『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼から突然「別れよう」そう言われた帰り道。
トボトボと歩いていると、突然雨が降りだした。
私は雨宿りすることもせず、傘もささず、歩くのを止めて、ただ雨に濡れる。
雨に打たれながら、そういえば彼と出会いも雨の日だったと思い出した。その日も、こんな天気で、その時は彼が傘を貸してくれたんだった。
ザーザー降る土砂降りの雨は、弱まる事を知らずに降り続けている。それは、まるで私の心の中を現しているようだ。
泣けない私の変わりに、空が泣いてくれているのだろうか。きっと、そうだ。
なら、この雨は暫く止まないだろう。
題.雨に佇む
きみを待っている時間ほど、
愛おしいものはなかった。
ぼちぼち、良い歳になる。
家庭を築き、母親になり。
歩幅の合わない、パートナーとも
連れ添って10年…14年にもなろうと
している。
ひとりになりたい。
ふと思い立ち、雨降る夜、外に出る。
傘も要らぬほどの小雨。
遠くの空では、雷が光っている。
あの雷が一瞬にして
私の元まで走り稲妻を落とす確率は
どれくらいだろうか。
バカな空想だ。きっと私は疲れているんだ。
だけどもう少しだけ、ひとりでいたい。
小雨がいつの間にか
大粒の雨に変わり、アスファルトを
強く打つ。
その中で、私はひとり、雨に佇む。
【お題:雨に佇む】
ぽたっ ポタリ ぽたっ ポタリ ポタリ ポトポトポトポト ポタポタポタポタタタタタ ザー
頭のてっぺんが冷たい。肩や手には雫が乗っている。そのうちに雨雲が空を覆い始めた。
急いで雨宿りできる場所を探す。ザーザーゴー。 少し歩くと商店街のアーケードが見つかった。
急いで駆け込み、雨をしのぐ。
お気に入りのワンピースはびしょ濡れ。長い黒髪は雨でベタベタ。不思議と気持ち悪さはない。
しばらく降り続くのかわからない。少し離れたところには同じような境遇の人が1人いた。
お題「雨に佇む」
雨に佇む
雨は嫌いだ。
そういう人間は別に珍しくもないと思う。傘を持つのは面倒だし、遠出もしにくいし、濡れたら気持ちが悪い。
でも大学生の時につき合った彼女は、雨になるといそいそと傘をさして出かける人だった。
週末に部屋に行くよと約束していても、明るいうちに雨が降ると彼女は居ない。部屋から出て、近所の公園に居るからだ。さすがに大雨のときは出ない。
「またか、仕方ないなあ」
僕が迎えに行くと、誰もいなくなった公園に水色の傘がぽつんと見えた。傘は木々の下を時々揺れては、しばらく立ち止まる。僕はすぐには声をかけずにそれを眺める。
遠目には雨に佇むといった風情の彼女だったけれど、実際のところは、公園の木々が雨に濡れる様子や見つけたカタツムリなんかを喜々として観察しているのだった。
「晴れてる時と全然違うよ」
彼女は絵を描く人で、雨に濡れた草木をよく絵に描いていた。元々は晴れた日に描いていたらしいが、ある日にわか雨に降られ、目の前の景色が濡れて刻々と変化していく様に目を奪われたのだそうだ。
「どこがそんなにいいの?」
「だって、すごく綺麗だから」
「晴れた日の方がいいと思うけどなぁ」
首をかしげる僕に彼女はふっくらした唇を尖らせ、しばらく考えてから言った。
「えーっとね、そうだ、グラビアアイドル!」
「は?」
彼女はいい例えだと言うように、明るい目をしてこっちを見上げるけれど、僕にはどういう意味かさっぱりわからない。
「ほら、グラビアアイドルのコとか、濡れた格好で写ってるのあるよね」
「あるけど、それが何?」
「だから、濡れてる姿が綺麗だと思う人がいるってことでしょ」
確かにグラビアの彼女たちの濡れた姿ってのは、こちらの妄想をかき立てるところがある。
「でもあれは、ちょっとやらしい感じがするんだけど……」
彼女の説明に僕がそう突っ込んでみると、彼女はぎょっとして目を丸くした。
「えっ? ま、まあ、そういう感じもあるかな。でも私、そんなこと考えて描いてないよ!」
「わかったわかった」
僕たちは楽しくつき合っていたと思う。でも一足先に社会人になった僕は、日々の忙しさに追われて余裕を失い、すれ違い、結局彼女とは別れてしまった。今ならもう少し違う道があったような気がしてならない。
僕は雨が嫌いだけど、雨の中で楽しそうにしている彼女を見るのは好きだった。
あれから何年経つだろう。
今日の雨は、彼女が好きだと言ったあの日の優しい雨に似ている。
読んでいただいてありがとうございました。
ニワカですが、昨日の男子バスケの試合は面白かったですね! 熱かった!
落ちる涙に
雨が降る
泣いていいよと
雨が降る
# 雨に佇む (259)
歩いていたら、急にどしゃ降りの雨が降ってきた。嗚呼、傘なんて持ってきてないや。とりあえずこのまま雨に濡れよう。辛いことや悲しいこと、苦しいこと、悩んでること、全部流してしまえ。
降られすぎて風邪をひいてしまいそうだ。
しかし家にも入れはしない。
ドアベルを鳴らしても何も帰ってはこない。
殺人鬼から逃げられたのは私だけだから
【雨に佇む】
ポツポツと音を立てて、鉛色の曇天から雨粒がこぼれ落ちる。その響きと煌めきが美しくて、僕は思わず道端で足を止めた。雨足を避けようと慌てて走っていく人々は、僕の存在なんて気にも留めない。まるで世界で一人きりになってしまったようで、ひどく甘美な心地がした。
どれだけの時間、そうしていたか。濡れた服が肌に吸いつき、髪先からポタポタと雫が伝うようになった頃、不意に視界に影が落ちた。
「雨の中にボーッと佇むクセ、そろそろやめなよ。いい加減本気で風邪引くよ?」
振り返れば晴れた空のような清々しい水色の傘が、僕へと差し向けられている。呆れたようにため息を吐いた君と、これで世界に二人きり。
「大丈夫だよ、馬鹿は風邪を引かないんでしょ?」
「君が馬鹿なら、世界の八割くらいが馬鹿になるんだけど。無意識に全世界に喧嘩売ってるの?」
「成績が良いことと馬鹿かどうかって、全く別の話じゃない?」
「まあ確かに、雨のたびに道端に立ち尽くしてる君は馬鹿かもね」
ほら、帰るよ。そう笑って傘を揺らした君と肩を寄せ合って、君の差した一つ傘の下を歩いていく。傘に守られた二人きりの世界は、柔らかな安らぎに満ちていた。
雨に佇む彼女を見た。
傘を彼女に向けようとした。
でもそれは僕の役目じゃなかった。
だって彼が居るから。
僕は彼女が好きなただのモブに過ぎないから
雨に佇む彼女を見ていたくなくて
僕は彼女に背を向けて歩く
離れていく彼女との距離
彼女を呼ぶ彼の声
僕も主人公になりたかったな。
─────『雨に佇む』
#雨に佇む
雨が降ってきた。
先程まではからりと晴れていたというのに。
ザァザァと雨が空から落ちてくる。
この音を聴いていると、この世に自分一人しか居ないのではないか、なんて馬鹿げた考えが頭を占める。
走って帰った方が速いかな。
僕は、買ったものを自分の服の中に隠して雨の中に飛び出した。
いっそ、君が死んでくれたら良かった。
なんて思ってしまう僕は、酷いやつだなと、我ながら思う。
長年付き合ってきた彼女と別れた。彼女に好きな人が出来たから。僕の知らないところで、彼女はとっくに結婚していた。それを知って僕が愕然としていると、彼女が言った。
「これからは、仲の良い友だちとしてよろしくね」と。
僕たち、今まで何をしていたのだろう。相手の何を見ていたのだろう。恋人がいないと馬鹿にされる世の中に急かされて、お互いに手頃だったから付き合っていただけなのか。
僕は彼女を愛していた。結婚になかなか踏み切れなかったのは、持病のせいだ。彼女に負担をかけるのが怖かった。それでも、何とかやっていける道を探していたけれど、それは恐らく遅すぎた。
彼女は僕を愛していた、のかは分からない。しかし少なくとも、付き合っている間は僕はそう感じていた。前の男で酷い目にあって、男性恐怖症だと言っていたから、中性的な僕とは付き合いやすかったのかもしれない。そんな傷付いた彼女を大事にしたくて、彼女の望みには応えるようにしたし、彼女が嫌がることはしなかった。大切に、大切に、付き合ってきたはずだけれど、彼女には何か足りなかったらしい。
僕には何の言葉もなく、他の男と付き合っていた。彼女が男性恐怖症を克服できたことを喜びたいのに、僕はもう、善人でいられる気がしなかった。
悪びれることもなく、これからは友だちとして付き合えだなんて。僕が今、どんな気持ちでいるのか想像もしてくれないらしい。それくらい、彼女は僕のことを優しい人間だと勘違いしている。
雨が降る。恐ろしく風のない夜。
僕は彼女らの新居の前にいた。手にはバールと縄を持っている。僕は監視カメラも気にせずに、堂々と歩いた。僕がこれから何をしても、刑務所に入れられる心配はないからだ。彼女のように無防備な窓ガラスを、僕はバールで割って家へ侵入。そのまま寝室を目指し、ふたりを絞殺……することはなかった。僕はただ、新品の建物を眺めながら、雨に佇む。
雨と涙でぐちゃぐちゃになった顔を覆って、
「 」と溢した。
持ってきた縄は、彼女らのためのものではない。
これは僕のための縄なのだ。バールはただの護身用だ。
さて、彼女は翌朝、どんな顔をするのだろう。
僕は何も期待しないで、手頃な樹木に己の命を預けた。
雨に佇む1人の老人が、私に声をかけている。
「我々はあなたを待っていた。」
「いつもあなたと共にある。」
4億5000万年前からこの時を経て、私たちは共に歩んでいる。
全ての平行生に声をかけて、様々な思いを語りかけるがいい。
きっと、あなたに響く答えをくれるだろう。
そして、最愛の地、最上の地へと、あなたを導くことでしょう。
今日は雨の予報だっていうのに、ちっともそんな気配ないじゃないか。
青空を睨む。
俺は今、大きく傷付いていた。
ずっと好きだった幼なじみに、彼氏ができていた。
嘘だろ……?
小さい頃は結婚の約束をしたこともあった。それが、小学校の途中から徐々に話さなくなり、中学校ではもうまるで他人のようだった。
それでも俺は彼女が好きだった。本当は、彼女も俺のことが好きだけど態度に出せないだけだと思っていた。正直今でも思っている。
だってこんなに長い間一緒にいたんだ。それにあの男より絶対俺の方がカッコイイし。
はぁ…………。
大声を上げて泣き出したかった。でも、涙を見せるのは恥ずかしかったから、雨の中ならわからないと思ったんだ。
それなのに太陽は容赦なく照りつけ、俺に涙を流す隙さえ与えてくれな――、
ゴロゴロ……。
空に黒い雲が流れ、音を響かせ始めた。
お。雨降るか?
ザー……!
短い通り雨、にしてはあまりにも激し過ぎる雨。
雨に佇み泣くなんて余裕もなく、俺は一瞬にしてずぶ濡れになった。
もうこうなったら笑うしかない。雨で湿った空気とは裏腹に、俺は乾いた笑いを浮かべた。
『雨に佇む』
雨が降る
窓辺に座って
雨音を聴く
急な夕立ち
木の下で
雨宿りをする
立ち止まって
雨を降らせる空を見る
大丈夫
どんなひと時を過ごしても
絶対にこの雨は
降り止むから
この雨を
楽しむこともできるよ
証拠
先は見えないが存在している
上も見えないが太陽は存在している
今ここに私は確かに存在している
※雨に佇む
起きてからカーテンを開けると、雨が降っていた。
おそらく昨晩から降り続いている。
薄い、インスタントコーヒーを飲む。
そう言えば、昨晩どうやって家に帰ったのか、覚えていない。
ウィスキーのロックをしこたま飲んだ所までは覚えているが・・・
雨はやみそうにない。
そういえば、この雨の粒、地上に降り立ち、蒸発して再び雨として降り注ぐのに約80年の歳月がかかるらしい。
先月無くなった、部長のお袋さんとちょうど同じくらい。
ってことは、お袋さんが生まれて泣いた涙がこうして降ってきてるのかもしれないですね。
こういう話が遅刻の言い訳になるだろうか?
俺は雨に佇んだ。
さ、汽水域をみてご覧なさい 嶋には列をなしている三角の群れ 白は腐るよ
雲行きが怪しい、僕はそう思った。
そうなのにも関わらず学校の貸し出されている傘を横目にしながら昇降口を出た。昇降口から3、4歩ほど歩くと小雨、それから5、6歩歩き、校門を前にすると自転車置き場のトタン屋根を打ち付けるような雨が降ってきた。
僕は、こんな妄想をする。後ろから女の子が駆け寄ってきて傘に入れてくれるのではないかと、そんなことがあるはずがないのはいうまでもない。主観的に見れば僕は妄想の世界で女の子に傘に入れてもらっている、しかし、客観的にみると僕は雨に佇み、妄想によりやや口角を上げてるただの変人だった。
雨に佇む
本を読んでいると、
ふと周りが静かすぎることに気づく。
そして、どこか遠くからカエルの声が。
気になって窓に近づき、カーテンを開けると
空からはポツポツと雫が降っている。
雫はやがて、凍り、そして綺麗な結晶となる。
風は穏やかで、
少しずつ降っては溶けるを繰り返すのをみている。
そしてまた、ポツポツと雫に戻り
静かに降り始めた。
外に出て雨を受ける。
体温は奪われ、感覚が麻痺してくる。
しかし、雨を全身で受けながら目を閉じると
遠い昔の出来事が、
雨のようにポツポツと蘇ってくる。
静かに静かに…
雨の中に佇んでいる…