけど……気をつけて行けよ」
お礼を言って、先輩と別れる。颯人先輩は校舎裏にいるらしい。あの海辺だ。
私は初めて先輩に話しかけられたあの日を思い出しながら校舎裏へ向かった。
「颯人先輩」
海に向かって腰掛けている颯人先輩は、しかし海の景色など目に入らないのだろう、俯いていた。私が声をかけても、その姿勢を崩さない。
「あの、」
「さっきは悪かった」
私の言葉を遮るように謝罪の言葉を吐き出す先輩。絞り出すようなその声は、暴力に対して反省はしているものの、やはりどこか苦しげだ。
「怪我は」
「ないです。怒ってもいません。本気で蹴ったわけじゃないの、よくわかってますから」
「フン……お前は相変わらずだな」
先輩は私に背を向けたまま、持っていた石を投げた。トプン、と独特な音がして、波に吸い込まれていく。
「お前のそういうとこが、先生は好きなのかな」
私は言葉に詰まった。
「先生はお前のような、純粋で正直な優しい人間が好きなんだよな。顔も良いし」
「……私は、そんなできた人間では」
「謙遜はいい。俺とは全然違う。歳下に嫉妬して、暴力を振るうような情けない人間とは、雲泥の差がある」
「……そうでしょうか」
私は筋トレを休んでいる間に考えたことを伝えようと口を開いた。
「もしも逆の立場だったら、私も颯人先輩と同じことしたかも」
先輩が振り返る。何を言ってるんだ、という顔だ。私は構わず続ける。
「見てたんですよね、私と先生がカフェにいたところ」
「……気づいてたのか」
「いえ、まったく。ただ店を出たとき、遠くのほうに走っていく中学生らしき人が見えたので、あなたじゃなければいいなと思っていただけです」
先輩は再び背を向けた。
「気休めにもならないとは思いますが、あの日は私たち、偶然会ったんです。休日に会う約束をしていたわけじゃありません」
「……そうかよ」
また石が飛ぶ。
「でも思ったんです。私が外にいて、先生とあなたが2人で楽しそうにしていたら、どれほど胸を抉られるか。ムカつくし、悔しいし、悲しい……めちゃくちゃに壊してやりたくなる」
「……お前でもか」
「ええ。……きっと先生もです」
潮の香りがする。一際強く打ち寄せた波が、また引いていく。
「それはそうと、私香水を買ったんです」
「はあ?」
先輩はきっと私が突拍子もなく話をそらしたと感じただろう。だが私は構わずバッグを漁って香水を取り出した。
「これ何の匂いかわかりますか?」
「んなもん知るわけ」
シュッ
私は先輩に向かって一吹きした。
「うぁっ、お前なにすんっ、」
霧状になった雫が先輩に降りかかった。
「……ヘリオトロープ?」
「正解です」
「なんで」
何を隠そうヘリオトロープは、いつも颯人先輩から香ってくる匂いなのだ。生乾き臭を誤魔化すために使っているらしいと、他の先輩から聞いた。
「まさか俺のファンになったなんて気色悪いこと言わねぇよな」
「違いますよ。いえ、先輩のことは尊敬していますが。これは先生のために買ったものです」
「先生の?」
「はい。中学に上がる直前、先生が言ったんです。好きな匂いはヘリオトロープ、知り合いがつけていて好きになったと」
「それって」
「私もあなたに会って初めて気づきました。先生が好きになったのは、この人の匂いなんだって」
先輩の頬が薄く染まった気がした。
「これは事実を知る前に買ったものですが……知ってしまった以上、私には使えませんね」
私が放った香水瓶を、先輩は片手でキャッチした。さすがの運動神経だ。
「では、帰ります。お疲れ様でした」
「お、おい!」
私は先輩の声を無視して進んだ。普通なら不敬な態度だ。でも今は許してほしい。この歪んだ顔を見られたくない。
負けませんよ、先輩。
いつか先生に、私のほうがいい匂いだと言わせてみせますから。
右手の指先に残ったヘリオトロープが、私の挑戦を笑ったような気がした。
テーマ「香水」
【香水】
僕は1番好きな香りがある
君の香水の香りが大好きだ
そんな気持ちは君には届くことはなく今日も1日は始まる
淡々のこなしていく仕事……
頭の中では笑顔で君と話す事ばかり
でも現実はそう甘くはない
僕は仲良くなりたいより近くで君の香水の香りで今日も頑張れる勇気をくれるだけで充分だった
ある日
突然君の香水の香りが変わっていた
ついに……彼氏でも出来たのかぁ
この心の中のざわつき……
泣きたくなるこの気持ちはなんだろう
忘れたいのに……忘れたい……のに……
今僕の顔はどんな顔を簸てるのだろう
きっと醜いと思う……
残業で1人デスクに向かっている
背中を叩かれて振り向くと……
【香水変えてみたんです……あなたが好きって言ってた香り】
そういえば『香水を読む』っていう記事広告があったなぁ。
確か、いつも付けている香水とか、オシャレな香水の説明文やキャッチコピーを読む、っていう記事。かなり詩的な内容ばっかりだから、どんどん話が膨らんでいく、みたいな。
それにしても、香りに説明を付けるっていうのは途方も無いことだと思うんだなぁ。
香水
私は香水が苦手。
自然の香りが一番好き。
自分を着飾るのではなくて、ありのまま。
無理する必要なくて。
私は、私のまま。
お題「香水」(雑記・途中投稿)
嗅いだこともないのにシャネルのNo.5だけは知っている……。
苦手だから香水とか買った事ないけど。
アニメやゲームの推し香水とか「は!?」ってなる……。アイドルものはまだ分かるけど、そういうのじゃないキャラでも出てくるの本当謎。
キャラソンも歌が好きとか口ずさむとか鼻歌歌うとかそんな設定もないくせにってなる。……まあ名探偵コナンの江戸川コナンも工藤新一も出てないのは納得だけど。(公式音痴設定。コナンの中の人は歌手「だった」のに)
あれでキャラソンなんか出たら公式もとうとう本格的に狂ったかって思う。……作中で歌った事あるけどね。ガンダムWの主題歌にして中の人のデビュー曲だっけ出世作だっけ。
そんな意味でも作中でキャラソンを歌った仙界伝封神演義がめちゃくちゃ好きだったんだけど、作中でも評判悪いらしい……。キャラソンじゃなくても主題歌とか作中キャラが歌う場面が大好きです。コレクターユイも、ユイに能力があるって判明するのが学校の音楽の授業でOPを歌った場面だったし。
閑話休題。
追記したのにOKボタン押さずに放置したっぽい?
香り展だっけ臭い展だっけ行ったなぁ。
色々トリッキーな匂いも多かったんだけど、一番記憶に残っているのがリセット用のコーヒー豆という。あと口臭を調べる機械?があったけど全然口臭しなくて不思議だった。
磐田市に香りの博物館ってあるんだけど、匂い展の方がどう考えても良かった。
開催中の特別展ではとある絵本の中に出てきた匂いを再現していたはずなんだけど、石鹸とか含めて全部人工的な変な匂いでがっかりした思い出。Mastodonの過去トゥートを探したら焼き芋に焦げた匂いがしたって書いてあったし。
(匂い展は記録見当たらず。パソコンの中かな?)
ミュージアムショップにはちゃんとリセット用の匂いが置いてあったんだけど、博物館の常設にも特別展にもちゃんと欲しかった。人工的な匂いを嗅ぎ続けていると気分悪くなってくる。
昔ダイソーに百円でコンビニコミックみたいな紙質の漫画が売ってて、『調香師美香』ってのがすごく好きだった。
シャネルのNo.5もそこで知ったんだけど、基本的に匂いのある洗剤とかが嫌い。ダウニーとか死ぬ。柔軟剤のレノアが脱臭力業界No.1を自称していたけど、脱臭後に変な匂い足すな!って思った。結局洗濯用洗剤と柔軟剤はめちゃくちゃマイナーなメーカーを使っている。
有名どころだとファーファが割とマシ。
ロマンチックな話が好きな人に聞いてみたことがある。
ファーストノートは、気を惹くため。
ミドルノートは、二人きりを意識させるため。
ラストノートは、交わった後の残り香を思い出させるため。
香水って人間の体液と混ざるから、全部、十人十色な香りになるって話。
ファーストノートは多少香水の強みは出るだろうけど、時間と共に人体や温度や湿度の環境で変わる。
で、なんだって話だけどね。受け売りよ。
友達。
友達はたくさんいた方が良いと思いますか?
私はそこまで要らないと思います。
友達をなぜ作るのか、考えたことはありますか?
友達とはなんですか?
私の思う友達、、、
友達は自分のくだらない話をしたり相手の話を聞いたり遊びに行ったり、楽しいを共有する相手です。だが時々愚痴を言ったり喧嘩をしたり仲良しごっこだけではない存在です。
でも、そのような関係をいろんな人と築きあっていたらどうなると思いますか?
本当の自分、本当の意見や気持ちが分からなくなる。そして疲れて友達と話さなくなる。そうやって友達は増えそして減っていく。
私はそんな関係たくさんはいらないと思います。
私と友達。
私と友達の関係はお互いのテンションでいること。
話したい時に話そしてお互いその話を聞く。
ふざけたいタイミングも自由そして、語り合える関係。今思っていることを言えるそんな関係でいられる友達が私はいいと思う。
だからそんなたくさん友達はいらない。たくさん友達を作るから裏切られた、信じてたのになどの酷い言葉が出るのだ。はじめからたくさんの人を信じるな。
信じられる人と一緒にいればいい。
無駄に人を信じない方が楽だと思う。
大学の講義の間、所謂空きコマ。君と話しながらそれぞれ課題を進めていると鼻腔を擽る知らない香り。
「香水変えた?」
「うん、変えた。……前のとどっちが好き?」
「どちらも好きだけど……」
一度言葉を切って君をちらりと窺い見る。四人掛けのテーブル席の斜め前に座る君。尋ねた声音こそ神妙だったものの特に変わった様子は見られない。
「今の君には、今日の香りが似合うと思うよ」
君は目を瞠って息を詰めた。察したけれど、察したが故に課題に視線を落とす。
「ずるいなあ」
狡いのは君だろう。何も気付かないと思っているのか。君の少し腫れた目元は隠しきれていない。普段この曜日のこの時間は専らひとりで過ごしていて、君と一緒なのは初めてだ。
君が恋人と過ごしていたことを知っている。
君がずっと纏わせていた香りも好きだった。けれど、前に進む君に贈るには相応しくない言葉だろう。
新しい香りを纏ってまた君らしく輝いて。
ナオトインティライミじゃなくてなんだっけ
エイト?そんな雰囲気の名前の人が歌ってたよね
『言葉なんていらない、ただ』
「偉い」「すごい」「天才」「優等生」「さすが」
テストの点数を取ったり、スポーツでみんなの役に立てば皆こんな言葉を並べる。だから、認めてほしくて、褒めてほしくて今日も頑張る。運動なんて大嫌いだし、勉強よりもゲームがしたい。でも、頑張らないと。もっともっと、今よりずっと良くなるように。じゃないと、「僕」を見てくれない。僕を見て。僕を褒めて。僕を認めて。
…本当は、褒め言葉や称賛なんて薄っぺらい言葉はいらない。そんな言葉よりも、抱きしめて欲しかった。撫でてほしかった。甘やかしてほしかった。
―ただ、愛して欲しかった
『香水』
今日は…これ。
大人な雰囲気のほろ苦くいコーヒーの香り。
ちょっぴり甘くて癖になるこの香りが最近のお気に入り。
「今日は、この前言ってたカフェに行ってみようか。」
また別の日は、弾けるようなフルーツの香り。
甘酸っぱくて、元気になれるの。
「さて!じゃあどこ行く?」
…ふふふ。まるで香水のように私の人生をより素敵にしてくれる。"恋愛"って素晴らしいのね。
中の人は男ですが
たまに香水をかけます
だって恋人がくれた物ですもの
大切に使わなくては、ね