『雪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雪
好きか嫌いかと言われたら
スキーは好きだけど、それまでの雪道は好きではない
主人の実家は雪国だか、私の実家は雪はない
結婚を決めた時、長男の嫁の覚悟と言うか、雪のあるところにいずれは帰ると言ううっすらした思いがあった
しかし当の長男の方が、実家には帰る気はないと言い張っている
仕事がないとか、そんなことより、雪があるかないか、そちらの方が選択肢として強い様に思うのは私だけだろうか?
帰省で帰る雪景色は、いつも綺麗で
ワクワクさせる、ここに住むと言う覚悟がない限り雪は綺麗で好きだ。
雪…
雪に対するイメージは大まかに二通りある様な気がする。
これは住んでいる地域からによる。
ひとつは、雪に憧れ。雪があまり降らない地域。
ふたつは、もう、降るな、もう雪は見たくない…雪国地域。
私は後者。去年も雪掻きで大変だった。
元々、雪国とはいえ、雪の積もる地域、そうでもない地域、雪慣れしていない地域と分けたら慣れていない地域。
だから、大変なのだ。
スノータイヤでも、四駆だろうと、雪にはまる。
除雪車や、ダンプのような大型車の後なんか、つきたくない。タイヤがとられるからだ。
雪道運転の怖さは雪国にしか解らない。
スキーやスノボをしに来る方ならそれでも運転は出来るかもしれないが、雪道運転を甘くみては困る。スノータイヤだからオッケーて、わけにはいかな
いのだ。
朝から雪掻き、田舎だから車社会。車が出せないと意味がない。生活がかかっている。
仕事が終わって、家に向かうにも、まず、車の雪を下ろす。
休日も道を作らないといけない。
かなり、大変なのだ。
雪がそんなに積もらない私の地域でさえこれだから、本当の雪国なんて、もっと大変だ。
後は本当に雪が珍しい地域に積もったら大変。
そんな雪でも、冬に雪が降らないと、やはり、冬ではないなと感じるのは、このところ、雪の降る量が増えている、気がして雪を見ているからか?
厄介者の雪でも、雪国ならでは?のあたたかさもある。
道を譲りあい、道をつくり、今日も積もったねと見知らぬ方々と話したり…。
そんな時は、冷たい雪があたたかく感じる。優しく感じる一時だ。
お題
雪
小さい頃は雪が降ると真っ先に外に出てはしゃいでいたのに、今では雪は厄介者扱い。
この前、かまくらの写真見てふと思った。
たまには童心に帰るのも悪くないかな。
はらはらと降りゆく雪が頬濡らす
肩寄せ合ってくれるひとなし
「知ってる? 雪女って泣き続けると雪になって消えてしまうんだよ」ある日のこと、アイツはそんなことを言っていた。おれが「じゃあお前は消えないよな。だって雪おとこだし」て返すと、くしゃくしゃした顔で笑い始めた。それから間もなくして全国各地で記録的な大寒波が続いた。アイツはいない。
ホコリが舞ってるみたいだね
都会の雪なんてこんなもんだよねえ
雪のかけらが宙を漂う
落ちてくる
落ちてゆく
ひらひらと
ふわふわと
積もらずに
積もれずに
地に落ちて
ただ消える
#20 雪が降る夜。君の手を繋ぐだけで、暖かくなって雪がとても美しく見えた。
___雪
連日放送される積雪ニュース
「本日は,45年振りの大雪警報が出ているので
お気を付けてお過ごしください」
なんてニュースを見て思う。
台風の時とか雨の時に言う
“〇〇年振り”
毎回聞いてるよって。
それを言って意味があるのか今の私には分からない。
分からないと言ってるけど
まず調べてない。
「雪が降ったら何したい?」
そう聞かれたら私は決まって
「雪だるま作る」
そう答えるだろう。
これは人それぞれだから違って当たり前なんだけど
私は小さい頃から
雪=雪だるま
この等式を作ってきたからこの答えは変わらない。
私の生まれた場所,
生きて感じているものが違っていれば
この等式は違うものになっていたと思っている。
私にはあこがれがある。
それは
いつか彼と一緒に雪で遊んだり,
イルミネーションを見に行くこと。
あれ?
私に“彼”なんて居たっけ?
彼は,きっと雪に隠れて死角になってるだけだよね。
あぁそっか,かくれんぼしてるのか。
透明度が高い彼だから
見つけるのに時間がかかるかもしれないけど
何年経っても探し続けるよ。
だから痺れを切らさずに待っててね?
─────『雪』
『雪』
画面の中は美しい冬景色
真っ白な雪が私をくぎ付けにした
この白さは私には無いもの
私がこの美しい雪をさわったら
心の醜さが強すぎて
みるみるうちに黒くなってしまうのではないかと
恐怖を覚えた
雪って綺麗だけど
命を奪える力があるんだな。
美しいものには棘がある
自然って怖いね
小学生の頃から、「詩」だったり「俳句」を書く授業や機会は多い現代ですが、私はその頃から、雪について書くことが多かった気がします。もちろん、季節ごとに俳句を書く授業でしたから、俳句の時は冬しか書かなかったけれど、冬は全部雪でした。
それくらい、小さな時から、雪というのは冬だけの特別な素敵なものだったんだと思います。
冬は夏よりも太陽が低くて、眩しくて、多くの面に光が当たると、理科では習いました。
だから、その光と、真っ白な雪があわさった日はあんなにキラキラしていたのかなと思いました。頭は良くないので、いつもそんな小さなことばかり考えています。本当かは置いておいて。
小さな頃は、大人からすれば、長靴で十分な雪も、背丈が小さい私たちにとっては深くて、すっごく歩きづらいけど、でも新鮮で夢中になって遊んでいました。
学生の今も、雪が降ったらどきどきするし、雪が降らないかなってわくわくしているけど、
それより不安の方が大きくなってしまいました。登下校中、私の通学路は坂がとにかく多いので、とにかく滑って転ぶのが怖いんです。
友達がいればいいのですが、1人で転ぶととにかく恥ずかしくて。そんなくだらない理由ですが、私は雪が大好きだけど、学校の日は頼むから降らないで!と願っている原因です。
雪と言われて思いだすのは、今は亡き祖母と一緒に、こたつでぬくぬくしながらみかんを食べていた思い出です。
今も、あんなに絵みたいな幸せな風景はなかったと思います。
障子を開けて、お庭に積もったキラキラしてる雪を見ながら、さっきまで外で遊んできて真っ赤なお鼻と手を暖かい部屋で温めるんです。
こたつはあったかくて、幸せでした。霜焼けになった手を布団の中に突っ込むと、じぃんとするんです。
幼稚園の頃がいちばん雪が好きでした。遊べていました。
幼稚園の頃の冬休みなんて覚えていませんが、ああやって時間を気にせず無我夢中で雪を投げあっていたあの時期は間違いなく冬休みだったのでしょう。
宿題も、雪かきも気にせず、転ぶことも登下校も気にせずあんなに無邪気に遊べていたのは幼稚園の時だけでした。
もう一度だけ、あれを体験してみたいと強く思います。
大雪警報で学校はおやすみ。両働きの両親もなんやかんやあっておやすみになって、
私と姉は外で雪かきと称して遊ぶんです。
それで、家に戻ればあったかいこたつでぬくぬくして、
大雪警報を騒ぐニュースをみんなで見たい。
いつからか、インドア派になってしまった我が家は、もうそんなこと願っても一生来ないでしょう。
姉を誘っても絶対外に出てくれないし、そもそも防寒具が無いんですよね。
スキーも行かない家だから、お洒落なジャケットを背伸びして買ったくらいだし、長靴も入るか分からないし。
そもそも私の住んでるところは滅多に雪が降らないから…嬉しいけど、寂しい。
季節って素晴らしいですよね、思い出に必ず結びついてる。
日本に生まれてよかったって思うひとつです。
最近はもう、春夏秋冬じゃなくて夏夏夏冬になってきたから……
また元に戻って欲しいなと願うばかりです。
最近心が真っ白で冷たくなっちゃった。
暖めて、雪みたいに溶かして。
「雪」
私はジョギングで、死にそうになったことがある。
以前、ランニングを趣味にしていたことがある。週に2度は5km走り、週末には10km ほど走る。調子がよければ20km だって、ヘトヘトになりながらも走り切れた。今では考えられないくらい、元気だったのだ。
何事にもまずは形から入る人なので、ウエアの上下は常にNIKE、シューズもNIKEだ。でも気弱な性格の私に、派手なカラーは選べない。上下はいつもモノトーン。蛍光カラーのシューズなんて、なんか速い人が履くイメージがあって、買い換えてもまた黒を選んでしまう。
インナーを着る派なので、吸汗速乾素材のものをいろいろ試してみたし、ソックスもランニング用の、土踏まずにサポートがあるタイプを選んでいた。ただ走るだけなのに、偉くお金のかかる人だった。
その頃はまだ、「いつかはフルマラソン」と思っていたし、頑張って5時間は切りたいと、一人前に目標らしきものもあった。
走れもしないくせに、ランニング系の雑誌を読んで、心肺機能の強化にはインターバル走が必要やなとか、本気で思っていたし、ジェームスに本で教えてもらった通り、ラン前には動的ストレッチ、ラン後は静的ストレッチをやったりもした。
ランニングのラの字も知らないド素人だったが、今でもランニングのラの字しか知らないド素人なので、その辺はあまり進歩していない。
その日は、やたら寒い日だった。
この冬一番の寒気が関西の平野部にも流れ込み、雪の可能性もあった。
いつもだったらコタツで丸くなっていたのだが、その日は走りに行こうと決めていた。なぜなら、セールで新しいアウターを買ってしまったからだ!
ミーハーな私が今回選んだのは、ノースフェイスだ。このアウターはポーラテックという素材でできており、非常に温かい。でも背中にベンチレーション機能がついているので、熱がこもらないという、興味のない人にとっては、なんやそれというアイテムだ。
私は、買ったばかりのノースフェイスを着て、内心ウキウキしながら外に出る。
私の選択に間違いはなかった。気温2℃なのに、思っていたほど寒くない。これならいける!
ただこの時、私は大きなミスを犯していたことに気づいていなかった。
走り始めてすぐに、私はいつもしているネックウォーマーをしていないことに気づいた。私は喘息持ちなので、首を冷やさないようにしないと、すぐ発作が起こるのだ。
でも今日はなんと言ってもノースフェイスだ。温かいし、ジッパーを上まで上げれば大丈夫だろう。そう、私はこの後襲ってくる悲劇のことも考えられないほど、新しいアウターに浮かれていたのだ。
走り始めて2km まではアップ、2〜3km間はスピードアップ、その後はジョグで流しというのが、いつものメニューだった。
2km 地点にきた私は、勢いよく地面を蹴った。ここから3km 地点まで、ほぼダッシュだ。
いくぞ!
私は大きく息を吸い込んだが、これがまずかった。気温2℃の冷気が、一気に気管支を冷やし肺に流れ込んでくる。気管支収縮が起こり、呼吸が苦しくなる。
でもペースを上げたら息苦しくなるのは、ある意味当然で、私は気管支収縮が起こっていることに気づいていなかった。
2〜30mぐらい進んだだろうか。今までに経験したことがないくらいの頭痛とともに、目の前がぐわんぐわんと揺れ、私は走っていられなくなった。
ふらふらになって道端にしゃがみこむと、喘鳴音が聞こえ、呼吸が乱れ、空気を吸えても吐けない状態になってしまった。
やばい、発作だ!
私は、ウエストポーチから震える手で吸入器をつかみ、思いっきり吸った。ステロイドがが喉を通っていくのがわかる。吸入の効果はバツグンだ。即効で気管支が拡張し、発作が治まってくる。
その日はもう走るのをやめて、歩いて帰宅した。怖かった。死ぬかと思った。
ただでさえ喘息持ちにとって、冬はツラい気節だ。過度なトレーニングも考えものである。これからは吸入してから、走るようにしよう。正式な大会にエントリーしているわけではないのでいいだろうと思っていた。
しかしそれから数年後、私は仕事でメンタルが崩壊し、今は休職をしている。その間、一度も走っていない。
でも冬場、私のカバンの中には、いつもステロイドが入ってる。発作は何もランニング中だけに起こるわけではないからだ。希死念慮があるのに、いざ発作が起きると死にたくないとおもう自分に笑ってしまう。本当は死にたくないのだろう。
ジョギングにような有酸素運動は、うつ病の治療にもいいことが、わかっている。
ただ、もうタイムを追うのはやめだ。ゆっくりしたペースで、ダラダラと走る。無理をせず、しんどければ歩き、吸入器も必要ない。
そんなジョギングなら、してみたいと思う。
いつの日か、また走り出そう。
#雪
雪が降り積もり
全てが真っ白になればいい…
街の喧騒も
人々の戯言も
捨てたい過去も
あの人も…
みんな消えて
静かな時が流れればいい…
安らかに…
清らかに…
全てが浄化された真っ白な世界で
赤い糸を手繰り寄せ
またキミに出逢いたい…
🌈黒猫のつぶやき🌈
全てを帳消しにできる
リセットボタンがあるといい…
あと
やる気スイッチな〜(*゚∀゚)アハ
【雪】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 PM 2:30
「飲み物尽きそうだな。ドリンクバー行ってくる」
「……天明(てんめい)、オレも行く。
暁、何がいい?」
「アップルティーでお願いします!」
「了解」
「……? 宵のは聞かなくていいのか?」
「聞かなくても分かるから」
「おー、さすが双子」
「じゃあ、真夜(よる)くんと天明くんが
戻ってくるまでちょっと休憩~。
楽しいねぇ、冬ソング縛り」
「まだ続ける気?」
「だって名曲揃いで歌うのも聞くのも
テンション上がるんだもん。
やっぱり冬って寒いから、温もりを求めて
素敵な恋の歌が出来やすかったりするのかな」
「どうかしらね」
「それにしても!
天明くん、歌うま過ぎない?
『粉雪』も『Lovers Again』も原キーで
余裕で歌いこなしてたよ!
音域どうなってるの!」
「……なんで怒ってるのよ」
「だってイケメンで背が高くて運動神経良くて
性格良くて歌までうまいなんて……正直、
とんでもない欠点のひとつやふたつあって
欲しくなっちゃう」
「理不尽な……」
「大変……宵ちゃんがもうメロメロに骨抜きに
されて天明くんの味方しかしてくれない……」
「…っ、メロメロにも、骨抜きにもされて
ないし、味方をしたつもりもないわ」
「冗談だよ~。天明くんの歌には感動したけど、
わたしにとっての最高得点は宵ちゃんの
『雪の華』と真夜くんの『ヒロイン』だしね」
「……暁の『White Love』も良かったわよ」
「やったぁ。……でも確かにそろそろ冬ソング
ストックが切れそうかも。
もうボカロを入れるしか……」
「アタシと真夜はアンタに聞かされてきたから
ある程度わかるけど、槇(まき)くんは
全然知らないかもしれないわね」
「いっそ天明くんをボカロ沼にはめたいんだよ。
歌って欲しい曲が多過ぎて」
「……メロメロなの、暁の方じゃない……」
雪
今年の冬は例年より雪が多い。
|知佳《ちか》に同い年の彼氏|幸成《ゆきなり》が出来てから初めて迎える一年目の冬、彼は天気予報で雪のマークを見つけては喜びにふけっていた。
「今度の休みは友達とスノボー行ってくるから宜しく!」
「う、うん、分かった」
週末になると二人の休みが合うというのに、この時期、「雪」が降るこのシーズンだけは彼は私をほっぽり出してスノボ一直線となってしまう。
とはいえ、付き合いたての頃、彼は自分の自己紹介をしてくれてきちんと趣味がスノボーだと言うこと、だから「雪」が降るシーズンはあまり一緒に居られないことを伝えてくれていたから全然嫌になんかならならなくて……。
知佳は一度もスノボーをやったことが無かったので、「雪」が降るシーズンは毎週末笑顔で見送り、帰ってくるのを笑顔で待った。
ところが付き合って二年目の冬のこと……。
「ねぇ、一緒にスノボーやらない?」
突然幸成に誘われたのだ。
「う、うん……で、でも難しそうだから私なんかに出来るかどうか……」
「大丈夫だよ、|知佳《ちか》はバレエ習ってたんだからバランス感覚良いじゃん、スノボーはバランスのスポーツだから、女性でも上達してる人多いよ」
「う、うん……じゃぁ、やってみようかな」
そう答えると、彼は凄く喜んだ表情を見せた。
「それじゃぁ、僕が教えてあげるよ」
「で、でもそれは……」
せっかく幸成が教えてくれると言ってくれたのを拒んだけど、それにはそれなりの理由があった。
それは、知佳の友達が同じパターンでスノボー経験者の彼に教えて貰ったところ、人に教えるのが不向きな彼だったのか、スパルタ指導をされたとかで散々そのことを愚痴っていたからである。
「置いてけぼりにする……」
「口で言われても分かるわけ無いよね……」
と、イライラした口調で話していたので、その時は可哀想に……なんて思ったりして同情していたけど、これって今になって良く考えると彼に対する甘えと八つ当たりだったのだと思えてきて……。
だから、もし知佳自身がスノボーをやるとしたら、彼と一緒にスノボーを楽しく滑る為に、きちんとライセンスを持っているインストラクターに教わり、指導して貰った方が早く上達するんだろうな……なんてことを思い描いていたのである。
ただ、本当にやることになるとは思っていなかったし、勇気が無くてスノボーやってみたいことを幸成に言えずにいたけど、今こうして誘って貰えたのはチャンスだと思ったのだ。
優しい幸成は知佳のことを指導したかった様子だったけど、知佳の提案を了解してくれて、当日は一緒にゲレンデに行くと別行動をすることに……。
こうして知佳は一日スクールに参加して滑り、幸成は習う必要がないとのことで一人で滑ったけど、最後は二人で一緒に合流して滑った。
こうして回数を重ねる毎に知佳はどんどん上達していき、何時しかきちんとターンが出来るようになり、コツを掴んだお陰で斜面が急になっても滑れるようになっていた……。
「知佳、ちゃんとお金払ってインストラクターに教わって良かったな」
「うん……えへへ」
こうして三年目の冬……。
友達は、彼氏に教わったスノボーが楽しくなくて喧嘩になり別れてしまったけど、知佳は今の彼、幸成と一緒に今年も「雪」のシーズンをスノボーをして満喫しています。
……えへへ。
――三日月――
例えば某日
世界は透明になった
電車が通る合図と共に
地球はふわふわと雪のよに落ちてゆくだけ
君の涙より穏やかに
それはとても長くて
早く終わっていかないかなと思う
最後に遊園地ではしゃぐだけ
君と手を繋ぎ走り出す
真っ赤な観覧車の上を飛んで
夢と夢の間もゆききする
誰かの御籤をビリビリに破る
六月のことを思い出して
鳴きたい鳥は
泣きじゃくって終わってゆく
毎年待っている。
白く染るのを。
人も、物事も、何も変わらないのに。
音が消える気がするから。
綺麗になる気がするから。
この、真っ黒な心を、隠してくれる気がするから。
雪
雪は白いと誰が決めたんだろう?
銀でも青でもなんなら赤でも良いはずなのに。
そう呟いた俺の横で半笑いを浮かべてパック牛乳を飲む悪友。
何が可笑しい、と、自分でも少し尖った声音で咎めると余計にニヤニヤしながらヂューッと牛乳を吸い上げた。
「だってこの牛乳も元をただせば牛のお母さんの血だろう?それだって赤じゃなく白くなってんのに雪が白だとかそれ以外だとか何もお前が悩まなくて良いんじゃないか」
チョンチョンと指先でストローを弾いてまた一口。
「雪が青だったら?それとも赤だったら?この牛乳が赤いままだったら?」
言われた景色を想像して思わず口元を抑えた。
赤や青の雪原は見たくないし牛乳が赤かったら飲もうとも思わない。
「慣れてないから気持ち悪いだろ?雪が白いってのはそう言うことさ」
どう言う事か聞かなくてもこいつの言いたいことは感覚で解る。
誰も決めてないけど雪は白、それで良い。
私は出来ることなら今すぐにでもあなたに会いに行きたいし、出来ることならずっと君と一緒にいたい。でも、叶わないって分かってるから苦しい、分かっていてもあなたが変な素振りをしてくるからまだ可能性があるんじゃないかって思ってしまっている私がいる。諦めた方が身のためだって分かっているのになぜかあなたに夢中になっている。ほんとにおかしいよね。
でもねこれを恋と認識してしまうとほんとに諦められなくなってしまって苦しむ未来が分かってるからまだ私は気になっているで押さえるようにしている。苦しいけどこうでもしないと私が本当におかしいなってしまうから。
私はあなたが変な素振りをする度にまだ可能性があるのかと嬉しくなっちゃうけどこの恋とは言わない気になってるってことを伝えたりバレたりしたら今までの関係ではいられなくなってしまうかもしれないと考えるとそれが嫌で怖くて伝えられないし、頑張って声とかにでないように努力してる、伝えたて関係が壊れるぐらいなら抑えている方がいいのかなって思ってしまっている。
私あなたと出会って話してくうちに他の人とは違った何かを感じたのよ、すごく相手のことが知りたくて話してて楽しくてバカ話も真面目な話もして知れば知るほど気になってこの時間が永遠に続いてほしいと思ったことだって何度あったことかでも、永遠というものはなく切れてしまう。切ってからもさっきまで話してたのにまた話したいと思ってしまう。
私が今あなたのところに行ったらなにもできないだろうなって思う。こんな中途半端な気持ちで会ったとして私が辛くなるだけなんだろうなって思った。
だからね未来がどうなってるか分からないけど気持ちの整理がついているのかも分からないけど、しっかり成長してあなたと肩を並べられるくらい大きな存在となって会いにいくね。だからそれまでしっかり生きててね。
恋心以外にあなたに会いに行く道を作ってくれてありがとう。頑張るから見守っててね!
「君と一緒に」
‘’ゆーきーやこんこ、あーられーやこんこ、ふってーはふってーは……‘’
外から子供の歌声が聞こえてきた。
「今朝は雪が降るほど寒いのに、元気でええなぁ。」
隣で横になっている彼女に声をかけた。
『そうやねぇ。本当に元気がよろしくて羨ましい限りやわぁ。うちもまた、外に出たいなぁ。』
子供の頃からずっと一緒にいた幼馴染であり、俺の彼女。そいつは、まだ20代だというのに病におかされている。ここ最近は起き上がれないくらいに体調が優れないらしい。
「そんな弱音なんか吐いて…お前も治療を続けとったら病気なんてどっかに飛んでってしまうがな。また俺に、元気な姿見せてぇや。」
俺には病気を治してあげることは出来ない。
彼女の為にしてあげられることと言ったら、元気づけてあげることくらいだ。気休め程度にしかならないだろうが。
本当なら俺が彼女を病気から救ってあげたい。外に連れ出して、2人でまだしたことない、旅行もしたい。
でも、それは多分叶わない。
医者が言うには、彼女の病気が治る確率は10%にも満たないらしいから。
そしてつい先日、余命宣告もされてしまった。
長くてあと…1年、と。
「ふふ、ありがとうな。うちがこんな姿になるまでそばにおってくれて。あんたくらいやわ。うちのことこんなにも元気づけてくれる人。」
日に日に弱っていく彼女の姿を毎日見るのは、正直辛い。俺が変わってやれたらって何度も思ったことある。それに、どうしてあんなにも優しい彼女が病気になって、余命宣告なんてされなきゃいけないんだって、神様を恨むことだってある。
でも、俺は彼女と一緒にいたい。それが辛く、苦しく、悲しい別れを知ることだとしても。
『それは大袈裟やて。それに、お前はどんな姿でも可愛ええよ。だから一緒におるんや。好きでなかったら毎日ここに来ぉへんよ。』
「そんなことないやろ。内心、こんな病気のやつと付き合うんやなかったーとか思っとるんやろ?もうすぐ死ぬ私なんかとおっても時間の無駄やよ。」
雪は、なんでいつもそんなに、自分を否定するのだろう。
『いつ俺がそんなこと言ったんや?1ミリもそんなこと思ったことないわ。雪、お前は俺にとって生きる理由そのものや。だからそんなこと言わんで、一緒におってくれ。』
出来ることなら、死ぬ直前まで、雪の生きた姿を見ていたい。
「あんた、ほんまにバカやな。まだ若いんやから色んな子と遊んでくればええのに。」
…若いから色んな子と遊ぶ?誰と?俺には雪しかいないのに…
『んなことできるかい。お前みたいな彼女がいるってのに。俺がどれだけ雪のこと大好きなのか、知っとるやろ?』
今まで、数え切れないほどの愛を伝えてきた。はず。
「雷(らい)はうちがいないと生きていけんもんなぁ。でも、こんな死が目に見えてるやつなんかとおったら、あんたまで不幸になってまうかもよ?」
愛がちゃんと伝わってたのは良かった…でも、不幸になるって…何の話だ?
『雪の隣に居られるなら俺、不幸になってええ。なんなら死んでもええんや。駆け落ちでもなんでもしていいから、雪と一緒に居たいんや。』
時々、ちょっと考えてた。このまま雪と駆け落ちするのもいいなって。
「駆け落ちて、あんたほんまバカや。まぁ、嬉しいけどなぁ。雷がそこまで考えてくれてるなんて…」
嬉しい…?なら……
『……本当にするか?駆け落ち。』
もしかしたら本当に、してくれるのか…?
「え?何言っとんのよ。私の命はもうすぐ終わるけど、あんたはまだまだこれからや。先の人生長いで。雷、あんたが私の分まで生きてぇや。そして、幸せになってな。……っ…うぅ…」
もうすぐ死ぬって分かってるんだ。そりゃ泣きたいよな。もっと、もっと泣いていていい。一生分の涙を、流してくれたって構わない。
『…雪がそのセリフを言うのにどれだけ勇気がいったのかはわかる。でも俺は、雪やなきゃ無理や。居なくならんとってくれ。お前の分まで幸せになんか、なれんよ…雪やなきゃ、もう、だめなんや…俺っ…』
頼むから、そんな事言わないでくれ。そんな約束できない。雪がいない人生なんて、考えられない。
雪とじゃなきゃ、幸せになんてなれない。
「……!そんなこと、言っとったら絶対あかんっ!うちの分まで幸せになるって約束してくれんかったら、成仏できへん!」
雪、わかってくれないのか?いや、雪は俺の1番の理解者なんだ。ちゃんとわかってるに決まってるか…雪の勇気を無駄にしているようで申し訳ないが、やっぱり無理なものは無理だ。
『無理なものは、無理なんや…雪、なぁ雪、頼むから、俺を残して、逝かんとってくれ…』
先に死なれるのは、やっぱり嫌だ。俺よりもっと、生きて欲しい。
「…ほんまは、うちやってあんたとずっと一緒にいたい。雷の隣にうちやない誰かがおるなんて、絶対に嫌や。でも、神様は許してくれへん。多分うちが、雷と出会って、たくさんの幸せをもらいすぎたからや。バチが当たったんやわ。当然の報いやと思って、死を受け入れる。うちにはな、それしかもう、道は残されてへんのや。」
いや違う。雪は何も悪くない。俺が、無力だからだ。
『俺が、雪を助けられるほど、強かったら。でも俺には、何も出来へん。ほんまダメな男やわ。ずっと隣におるのに、見守ってることしか、出来へん……ほんま、ほんまにごめんな、雪。ごめん…ごめん…っ!』
何も出来ない自分は、もう…
「まったく、また泣いて…男がみっともないで?ほんまに泣きたいのは、うちのほうなんやからな…」
いつの間にか涙が大量に溢れ出ていた。辛いのは、俺よりも雪の方なのに。
『…う、うん。ごめんな…ほんまに、かっこ悪いよなぁ。』
本当に自分はかっこ悪い。
「何言っとるの。あんたはすっごくかっこええよ。いつも雷が私を、助けてくれたやないの。」
雪は…気が強くてよく男子に喧嘩売って泣かされてたからな。その時は助けられた。でも…
『でも、本当に助けなあかん時に、何も出来んのや。今やってそうやろ?』
雪が病気に苦しんでいるのを、ただ見ているだけ。
「雷が隣におってくれるだけで、うち、助けられとるよ。あんたがおらんかったら多分もう死んでたわ。わからんけどな…」
隣にいるだけで…?俺と一緒だな…
もう、暗い話するのはやめよう。
また雪を泣かすことになる。
無理やりにでも、笑顔を作るんだ。俺。
『…わからんのかいな笑』
今、ちゃんと笑えてたかな。
「うん、わからん!笑」
あ、今の笑顔、可愛かったな。
『そっかー、そっかー!俺、できるだけ長く雪の隣におるから。安心せえよ。』
俺がそばにいる時だけは、苦しみを忘れて欲しい。
「うん、期待しとるわ。…ふわぁ…ちょっと眠くなってきた…寝てもええ?」
そういえば、長話してしまったからな…身体を第一に考えてもらわないと。
『もちろんや。雪が目覚めるまで、ずっと隣におるわ。安心して眠れ。』
ずっと、ずっとら一緒にいるから。雪の死は確実に近ずいている。でも、もう怖い思いはさせない。
「…ありがと。ほな、おやすみな。」
お礼を言うのは俺の方だけどな。
『うん、おやすみ。』
ゆーきーやこんこ、あーられーやこんこ、ふってーはふってーは……
これは多分、4歳くらいの時の記憶。夢に見るのはとても久しぶり。でも、雷との思い出だから、どれだけ古くても鮮明に覚えてる。
この日は雪の降る、とても寒い日だった。私が寒いから手を繋いでって言ったら、雷がいいよって言ってくれたから、雷と手を繋ぎながら、この歌を歌った。
懐かしいなぁ…あの時は、悩みなんて全然なかった。
あの頃に戻れたら…なんて、願ってもどうせ叶わないんだけどね。時を戻すことなんて、出来ないから…
…来年の雪が降る頃には、私はもう、多分この世にはいない。
でも、雷、あなただけには、幸せになって欲しいの。何がなんでも。ずっと、空から見守ってるから。
来年は、空から降ってくる雪を見て、私のことを思い出してね。