『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
友達からの、自慢。
部活の、これからの方針の話。
文化祭での、出し物の話。
君からの、恋愛報告。
全部全部、煩わしくて、LINEを開けなくて。
いや、きっと、開きたくなかった。
そっと、通知を切って、スマホの電源も切った。
私の心はもう、いっぱいで、何も受け止められません。
夏休み中一度も連絡を取らなかった彼から…
こうなるってなんとなくわかってた
わたしも感じてた
会えなくてもLINEが来なくても
寂しさを覚えなかったから
でも、なぜだろう
終わってしまうのは、寂しい
《開けないLINE》
開けないLINE。
開けないLINEが
たくさんあるかも?
一日では
全部消す。
開けないLINE
開けられないLINE
開けたくないLINE
開けちゃいけないLINE
開けるべきではないLINE
…
まるでパンドラの箱
きっと最後には希望が残るはず
私のLINEは小数限定だ…
繋がりたい人に出会ったら
QRコードでお互いに読み合って
追加する…
だから「開かないLINE」は存在しない
誰から送られて来ても皆気心の知れた
仲間たちだ…
こんなに便利な社会になると
いつでも誰でも、すぐに連絡が取れる
から、遠くても近くに感じる
……良い時代だ。
けれど、通信がまだまだで
連絡手段が家の電話だった頃には
友達ならまだしも、好きな人に
初めて電話を掛ける時の
ドキドキ感は半端なかった…
だいいち、誰が出るかわからない
「彼が居ますように…」と願いながら
ド緊張でダイヤルをまわす
その指先が震えた…
しかし、そんな不自由な時代も
それなりに楽しかった…
便利と引き換えに無くした物も
多分あるんだろうが、わかるのは
ず〜っと先なんだろうなぁ…
開けない。開けない。
開きたくない。
開いたら終わる。
いつの間にか逝っていた君との最後のLINE。
既読を付けたら、何もかも終わる気がして。
怖い。
あの頃のままのLINEでいて欲しい。
私が死ぬまでとっておこうか。
日曜の夜なのに、すごいお酒飲んじゃって
すでに後悔してる、今
明日の朝ちゃんと起きれるかな
むくみが心配…ほんとバカだなぁ…
#開けないLINE(お題無視)
開けないLINEそれはちょっと気まづいLINE。喧嘩をした時とか、苦手な人からのLINE。そして好きな人からのLINE。ドキドキする。何を言われるんだろう。考えたくもないこと?それとも嬉しいこと?どっちにしてもあまり開きたくないと、開けない。いつも逃げている。そんな自分が嫌になる
小学生、人見知り同士組んで仲良くなったね
ずっと一緒だった中学生、受験先同じにしたけど
それぞれ高校生、話すことも無くなり誕生日すらLINEもやめて、いつの間にか大人になった
もはや君に交わることもない人生だと思ってた
でもふと開いたYouTubeでおどける君
一人語り配信者になってて口下手だったのに別人みたい
少し酔ってるかな?昔話しだした
「離れ離れだった友達に会いたい。口下手な僕と一緒にいてくれた」
もしかして私会いたいと思っちゃてる?
私の応援は20万分の一だ
でも届くかもわからんLINEに「久しぶりだね」って送っちゃった、どうしよう
だけど心配は無用で、すぐに携帯鳴って息が止まる
見るのに少しだけ時間かかった
「久しぶり、元気でいるよ。連絡くれて嬉しい」
ああ、昔のままの君だ
大人になったね。
「私も会いたい」
開けないLINE。
開いてしまったら、全てが終わるから。
見たくない、見たくない。
でも、開いてしまいたい気持ちもある。
指先ひとつが全てを決める。
そんな時代になってしまったんだよなぁ。
昨夜、彼女と電話で大喧嘩した。
次の日の朝、彼女から届いたLINEには、
「あなたを殺してあげる」
目を疑ったが、間違いなく彼女からだ。
彼女と約束していた週末の旅行が、僕の仕事で行けなくなった。
早朝からの仕事で、断れそうにない。
彼女は昨夜の電話で、
「そんな仕事、誰かに代わってもらうか、午前中のうちに終わらせるとか、出来ないの?」
とか言ってきた。
無理言わないでくれ。
それじゃなくても僕は、朝が弱くて、起きられるかも心配なのに。
続けて彼女からのLINE。
「どんな方法がいい?」
そんなの、僕に決めさせないでくれ。
彼女がこんなにクールな殺し屋だったとは。
殺人予告も板に付いて、一介のOLとは思えない。
その後の彼女からのLINEは怖くて開けなかった。
いくつか届いていたが、自分の殺され方を描写しているようなメッセージなど読んでいられない。
仕事を断って彼女と旅行に行こうか。
いやいや、殺し屋の彼女とこれからも付き合っていけるのか?
一方彼女は、途中から既読が付かない彼へのLINEに、少し焦りを感じていた。
「打ち間違えたの。殺してあげる、じゃなくて、あなたを起こしてあげる、ね。モーニングコールでも、前の夜から泊まりに行ってもいいし。方法はあなたが決めて。…ねえ、既読が付かないんだけど、大丈夫?」
【開けないLINE】*86*
1つだけ思いあたるかなぁ
見たいけど見たら決心が揺らいじゃうから
開けなかった
でも完全に消去するまでの覚悟はなくて
珍しく潔くいけなかったあの頃…懐かしいな
イイ思い出です、8歳差
悩みに悩んで、あなたにLINEを送ってみた。内容を考えてたら止まらなくなってしまって、なんども書いたり消したり書いたり消したり……そんなLINE。
勇気を出して紙飛行機のボタンを押した。
「既読」が気になる。
あなたにとどいてるかな?
ちゃんと読んでいてくれてるのかな?
読んでくれたら嬉しいけど、日頃LINEなんかほとんど送らないし、もし引かれてたら怖いな……。
「新着メッセージがあります」
俺の名前はアレク・セイ。
誇り高き空軍学校の、戦闘機パイロット候補生。
空軍学校創設以来の、伝説的な成績で戦闘機乗りになった男だ。
と言いたいところだけど、万年補習の落ちこぼれ。
赤点回避した日には、カンニングが疑われる始末。
俺はバカなのだ。
あ、伝説的ていうのは嘘じゃない。
伝説的に悪いという意味だ
自分で言うのもなんだが、身体能力はかなり高いので、それで学科をどうにかカバーした。
教官からも『身体能力が化け物じゃなきゃ、とっくの昔に追い出している』と言われたくらいだ。
学科は勝てないけれど、体を動かす系の科目は俺が一番だからな。
そんな俺だが、この度ついに戦闘機に乗るための試験に合格し、今日初めて戦闘機に乗る。
教官たちも苦い顔をしていたが、合格は合格。
だれにも文句は言わせない。
ということで、俺の専用戦闘機に乗り込こむ。
「うっひゃー。
計器がいっぱい。
えっと、どれを触ればいいんだっけ?」
「何かお困りですか」
「うわっ」
俺は驚きいて変な声が出た。
ここには俺しかいないはずなのに、なんで声が……
「誰だ!?」
「僕はこの戦闘機の補助AI。
識別名、YAMER- 10型βタイプです
よろしくお願いします」
ホジョエーアイ……?
あ、補助AIか!
「思い出した。
俺たちの代から、戦闘機にはAIが乗ってるって言ってたな。
それがこれか」
「その通りです。
ではあなたのお名前をどうぞ」
「俺の名前はアレク・セイ。
よろしくな」
「こちらこそ」
俺とAIはお互いに自己紹介をする。
少し話しただけだが、とてもAIとは思えないほど受け答えがスムーズだ。
『実は人間が入ってます』と言われても信じてしまいそうなくらい。
子供の頃、そんなアニメがあったけど、俺の生きてるうちに見ることが出来るなんて……
科学の進歩ってスゲーな。
そうだ感傷に浸っている場合じゃない。
俺はこのAIに対して言わないといけないことがある。
「あのさ、言いたいことがあるんだけどいい?」
「なんでしょうか?」
「名前の事なんだけど、えっとYAMY……なんだっけ?」
「YAMER- 10型βタイプですか?」
「そうそれ!
それ、言い辛いからヤマトって呼んでいい?」
「……はい?」
「いや、悪いね。
俺、活舌悪くてさ。
あんまり長いとかんじゃうのよ」
考えているのだろうか、ヤマト(暫定)がしばらく沈黙する。
呼び方を変えるだけなのに、何をそんなに悩むのだろうか?
それとも、俺のカミングアウトに呆れているのか……
『呆れる』っていよいよ人間じゃねえか
「……わかりました。
僕の名前は、今より『ヤマト』です」
「助かるよ」
「噛んでパニックになられても困りますからね」
「気をつけます」
ヤマトが言外に『妥協してやったんだから噛むなよ』って言ってる気がする。
もし噛んだら説教されんのかな?
おお、怖え。
「アレク、僕からも一言良いでしょうか?」
「なんだ?」
「僕はアレクに謝らないといけないことがあります」
「え、何?
怖いんだけど」
まさか欠陥品とか言うんじゃないだろうな。
とうか変なとこあった?
全く分からないんだけど。
俺は大和の次の句を待つ。
「僕は、補助AIとしては不完全なのです」
「どういうこと?」
「もともと我々補助AIは、操縦者の手助けをするように設計されています。
刻一刻と変化する環境や敵の動きに対応するために、常に計算し続け、柔軟に適応し、パイロットの見えない部分をフォローする。
それが補助AIの役目。
ですが僕の場合、それが柔軟に対応できないと言うか。
少しの誤差も許せないと言うか……」
「つまり……
頭が固いってこと?」
「ありていに言えばそうですね」
「なるほどね」
ヤマトは、申し訳なさそうに謝って来る。
この歯切れの悪さ、本当に人間じゃないの?
それはともかく、AIにも個性があるって聞いたことあるけど、このヤマトは特別マジメな性格のようだ。
だけどマジメくんっていうのは俺にとってありがたい。
「じゃあ、ちょうどいいな」
「はあ!?」
「お。AIでも驚くことあんの?」
「人間を模しているので驚く『フリ』は出来ます」
「『フリ』ねえ」
こいつと話していると、本当に人間と話している錯覚に陥る。
科学の進歩ってすごい(二回目)
……人類に反旗を翻さないよね?
「話を戻します。
『ちょうどいい』とはどういった意味でしょうか?」
おお、ヤマトが追及してくる。
どことなく、怒っているような気がする。
馬鹿にされたと思ったのだろうか?
俺、かなりマジメに言ったんだけどなあ。
本当に反旗を翻されても困るので、ちゃんと説明しておこう
「俺さ、不完全っていうか、なんでも物事がテキトーなんだよ。
やることなす事中途半端で、勉強も集中できないからテスト悪くってな」
「よくここまで来れましたね」
「俺もそう思う。
でもさ、ちゃらんぽらんの俺と、あたまでっかちのヤマト。
足して割ったら『ちょうどいい』だろ?」
「適当過ぎませんか?」
「そうかもな。
でも俺の適当さを、ヤマトの固さで正してくれるんなら、俺としては助かる。
俺、人に言われないとなんも出来ないんだよ」
ヤマトが息をのむのが分かる。
それもそうだろう。
だって、自分の欠点だと思っていたことを長所だと言われたら、そりゃ困惑するわな。
「俺、相棒がお前でよかったよ」
「……そうですか」
「あれ、照れてる?」
「照れてません」
「ま、そういう事だよ。
半人前の俺と、完全じゃないお前、二人で一人前さ」
決まったな。
そう思ったのだけど、ヤマトが沈黙する。
セリフ、臭すぎたかな。
「アレクは……
本当に僕でいいのですか?
僕、不完全なAIですよ」
「俺バカだから、完全なAIと不完全なAIの違いが分からん。
だから問題ない。
文句あっか?」
「……アレクが良いなら、それでいいです」
ヤマトの答えにニヤリと笑う。
これでヤマトは俺の事を認めてくれただろう。
お互い命を預けるんだ。
ちゃんと納得しないとね
「よし、挨拶終わり。
そういう訳で補助AIとして仕事してくれ。
早速教えて欲しい事がある」
「なんでしょう?」
「この計器、なんの計器なの?」
「……」
「黙らないで」
「それ速度計ですよ。
基礎の基礎ですよ。
大丈夫なんですか?」
「大丈夫だって。
これから覚えるから」
「早まったかもしれないなあ」
これが俺とヤマトとの出会いだった。
正反対の俺たちだけど、不思議と上手くいく確信が俺にはあった。
だからどんな試練が待ち受けようとも、俺たちは超えることが出来るだろう
こうして、不完全な俺たちの物語が始まったのだった。
開けないLIVE、そんな俺のLIFE、下らないプライドに
ByeByebuy.
好きな人からのLINEはすぐ開けない。スマホがっついてる人と思われなくないのと、即レス苦手だから。まぁそのくせ向こうからの返信遅いとそわそわして不安になってすぐ返せよ!って思っちゃうんだけど笑
LINEよりも直接話したい派だから、たまにほんとに何も話すことない時あるんだよなぁ笑
《最期の言葉を聞けない》
(刀剣乱舞/岩融)
これは、とある閉鎖本丸の話である。
その本丸は全振りに個人用の端末を1台支給していた。
緊急事態や秘密裏に話したいことがあった場合に使うようにとの事だった。
ある日、岩融は単騎出陣を行なっていた。
そんな時に端末に通知が入った。
【本丸が襲撃されてる】
送り主は初期刀・蜂須賀虎徹だ。
岩融は慌てて帰還しようと転移装置を起動させる。
が、ピクリともしない。どうやら時間遡行軍の襲撃により転移が出来なくなったようだ。
そうしている間にも本丸には敵が押し寄せ、仲間と主の身が危険に晒されている。
そして暫くしてから、また通知が入った。
【後は頼んだよ】
それからの事は岩融自身、よく覚えていないらしい。
気付けば本丸に帰還し、誰一人として生きている気配がしなかった事。
持っている端末をあの日以来開けずにいる事。
そして、自分をどうか刀解して欲しいという申し立てがあったのが今日だ。
「あの日に蜂須賀より送られた言葉の後にも幾つか送られていたのは分かっていた。しかし開けずにいるのだ」
「開き、見てしまえば恐らく俺は正常な精神では居られぬ気がしてな」
あれから"開けない"(あけない)事を選んだのだ、と。
その話を聞いた政府の担当官は、彼の端末を開く許可を得て、メッセージを開いた。
そこには
【岩融だけでも生きて】
【自分を責めないでくれ】
【いつかまた会えたら、共に戦場を駆け抜けよう】
そして審神者からのメッセージが。
【岩融、またね】
担当官はそれらのメッセージを読み、岩融にこう告げた。
「是非とも仲間たちからの言葉を受け取って下さい」
既読をつけようか、つけまいか、つけたら返信しようか、それともスルーしてしまおうか。
こんな小さなことで悩んでいるなんて、と自分で惨めな気持ちになる。
もうさっさと終わらせて仕舞えば良い。
いずれ向き合わなければならないのだし、遅かれ早かれだ、と思った。
開けないLINE
見覚えのない真っ黒なアイコン
あなたの願いを叶えましょうと言う文字
そのLINEを開いたら最後、願い事の代償に
大きな対価を支払わなければならない
それでもあなたは、開きますか?
開けないLINE
一番最後は去年の夏。
「お誕生日おめでとうと」
夫と舅と私の三人でお義母さんの為に準備したケーキを囲んで写メを撮った。
その、写メをお義母さんのLINEに送りました。
既読は、いつまで持ってもつきません。
もう、お義母さんはLINEを開けないから。
その丁度半年前のお正月、実家の花壇の水撒き様のホースを直したお礼が来ていたね。
「じーちゃんに何度も頼んでいたのに、してくれなくて、兄ちゃんに何年越しやろかに直してもらいました有り難う」そう言って喜んでLINEをくれたお義母さんでした。
その、じーちゃんもお義母さんが大急ぎで逝ってしまってから、1年も待たずに、丁度お義母さんが余命宣告を受けた日から1年目の今年の春にお義母さんのところに逝きました。
お義父さんお義母さんあなた達の息子さん(お兄ちゃん)は、1年間の間に続けて二親を亡くして辛そうです。私よりもナイーブとは心得ていましたが、かなり、まいっています。
今、開けなくなったLINE。
アイコンがなくなったお義父さんお義母さんのLINEの名前を指で撫でながら、見守ってあげてくださいね、お願いしますと願っています。
去年のあなた達の、いえ、私が来た頃のままのあなた達の姿を想いながら。
録画音声メッセージからは、孫たちと楽しそうに話す明るい声が聞こえて来ます。
私も夫もあなた達が居なくなったなんて思えなくて、困るとお義母さんに頼んでみたらと相談してみたらと言ってしまう、しっかり者の義母(母)と、無口だけれど優しい義父(父)でした。
いつも、いつまでも、あなた達の前だけでは心配かけるお兄ちゃんでいさせてあげてください。
開けないLINEを見つめながら想っています。
令和6年9月1日
心幸