『閉ざされた日記』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
閉ざされた日記
部屋の片付け中、どこか懐かしい日記を見つけた。
砂のような色をしていて厚い本のようだ。
しかしその日記には鍵が掛かっている。
僕は近くに鍵があるだろうと、
日記が入っていた箱の中を掻き分けるように探した。
僕は不思議に思っていた。
こんな古い日記なんてどうでもいいはずなのに。
しばらく探しても、鍵なんてどこにもない。
幸い、鍵がなくても開けれそうだった。
道具を持ってきて中身を確認しようとした時、
僕は何故か涙が零れた。
あれ、なんで泣いてるんだろう
その日記には何も書いてなかったが、
写真が1枚挟んであった。
向日葵の背景に仲良しそうな3人組が映っていた。
写真の裏に日付と“約束”が書いてあった。
僕ははっとした。
なんでずっと、忘れていたんだろう。
今はもう薄暗いけどそんなの関係なく
僕はあの場所に向かって走った。
走って、走って、走って、走りまくった。
ずっと走ってやっと、あの写真の場所に着いた。
人影が見えて話し掛けてみると、
懐かしい声で僕の名前を呼ぶ。
閉ざされた日記
閉ざされた日記
閉ざされた日記だからこそ
気になって気になって…
仕方なくなるの
見たくなる…
でも…
許されるわけもなく…
不安です…
少しだけ…
見てしまう
秘密の扉を開けた…
違う世界が広がっている
こわくて不安…
でも…
閉ざされた日記
日記の筆者は知れない。
この日記の最後に記された署名の欄に記された名は、ロミオ・デ・ル・ロッサの銘。
しかし、この作者は女性。
なら、彼は何者なのか?
筆者の恋人か、夫か? 何故にこの日記に銘を打ったのか?
ロミオは、航海の途中、とある島でこの日記を手に入れた。
(彼女は何者だ? この、清廉な筆致。神をも恐れぬ、背徳的な文面)
その島は、邪教徒に滅ぼされ狩り尽くされた後で、人っ子一人いぬ有様。だが、妙な生活臭が残っているところを見ると、この漁村で祀られていた神の足跡を彼は知ることになる。
彼女は、民俗学者であり、その神を調査していた。
年に一度、人を捧げ物に食らうという、ダゴン。
それが、この村で崇拝されていた神の名前だった。
魚頭に人間の身体をした、漁民の民であり、この漁村では、その神との混血のもの達が暮らしていたという。
日記は途中で途切れているが、その奇異なる生活は、邪悪なる信仰と共に、書き綴られている。
邪悪なる神の信仰は廃れたが、その廃村では今も時折、人では無いものが、陸に上がるという。
閉ざされた日記
日記 それは過去の出来事を未来に残すもの
書き記してるだけで貴方への想いが募る
何げ無い情景 意図しない言動 素敵な雰囲気
その時は気付かなかったけど日記に記すと
そこに意思が 想いが そして愛情が
知らず知らずに込められてたことに気付く
もう書き記し続けて3年
いつまでもこの日記は続くものと思ってたのに
対象だった貴方の存在が消滅してしまうなんて
思いもよりませんでした
いつも私に勇気と喜びと感動を与えてくれた
開かれた日記
今 その役目を終え
閉ざされた日記は 机の引き出しの中
今まで有難う 感謝
鏡には 満身創痍の 女の子
目を見開いた 貴女は誰なの?
『閉ざされた日誌』 2024.01.18
君の閉ざされた日記がある。
鍵がついているからもうずっと開けることができない。
ある日鍵を見つけた。
でも、開けないでおこうと思う。
もう君はいない。
鮮やかな君は僕の記憶の中にいる。
閉ざされた日記は閉ざされた日記のままで。
#閉ざされた日記
【閉ざされた日記】
明後日にはここを引っ越す。
荷造りを始めて数時間経った頃、懐かしい日記を発見した。
わぁー!懐かしい!もう何年前だ?
何を書いたっけ?
ワクワクしながら開くと
『この日記を再び開いた自分へ』
との題目。
(黒歴史に見るやつじゃん)
と思わず青臭い言葉にツッコミをいれながら次のページを捲ると、
急に意識が飛んだ。
「閉ざされた日記」
子どもの頃は
可愛い表紙の日記を買って
赤面するようなこと
平気で綴ってた
今は
スマホの中の日記
パスコードはあなたの誕生日
もう、開くことはない
二人の日々は永遠にここに
【174,お題:閉ざされた日記】
机の上にのった一冊の本、なんとなく視界に入れたそれは
茶色い表紙にベージュで四角い模様がいくつか描かれており
そこに特に意味もないであろう、お洒落な外国語の羅列が書いてある
仕事はもう終わっている、早く帰らなければならない理由はないが特段長居する理由もない
だがオレはその本を手に取った、普段ならばすぐにこの場を去っただろうがほんの気まぐれだった
表紙を開く、数ページ捲ってみるとどうやらそれは日記らしかった
そして、オレはすぐにそれを開いたことを後悔した。
綴られていたのは、ただの平凡な家族の日記
日によって言葉遣いや字の形が違うため、家族で交換日記のように書いていたのだろう
手の中の日記帳がズンと重みを増した気がした
急に呼吸が出来なくなった気がした
繰り返し文章を眺め、反芻し小さく口に出した
やがて日記帳を閉ざしそれを持ったままふらつく足取りで外に出た
理解を拒む脳が身体中に誤信号を伝達して
視界は眩み、内蔵を引っ掻きまわされるような気持ち悪さと
割れるように痛む頭が、真っ直ぐ歩くことさえ不可能にしていた
日記帳は固く閉ざして裏路地のごみ捨て場に放り投げて帰った
薄いシーツを頭からかぶって部屋の隅で身体を縮める
さっさと忘れよう、ようやく自由に慣れたんだから
#3 閉ざされた日記
過去の日記を引っ張り出すのは少し抵抗がある。
ボクは常に誰かと過ごしてきた。
その誰かの名前を見ると思い出に耽ってしまう。
その「誰か」が
元恋人なのか友達なのか、
はたまた仕事関係の人なのか。
日記に名前を残すのを辞めたらいいものを
ボクはまた名前を書いて日記に残すと思う。
それがボクが誰かと過ごしていたという
写真とはまた違うひとつの証拠になるから。
それが二度と開かれないであろう日記になったとしても。
欲を言えば、彼女のことをもっと知りたかった。
結局僕らは互いのことを何も知らないまま、その関係は解れてしまった。
あの日君が泣いていた理由も、あの日君が怒っていた理由も、もう、なにも、分からない。
そう考えて、はっとする。
僕は、いつの間に彼女のことを考えられるようになっていたのだろう。
彼女のお葬式に行かなかったあの日、もう二度と彼女のことは思い出さないと心の中で誓ったはずなのに。
そのとき、彼女の声が聞こえた気がした。
いや、確かに聞こえた。
「もう!やっと引きずりおわったの?」
翌日、僕は彼女の家を訪れた。
こんな朝早くからは迷惑だろうかと考えていたけれど、彼女のお母さんは笑顔で僕を出迎えてくれた。
「〇〇さんに、会わせてくれませんか」
彼女のお母さんは少し間を置いてから頷くと、玄関からすぐのところにある和室へ案内してくれた。
畳の匂いを感じると同時に、すぐに彼女の写真に視線がいく。
写真フレームの枠いっぱいに、満面の笑みと共にピースサインをしている姿がそこにあった。
「ただいま」
何故か不思議と、笑うことができた。
お線香を焚き終えると、仏壇の上に小さな手帳のようなものがあることに気づいた。
彼女のお母さんに許可をもらい、ページをパラパラとめくる。
どうやら日記のようだ。
日付は不規則で、彼女の三日坊主さがよく分かる。
内容はどれも面白おかしく書かれており、スムーズに読み進めることができた。
しかし最後のページの日付を見て、思わず声が出た。
随分と乱暴に書かれた、〝4月26日〟。
彼女と僕が、喧嘩をした日だ。
そして、彼女の最後の一日。
あとはもう、白紙のページが続くだけだった。
4月26日。
そのページの日記を読む勇気は、まだ僕にはなかった。
後悔という言葉の意味を初めて知った。
新しく買った日記
買った時はワクワクして毎日書こうと
意気込んでいたのに
仕事が忙しくなって
気づけば部屋の片隅でホコリを被っている
毎日毎日仕事
日記を買った時のワクワクは仕事には見いだせなくなってしまった
ワクワクしたい
また今日から
気持ちのいい毎日にしたい
忙しさの隙間に癒しを求めて
久しぶりに日記を開いた
日記書くのって面倒いときある、とりあえず、日付だけは書く。
閉ざされた日記
気持ちが落ち込んだ時によく日記のようなものを書いている。
声に出せないから、書き出すしかない。
書き出すのも辛いときはある。
なんでボクってこうなんだ?って。
書きながら涙を流すこともあった。
けど、それを読み返すことはない。
何年も書き続けている日記。
もう何個書いたのだろう。
ノートはもう4冊目。
1、2、3冊目は書いたきり開いていない。
怖いから。
過去の自分に戻りたくないから。
いつか不安がなく、自分に自信がついた時に見よう。
そのために頑張らないと。
前を向いていかないと。
過去の自分を救えるように。
思いついては日記を書いていた。
でも、
面倒になってすぐ辞めちゃう。
しばらく経ってまたやって。
それの繰り返し。
日記帳に書いた。
アプリもいろんなのやった。
再開する度
別のに手を出していた。
久しぶりに見ると
中々面白いタイムカプセル。
今もまた、
新しく日記を書き続けている。
また面倒になって辞めないように、
この書く習慣と一緒に
今日の終わりを記録している。
『閉ざされた日記』
今、友達、俺と茂と大治、洋子と由利で肝試しに行こうと言う事。
俺が運転して、1時間ぐらいかな?
中で女2人はキャーキャー言い、男は
それにのって笑っている。
道路を運転するうちに、お地蔵さまが見えた。また・・・。
そういえば、車と擦れ違う事がなくなった。
「おい、車、見なくなったなったけど、あっ、また、お地蔵さんが・・・」
洋子が、
「なんか面白くなって来たじゃん」
と、言っているのだが。
一応言っておくが、洋子は霊感が強い。
お寺の娘らしいが、普通は幽霊とかだったら「怖い~」だろうが、洋子の場合、幽霊に「よっ!元気?」と言う、ちょっとおかしな女の人。
その話しは横に置いといて。
私は神隠しにあった女。
桜が綺麗だった。
そして、神と出会う。
——ここには、誰もいないね。
もう、信仰してくれる人間も、減ってしまった。
私は天に帰えらねばならん。
そう思った矢先、出会えた最後の人間じゃ。
神として、最期のねがい、かなえたもう。
——誰もいないね。
寂しいのは苦手でのう。賑やかなのが、合ってる。
——じゃあ、賑やかな所へ、神様。
ここは、きっと寂しいから。
私も、寂しいから。
私の為に願ってくれたのか。ありがとう。さようなら。
閉ざされた日記 作者:木枯らし
私の気は枯れたまま。
行かないでと言えず、そのまま。
あの時、どんな気持ちだったのだろうか
分からないなりに、忘れないよう、日記に書いた。
閉ざされた日記の中に、閉ざされた心。
今は、どこの空で誰をみている?
閉ざされた日記
日記を閉ざすとき、臭いものには蓋精神で自分に背を向けてしまう。
自分に向かい合うための日記が、つらいものの集大成になってしまう。
私には日記はまだ早いのかもしれない。
日記で成長できる人になりたい。
僕は昔、日記を毎日書いていた。楽しい、嬉しいと思ったことを綴っていく。いつしかそれが面倒になり、日記は存在を闇に隠していた。そんなある日、部屋の掃除をしていると、埃を被った日記が出てきた。とても懐かしい気持ちになる。開こうと思い、ページに手をかけるが、それは鍵をかけないと開かない設定だった。鍵はとっくの昔になくしていた。この閉ざされた日記には、どんな思いがあるのだろう。いつか鍵をみつけられた時に、この閉ざされた日記を開けよう。そして、これからは鍵なしの日記を買って、毎日書こう。そう思った。
机上に置いてある赤い日記を
開くことはもう無いだろう。
あの日の後悔を、嫉妬を、羨望を、
思い思いに書き殴って、そうして棄てた感情だ。
いつかやさしい記憶になることを願って
開くことなく、置いておく。