『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「雨に佇む」
強過ぎず、弱過ぎずの丁度いい感じの雨降りの日。
家の窓から外を眺めると、スカイブルーの傘を差した女性が佇んでいた。
雨の日は気分が下がりがちだから、暖色系で鮮やかな色が似合うと思ってたけど、スカイブルーも綺麗だな、と思った。
家事を終わらせてふと外を見ると彼女はまだそこにいる。
待ち合わせかな?と思いつつ、やる事に追われて時間が過ぎる。いらない物を振り分けして、処分して。十分吟味して断捨離をしていく。
休憩してふと外を眺めると、スカイブルーが目についた。かなりの時間が経ったのに、彼女はまだそこにいる。
いつまで居るのだろう?何をしているのだろう?どうしたいのだろう?気にはなるけど、やらなければならない事が多すぎて、構ってはいられない。
夜になってやっと作業が終わった。後は細かいゴミの処分だけ。やりきった達成感で気が抜ける。
目の端にスカイブルーがうつる。嫌な空気を感じて振り向くと、彼女が目の前にいた。
さっき私がゴミ袋の中に入れたのと同じ顔がそこにある。恨みがましい目で私を見ている······
雨に佇む…
そっからしかわからんことだってあるのよッ。
雨に佇む
学校帰りのバスの中。
僕は一番後ろの席に座り、スマホを片手にイヤホンで音楽を聴いていた。
突然雨が降り出したせいで、バスの中は満員状態だった。最悪だ、もうすぐ降りるのに。
小さくため息を一つつき、僕は窓の外を眺めた。
雨の音とひんやり冷えた空気が心地いい。
運転手さんのアナウンスは次のバス停にもうすぐつく事を知らせた。
僕はこれ以上乗らないでほしい、という想いで窓からバス停を覗き込んだ。
瞬間、僕の心は冷たくドキリ。
自分でも鼓動が速くなっているのがわかる。
「…え。」まさか、そんな事があるわけがない。
バス停には、三ヶ月前に亡くなった彼女が立っていた。
あの日と同じ服装で、髪型で。
雨の中で佇んでいたせいか全身が濡れていて、長い黒髪が顔や肩に張り付いていた。
その彼女の姿に、僕は居ても立っても居られなくなり急いで降車ボタンを押し、人を押し除けバスを降りようとした。
しかし、他にも降りる人が数名いたらしく、一番後ろに座った数十分前の自分を恨んだ。
やっとの事で降り、彼女を探すが見当たらない。
「綾乃!」
もう呼ぶ事のないと思っていた名前を叫び、僕はしばらく雨の雫を全身で受けていた。
__その日から僕は、雨の日には必ず一旦、あそこのバス停に降りている。君ともう一度ちゃんと話がしたい。
だって、あの時の君が笑顔で泣いている様に見えたから。
だから今日も、僕はあの時間、雨の日にあのバスに乗る。
君にさす傘とハンカチを手に持って。
いつか彼女にもう一度会える事を信じて。
傘は持っている
でも今は雨に濡れたい
そうこれは雨の雫
眼から零れた雨の雫
神様が私を哀れんで
雨を降らせてくれたんだ
俯き力無く歩いていても
雨の中ならそこまでおかしい姿ではない
この雨で今までの思いを洗い流せれば
この辛い心を冷やし鎮てくれれば
雨は髪も服も涙も全て濡らしていく
周りに誰も居ない公園のベンチで
雨降る空を見上げ
思い切り泣いた
明日はまたいつもの私に戻れるように
「雨に佇む」
【雨に佇む】
昔は後先考えず
ずぶ濡れになる事もあった
さすがに後が面倒でもうやらないけど
あれはあれで
案外良いもんだったと思う
嫌な事も受け入れる事が出来れば
そんなもんかも知れない
【雨に佇む】
雨宿りをしていたら同級生の男の子が傘をかしてくれて、
なんてジブリみたいなことは起こった試しがない
私はいつも雨のなかを、傘を買える店まで果敢に走る
それを避けたい時は、朝、傘を持って出る
昔々、まだ高校生だった時のことだ
雨の中を俯いて橋を渡っていた私は、通りかかった父の車に拾われた
「乗れ」
父は、運転席から身体をのばして無機質に助手席のドアを開け、無愛想に言った
「傘をさせ、持っているじゃないか手に」
のそのそと乗り込んだ私は、自分が傘を持っていることにその時に気がついた
どんな距離をそうして濡れながら歩いていたのか、今ではもうわからない
おぼろげに記憶にある会場となった会館は、その橋からはずいぶん遠いはずだ
彼は友人だった
確かに、数ヶ月前まで同じ校舎で過ごしていたはずだ
笑ったり、からかわれたり、逃げ足が速くて…
そうだ、私をマネキンみたいだと言ったのも彼だった
怒ると、けなしたわけじゃないとあたふた言い訳をしていたっけ
さっき私が花を手向けたのも、彼で…
その事実が、白昼夢のように私のからだを呆然とさせていた
雨は故人の未練を現すという
不器用でぶっきらぼうだった若い父の言葉が思い出される
「ひたるな 歩く時は前を見ろ」
父は名言をいくつか持っているけれど、
なかでもこれは、思い出も相まってなかなかのパワーワードだ
今でも俯きそうになるたびに思い出す
そう、持っている傘は、必要な時はさすべきなのだ
濡れないように、なみだを隠せるように
雨に佇む
夏。突然のゲリラ豪雨。
傘を持っていなかった私はずぶ濡れになった。
たまにはこういうのもいいかと思い、雨の中をゆっくり歩く。
白のワイシャツで下着が透けていたが、そんなのも気にしない。道行く人たちの訝しけな目線も気にはならない。
そもそも私は雨は嫌いじゃない。
普段は傘をさすけれど、ごく稀に濡れながら雨の中を歩きたい気分の時もあるのだ。
シャツが肌にまとわりつく。
だがそんな感覚も、こんな天気じゃないと味わえない。
小学生の頃とかは楽しいと思ったことをやれた。
少しずつ成長するにつれて、理性がきいてくる。
雨に打たれることを躊躇するようになる。
もっと、もっと自由でいいのに。
そう、自分に言い聞かせながら。
雨の冷たさ。濡れた肌。
ねず色の空。髪から落ちる雫。
湿り気を帯びた空気。吐き出されるため息。
私の耳に聞こえる雨音。
それらが全部、愛おしい。
雨に佇む一匹と2人
少女は幼い妹を背負い傘をさす
一匹は大きな体に頭に葉っぱを乗せている
少女は思う
これは夢だ夢だ夢だ
雨に佇む
生まれたばかりの雨粒と、世界の美しさだけを焼き付けていたい。
日々家
雨に佇む理由はそれぞれ
喜怒哀楽の想いを、雨に濡らしている
「キミも誰かに捨てられたの?」
「ニャー」
「ボクと一緒だね」
#雨に佇む
あー、もう、やだな
ぜんぶいやになって雨の中に飛び出したけど
それすらもいやになってきた
怒られるかな
晩ごはん何かな
帰りたいけどかえりたくないな
おなかすいたな
(雨に佇む)
「あ、あんたねぇっ!何様のつもり?
いくらルカ相手だからって、
『とりあえず』みたいな気持ちで
付き合うなんて失礼過ぎるでしょ!!」
「ああ、ガキの面倒を見るのが
大人の責任という物だ。
俺はまあまあ責任感が強い方でな」
「ああ、がんばるのじゃ!
ここはうちらで絶対守る!
だから!がんばれ!!」
「ああ、ここで死んじまうのか。
さよなら、世界中の俺のファン」
「ああ。死なずに済んだな。
しかし、お前がいたところで、
死んでいたかもしれない。
そんな「もしも」なんて話、
誰にも分からないさ。
そうだな、お前に言い渡す刑があるとしたら……
お前はセインガルドの七将軍として、
この国の民を全力で守れ!
そして、たまには祖国へ帰ってこい。
それだけだ。」
「ああ!全力でぶつかっていくだけだ」
「ああ、そうだ。おまえは、しっかりやってたよ・・・・
だから、あいつらだって、
うまくやっていける・・・・そうだろ?」
「ああ、未来を掴むためにもな」
「あ~、もうっ!
ウジウジうっさいっての!
男ならドーンとやりなさいよっ」
「ああ、もちろん信じてるさ。
おまえたちの事は。」
「ああ。リーダーの帰りをみんな待ってるさ。
生きて帰ろう。
世界が終わるにはまだ早すぎる」
「ああ…………わがままだと、
わかっています。
自分の罪も忘れはしません。
でも……でも、わたくしは、
このあたたかな光に満ちた世界を…
もっと生きたいッ!!」
「あーあ、おれも嫁さんもらおうかな
そしたら、隣のやつみたいに
もっと大人になれるのかもな」
「あーあーあーあー。後ろ向きなのはやめろ。
うざいっての」
「ああやってウジウジ悩むのも
ガキの様式というものだろう?
そうして大人の恋愛に近付いて行くのさ」
「愛!友情!正義の大勝利!」
「相変わらず、貴族様は優雅なもんだ
すぐそこの下町で起こった事件なんか
関係ねぇと思ってんだろうな
自分に害がないと興味も示さない
家でかくしたり、身なりよくしたりする前に
もっと貴族らしい器のでかさを
見せてほしいもんだぜ」
「相変わらずつまんねぇ事しか言えないヤツだな
諦めちまったのか?
おまえ、何のために今までやってきたんだよ?
ふん。めそめそして
てめえの覚悟忘れて諦めちまうやつに
フレンのためとか言わせねぇ」
「愛嬌も忘れちゃダメよ」
「あいつがどんなにキツい裏切りにあってたとしても、
すべての人間の命を犠牲にする権利なんてねぇよ」
「あいつは、貴族の家に生まれたと言うだけで、
威張り散らす無能な奴らとは違う。
自分から民たちの元へ行き、
直接その声を聞いて、
何ができるかをいつも考えている。
そういう王女だからこそ、
皆が付いていくんだ。
血筋など関係ない」
「あいつは悪党だ。救いようがねえほどのな
相応の報いは受けてもらう」
「あいつは作戦前に必ず部下にこう言うのよ
『生きて、帰ってこい』って」
「あいつはまだまだガキで充分だ。
そのうち嫌でも大人にならされる。
お前もまだガキを楽しんでおくがいい」
「あいつを見捨てるつもりは、
はなからありませんので」
「相手が神だろうが、
私の頭脳に勝てるわけないんだから★」
「相手に勝ちたいって思うようになれると、
勝った時の喜びは大きくなるんです!」
「相手の目を気にし過ぎて、
かえって空回りしてるっつーか
思われても言われてもねェコトを
勝手に作り上げちまってる。
それが、全部の元凶なんじゃねーか?」
「相手も覚悟をもって襲撃してきていると思いますよ。
組織のために命がけで作戦行動をとる。
それが軍人です。」
「相手もそれだけ必死なんだよ、
生きるために…
ここは最前線だ、
良いだの悪いだの言ってられないんだろう」
「相手も人間。話せば、きっとわかってくれるわ!うん、うん!
悪い人だって幸せになりたくて
悪いことをやってるのよ~」
「相手を理解すれば、絆は増えていく。
絆は、人を変える。
人が変われば、世界だって変わるんだ!」
「あいにく、この程度のことで
腹を立てるような安っぽいプライドは、
持ち合わせていないものですから」
「生憎、紳士と無縁の下町育ちでな。
行儀と諦めの悪さは勘弁してくれ」
「愛は、いつも奇跡!」
「青空はホウキ、今日も見上げて
心のおそうじ」
「あきらめずに話しかけていれば、
いつか仲良くなれるもんさ。」
「諦めないで下さい!!
今は例えカゴの鳥だとしても、
あなたがそのカゴから出たい気持ちが……諦めない心が、いつかきっと、
あなたを自由にしてくれますわ!」
「あきらめなきゃ きっと夢はかなうさ!」
「『あきらめるな、なんとかしよう』
スタンのそんな言葉があったからこそ、
私たちは、最後までやりとげられた
英雄とは、彼のような、
あきらめない心を持つ人間のことかもしれん
それを覚えておきたまえ」
「悪意のないバカが一番面倒」
「憧れだけで実現できるほど、
騎士は甘いものじゃないよ」
「朝は無理にでも頭を働かせることだよ。
エライ人たちはみんな、
寝起きが良かったそうだ。」
「味に絶対的な基準などございません。
ゲストにご満足いただけるかどうか?
それが何よりも大切なことなんです」
「明日に備えて体力を回復する事、
眠れなくても無理に眠る事、だ。」
「汗ながして、はたらいたあとのメシほど ウマイもんはねえもんな」
「あせる事はない。わたしたちには、
時間がたっぷりあるはずだ。
ゆっくり行けばいい。そうだろう?」
テーマ「雨に佇む」
好きな人と喧嘩をしてしまった。
そのまま走って外に出てきてしまったから、雨が降っているのに傘もレインコートも、もちろん無い。
なんて馬鹿なんだろ、こんなことをしてもあなたは追ってきてくれないのに。
どうして私、………
泣きながら座り込んだ。
それからしばらくして、なぜか後ろから抱きしめられた。
なんだ、
来てくれるんじゃん。
モノミユを応援してくださっている皆様へ
いつもモノミユを応援していただき、誠にありがとうございます。
かねてより音楽活動を休止していたベーシスト
イマイ・イマイマですが、この度、モノミユを脱退することになりました。
応援してくださっていたファンの皆様には残念なお知らせとなってしまい申し訳ございません。
脱退理由につきましては、彼自身の私生活事情によるものです。
メンバー全員で話し合い、脱退という結論に至りました。
今後については、サポートベーシスト しまちゃんを迎えての活動となりますので、これからもモノミユを応援していただけると幸いです。
よろしくお願いします
2024.8.27
モノミユ
雨に佇む
よかったら、駅まで一緒にどうですか
よかったら、駅まで一緒にどうですか……
心のかなで繰り返し呟く。傘の柄を握る手に力がこもる。
昼間はまぶしい青空が広がっていたのに、授業が進むにつれ雲行きは怪しくなり。ホームルームの終わった放課後にはとうとう雨が降りだした。
雨に佇む彼を見かけた時にはチャンスだと思った。口うるさい母親の言うこと聞いて折り畳み傘を持って来てよかった。
見つめる先のクラスメイトは山田君。同じクラスだというのにほぼほぼ喋ったこともなく。席も遠ければ共通の友達もおらず。ただただ見つめることしか出来ない、もどかしい状況をひっくり返す大チャンス!相合傘で距離を縮めてみせるっ。いざっ。
お目当ての彼に踏み出そうと顔を上げると。
あれ…あれあれ~…。どんより薄暗かった空模様にうっすら光が射している。文字通り通り雨、雨は一瞬にして止んでしまった。
バチリと山田君と目が合う。
「雨、止んでよかったね。日頃の行いがいいからかな」
いかにも善人そうな屈託のない笑顔。邪な私とは違う。日頃の行いの明暗がくっきり表れてしまった。
項垂れながら傘をしまっていると思いがけない声が掛かる。
「伊藤さんも、駅までだよね。よかったら、一緒に帰る?」
「っぜひ!」
果たして。日頃の行いが良かったのはどちらか。
『雨に佇む』
傘を忘れて、大急ぎで家に帰る。
屋根の下に入る前に、立ち止まってみた。
何も考えずに、ただ降り注ぐ雨粒を見つめていた。
なにしてるんだろう、私。
髪も服も顔も全部ずぶ濡れ。
雨に佇む
頭上で鳴り続ける、屋根に弾かれた雨音。
手にはシンプルなデザインの傘、
留め具は外れてる、直ぐに開ける状態で先は地面についたまま。
上が直ぐ空の地面に鏡が増えていく、
雨を飲み込み、空が晴れれば、より鏡のように周りを映すだろう。
一定で、雷も鳴らず、心地よくも感じる音が昇降口の外でループ再生されている。
遠くで椅子を引き、机を整える音、少し間があり、
『さようなら』
と、あいさつが聞こえた。
足音と話し声が、段々音量を上げて、振り返れば、一番最初にたどり着いた男の子が、忙しく靴を履き替え、傘を引き抜き、横を過ぎ、傘を開いて、
やや早足で通学路をなぞっていった。
後ろが騒がしくなってきた、あの子の友達来たのかな、と左に視線を流した。
同じクラスの子。あまり話した事はないけど、大人っぽくていつも本を読んでる子。
友達と目が合ったのか、微笑み、小さく手を振っていた。
私はついさっきまでその子と二人っきり、昇降口でクラスが違う友達を待っていた。
お互い話しかけもせず、ただ同じ場所で友達を待っていただけ。
でも私から見たその子は綺麗で、
どこかの絵画みたいな、
“佇む少女”というタイトルの絵を見ているような、雨の日限定の美術館に居るような気分にさえなっていた。
『お待たせー!』と、私の友達の声が斜め後ろから聞こえた。視線を向ける途中に横目に見たその子は
何処にでもいる、普通の女の子に見えた。
雨に佇む
大人になると理性で佇む機会が多い
ホントは子どもみたいに
本能のままに
傘もささずにびしょ濡れになりながら
水たまりもバジャバシャ渡ってみたい
そんな衝動に駆られることがある
今なら誰にも怒られることなんてないのに
わたしは何を躊躇してるのかな
これやってみたら、何かが変わるかもしれない
雨に佇む
見上げると雫が目に入り、俯くと雫が目から落ちるので、ただそこに立ち止まっていた。
自分が今どこに立ち何を求めているかも解らずにただそこで立ち尽くしていた。
耳に響いていた音が
粒の音がだんだん
だん
だん
大きくなって
もう何
も
聞こえ
雨に佇む
時の流れを眺め
風が口ずさむ唄を聴く