『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
季節の夏の中を跳ねる。
そして、いつもなら9月のやさしい雨に佇み、そっと秋にふわりと着地するはずだった。
だけど今年はきっと10月になってもまだまだ夏で、暑い日が続いてると思っていると、いきなりドスンと晩秋が落ちてくるかもしれない。
「雨に佇む」
「雨に佇む」
一輪の花があった。雪にも風にも茹だる日差しにも屈しない花が唯一首をたおるのは、雨の日だった。どうやら大切な人を亡くした時に雨が降っていたらしい。いつも花に水をくれる人だったけれど、雨の日、それも嵐の日に、花の様子を見に来た帰り道で事故に遭ったようだ。雨による視界不良で彼が見えなかったらしい。車と正面衝突した彼は一瞬で散った。花は雨が降る度に思う。この雨に打たれて一瞬で散ることができれば、私も彼の元へ行けるのに、と。しかし雨はいつも酷く優しく、花の花弁を揺らすのだ。
「雨に佇む」
斑色に染まるコンクリート
一粒ごとに冷やされる肌
気づいた頃には手遅れで
息継ぎばかりの瞬きと
合間から見えた懐かしの空
今日は、何もできなくてごめん
うまく励ませなくてごめん
重くてごめん
日記でも謝り続けて、自分が認めてなくても
でもそれを認めてくれて
ありがとうっていって?っていってくれる
意味わかんないじゃんw、でも
ありがとう
_ごめんね
2024/5/29 21:14:20
「あこがれのひと」
「雨音って、好きなの」
彼女はそう言って髪をかきあげた。
その言葉も、その仕草も、見るだけで蕩けてしまいそうで──
※
降水確率は二十パーセント。
朝も晴れていたし、まさか雨が降るなんて思わないだろう。
気象アプリで雨雲レーダーをチェックすると、やはり通り雨のようだ。
昇降口にひとり。
大粒の雨を降らせる雨雲を睨みつける。
「バス、一本見送るしかないか」
図書室へ向かおうとしたそのとき、視界の端に彼女を捉えた。
「……あ、」
声をかけようとしたが、出来ない。
彼女の隣に立つ男子生徒の距離が妙に近いからだ。
そのまま二人を見ていると、男子生徒は鞄から折り畳み傘を出し、彼女に差し出した。
そうだよね……
あんなに素敵な人、モテないわけがない。
それこそ男なんて選びたい放題では?
胸の奥に広がるこの不快感にも似たものを、認めたくなくて、彼女たちに背を向けた。
そのまま、速度を上げて廊下を進む。
ただの憧れではないのかもしれない。
友情ではないのかもしれない。
だけど、恋ではない──ないはずなのに。
私が、彼女に向けているこの気持ちは、何?
いつの間にか、立ち止まっていた。
渡り廊下の両脇は土砂降り。
────雨に佇む
#雨に佇む
最愛の人を無くした。
病気で少しづつ弱ってはいたが、まさか。
亡くなるなんて、
まだ、行きたい場所一緒に食べたかったもの。
まだまだあったよ?
でも、1番思っているのは君なんだろう。
今日は、寄りにもよってきみの嫌いな雨だ。
「ごめん、今日だけは雨に肩を借りるね」
そうすれば、出したくもない目からの水が分からないから。
「もう少しだけ、ここに居させて。」
雨になるとあいつが立っている。
学校帰り、児童玄関の前、あいつが立っている。
赤い魚。
むなびれで黒い傘を持って、脛まで分かれた足の
先はスニーカーを履いて。
ぼくを待っている。
みんながそいつの横を通り過ぎていく。
だけどぼくが歩き出すと後をついてくる。
なにをするでもないが、ついてくる。
こんなの完全に不審者ってやつだと思うから、
ほんとは人に話したり、助けを呼んだりしたい。
だけどしってる。
こいつはぼくにしか見えてない。
家まで着くと、敷地には入らずぴたりと止まる。
そしてぼくが家に入って行くのをじいっと見てる。
しばらくして見に行くと消えている。
夏の間だけ。雨が降ったら必ずというわけでもない。
僕は大人になった。
今日は雨。
窓の外、会社の前の道に目をやる。
「また来てるな…。」
「雨に佇む」
雨に佇む
人生、焦り過ぎず、時には、立ち止まり、ゆっくり自分を見つめ直してみることも大切なのかなと思います。
雨に佇むように。
人は恋をするとどうなるか。それは『恋は雨上がりのように』を読めば分かると思う。感情表現が少ないクールな女子高生が、バイト先の歳の離れた冴えないファミレス店長に密かに想いを寄せる恋愛漫画だが、初めて読んだ時少しホッとした。わたしの密かな恋心も、この女子高生とおんなじだなって思えるところがたくさんあったから。わたしはあの人に本気で恋をしている。そう確信が持てた。
雨の日の2人のシーン、純粋な気持ちや切なさが滲み出る台詞が印象的。もう一度読み返したい漫画だ。
【雨に佇む】
coming soon !
めっちゃ書き直した…………(;´Д`)
夜の海に潮騒が響いている。
海岸に置き忘れたランプのそばで、紺色の影がユラユラと揺れている。
「最近はよく表に現れているな、過去」
山高帽の男が影に向かって声を掛けると、紺色の制服に身を包んだ過去が振り返った。
「本体も薄々気づいているぞ。見えないけれど確かにある──ガムシロップを水に溶かした時の様な映像が見える──とな。そしてその時はよくわからないが、普段思い浮かばない文章が浮かぶ──と」
ランプに照らされた過去は、皮肉げな笑みを浮かべた。
「人をガムシロップに例えるやつがある?」
「ここにはいるのさ。しかし、本体が感知すると逃げるのだから、ガムシロップとしてはいただけないけどな」
過去は肩を竦めると、波立つ海を横目に見た。
「カードの時の様なピンポイントの明かりではなく、お前の場合は全体にまで行き渡ろうとする。浸水或いは、浸透という言葉が相応しいか?」
「私の事をどう捉えようと、それはあなたの自由。好きに捉えて構わない」
思考の海から目を離さず、過去は淡々としている。
「あの文章もお前だな」
海を見ていた黒い瞳が、こちらを向いた。
感情の読み取れない黒い瞳が、ジッとこちらを見てくる。
見つめ合うだけの無言の時間が暫し流れる。
過去は、緩やかな笑みを浮かべると沈黙を破った。
「言葉によるバタフライエフェクトを期待してね」
「バタフライエフェクト?」
「一つの言葉が誰かの元で響き、その誰かが抱く感情がまた別の誰かに届き、別の誰かに届いた感情が別の何かを動かしていく。過去と未来が重なるのが今なら、言葉は軽やかに時をも超えていく。言葉に表した本人が預かり知らぬところで、一人でも幸せになる人がいれば良い。あれはそういうもの」
海風に規定の長さのスカートがはためく。
黒い瞳はどこか遠い所を見ているが、その目からは何も読み取れない。
「言葉は呪いにもなり得るのだぞ」
「どんな良い言葉も捉え方次第。世界とはそういうものでしょう?」
何を言っても過去はどこ吹く風だ。
はぁ…と深い溜息をつき、山高帽の鍔に触れる。
「…それほどまでに、今が楽しいのだな?」
そう言ってやると、過去は意味深な笑みを浮かべた。
その笑みに思わず身構えると
「雨に佇む世界は、終わったのね?」
首をわざとらしく傾げこちらを見てくる。
まったく、これだから過去という奴は。
このまま引き下がるのも癪なものだ。
思考の海の番人を舐められては困る。
「木は何の夢を見ている?」
山高帽の男の問に過去は苦笑を浮かべた。
「太古の海の夢」
「人が海に帰らなかったのは?」
「空に海と同じ色が広がっていたから」
「夜空に輝く星の正体は?」
「星が今までに見た夢の残り香」
「海は何の夢を見ている?」
「この世界のこと」
懐かしい言葉たちだ。
目の前の過去が紡いだかつての言葉たち。
物語において、少年二人が互いの仲を深める為の問答だ。
物語後半のこの言葉も忘れてはいけない。
「類は友を呼ぶっていうだろう?」
「じゃあ、僕も『スプーキー』だ」
少年達は問答の末、互いの中に共通を見つける。
その事実は孤独を感じていた少年に揺るぎない安心を与え、互いの存在を讃え笑い合う。
過去も今も言葉は巡り巡る。
一度放たれた言葉は、形を変えて持ち主の元へ返ってくる。
雨に佇む必要がなくなった男と過去は、声を上げて晴れやかに笑いあった。
受験生は進路が忙しい。けど将来のためにここを頑張らないといけない。だからといってやるぞという気持ちになれない。受験が近づくにつれて少しずつ嫌というか心配というかなんとも言えないこのモヤモヤ。けど自分なりに考えて考えて頑張ろうと思う。まだたくさん時間があるから全力で頑張る。
*雨に佇む
(一旦枠取り…!仮ばかりで申し訳ない…!)
─── 雨に佇む ───
湖に浮かび
雨に打たれる君は
息を呑むほど美しく
とても儚い存在だった
君しか眼中にないと気付いた時には
もう手遅れなんだ
惑わせ
誘い
導かれる
それがあの人の目的
人ではない者に心奪われ
喰われる事が幸せなのだと錯覚させる
目線を落とすと水面は胸元まできていた
僕は歩く足を止めなかった
出張に出て数日経った。
俺が住んでいる土地から離れた場所で、気候も違う。そして本日最後の救助の最中から雨が降り始めていた。
救助後、他の隊員に患者を託して、雨の中に他に救助を待つ人が居ないかを確認する。救助を求める人数を確認して、撤収しても問題ないと連絡が入った。ヘリに乗って宿舎に戻ろうとするが、足を止める。
雨が服に染み込んで身体が重い。
けれど、心も重かった。
今回の出張は、何回目かの出張で同棲している恋人が心配になる。
元気な笑顔で、背中を押してくれる彼女。出張から帰った後は隣に座る時にいつも以上に傍によってきたり、眠る時は背中から抱きついて離れない。
だから、今回の出張を伝えた時に固まる表情が忘れられないし、心配になった。
出張に出る前、彼女が好きそうな装丁のノートを買った。寂しくないように彼女への気持ちを沢山綴ってきた。
電話やメールで連絡すれば良いとは思うが、アナログな文字にこだわった。
そこに温もりがあると思ったから。
空を見上げると、顔に雨が容赦なく叩きつける。
早く。
会いたい。
おわり
百三、雨に佇む
雨に佇む私を、
雨に打たれたあなたが呼び止めたあの日。
あなたは
「思い出したりするのかな。」
撫でる私の手の中で、あの日私を呼び止めた正体の、
あの日とは違う
ゴロゴロ喉を鳴らす音だけが部屋に響いていた。
土砂降りの中彼女が放った言葉は「ごめんなさい」の一言。傘?僕はいらないよ。雨と一緒に流したいものがあるんだ。(54字縛り)
雨に佇む
降りしきる雨の音に耳を傾ける。
この、透明で分厚い壁を開けたら、きっともっとしっかり聞こえるんだろうな、なんて、思うだけ。
結局、勇気はなくて開けられない。
「いつか、雨の音を直接聞いてみたいな」
今はまだ、この透明な壁に守られながら聞いているその音を。
雨に佇む
そこに留まるのは動けないから。
空が泣いていることに気づけないから。
濡れることなんて、
どうでもいいと思えてしまうことがあるから。
誰かに言われて初めて濡れていることに気づくんだ。
雨は気分を重くする
薄暗くなる空は気持ちまでそうさせてしまう
でも雨の時にしか雨音は聞こえない
神様が音楽を奏でるように
鳴り響く音に耳を傾ければ
楽しめる