『逆光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
奇跡的に撮れた片思いの相手とのツーショット。逆光になっていた。
思い切って頼んだだけにショックが大きい。写真の中の私はそんなことに気が付かず照れ笑いをしている。
ねえ私。逆光になってるからもう一度撮らせてもらいな。
そう念じても時間は戻らない。
あぁあ、どうして一度でもスマホをチェックしなかったのか。
私の中の勇気はもうすっからかんでもう一度お願いする勇気はない。
こう。いい感じの奇跡が起きないか。
何歳になっても変わらない
何歳になっても見えてこない
何歳になっても変わらないんです
あなたの眩しい笑顔だけ みえないのです
あなたが笑うとそれだけで
僕の心は満たされて
見る必要なんてなかったの
あなたが隣を去るまでは
「失って初めて気付く」なんて
滑稽な喜劇にもなりはしない
三文小説にもなりやしない
他人にわかるようなものじゃない
割れたガラスの小瓶には
砂一粒も入ってない
砂は次々風に飛ばされ
追いかけても手は振り払われる
あなたがくれた居場所は
あなたがいなければ居場所じゃない
あなたを失った時から
何十年と時が経ち
あなただけの居場所は
あなた一人ではなくなった
僕は幸せを掴んだの
あなたのいない幸せを
僕は幸せを掴んだの
不完全だと知ってるけど
僕は幸せを掴んだの
あなた以外の人と共に
傲慢な僕にも掴めたの
あなたのいない幸せが
傲慢な僕には掴めないの
あなたが共にいる幸せは
割れたガラスの小瓶には
あなた以外の人の手が触れて
ガラスの小瓶になったんだ
あなたがくれた砂と共に
何歳になっても変わらない
何歳になってもみえてこない
何歳になってもきこえない
あなたのいない幸せでは
何歳になっても気づかない
何歳になっても触れられない
何歳になっても変わらないの
「あなたの笑顔がみえないの」
幾つになったら忘れられる?
幾つになったら傷は癒える?
幾つになったら、、、
「あなたに逢いに、行けるかな」
テーマ「逆光」
連想したもの「とびっきりの笑顔のはずなのに、」
書いてないけど「あなた」が言った言葉
「もし、僕がいなくなっても、絶対に人を嫌わないで。」
「もし、僕がいなくなっても、幸せを掴むことを諦めないで。」
「もし、僕がいなくなっても、どうか僕のことを、わすれないでね。」
君は優しいからわからないんだろう
君は善意でこの言葉を贈ってくれたんだろう
どれもこれも、「僕」の人生にとって
呪いでしかないのに
どちらの意味なのかは、本人から聞いてくださいね
「」さん
私は斜陽で御座います。
最近、憎い人間を
自身の物語の中で殺しました。
夢の中で人を殺めるのと
おなじように、作品を作る私は、
自身が作る物の中に私情を入れこみます。
あやめて、あやめて、あやめて、
そうして居るといつしか、境目が
ぼんやりとしてきてしまって、
さくひんがよく分からなくなりました。
いつもどおりアイツをあやめました。
いつも使っている、赤ボールペンの
インクが漏れたのでしょうか。
私の手は、まさしく現代アートのように
赤く、成り果てていたのでした。
此方はフィクション作品です。
みなさまには、あやめたい程に
憎悪にまみれた物体はありますか?
どんなに憎くて憎くて堪らずとも、
げんじつであやめてはならないのです。
なぜなら、二度と、あやめることが
できなくなりますから。
作品で殺すもうひとりの斜陽のように、
合法的に何度も殺せる方法も探しましょう。
:斜陽のひとこと。
灼けついた光の形に爪立てて残るは熱と黒、黒、黒、黒
(お題:逆光)
せっかくの旅行だからと
写真を撮る
『ッッ、w』
逆光のせいで全く顔が見えない
やっぱり
「あれ?上手く撮れたと思ったのにな」
この人は
昔から
写真が撮るのが下手だなと
思いながら
微笑む彼の表情を
カメラで
パシャリッ
と撮る。
帰り際、君は何て言ったのか。
沈みゆく夕陽が眩しくて、目を細めた。
それでも、君の表情は読み取れなかった。
最後の別れだった。
君とはその日から会うこともなかった。
何て言葉を言おうとしていたのか。
今でも時折、思い出しては君の言葉を探している。
『閃光』
光にからかわれて 私はなんだか気恥ずかしい 後ろを見れば大人の群れが 前には時間を管理する職人一人 どちらへいっても良いのだけれど、まだまだ灰にはなりたくない ふと光の速さについて考える
途方にくれて明日がまた来る
オレたちのような大勢の人前に立ち、歌ったり踊ったりする側の人間をファンは推しと呼ぶ。
ファンは皆口を揃えて「まぶしい」「かっこいい」などと言っている。
だがオレ自身はそうは思わない。眩しいのはオレじゃない。ファンの皆が手に持っているペンライトや、嬉しそうに輝く瞳が眩しいんだ。
オレたちはその光を、その期待を背に掲げているだけなんだ。
だからオレたちが眩しいのではない。オレたちの背にあるものが眩しく見えるだけ、逆光だと顔を直視出来ないだろ?それと同じだ。
推しがそう言い終えると会場は拍手に包まれた。
あぁ、推しは今日も眩しい。
私は目を細めた。
#逆光
いつの日かの記憶。
夕日に照らされた誰か。あれは誰だろう。
あぁ、無理だ。思い出せない。
ただ、あの日があったことは確かに覚えている。でも、あの日があったことと誰かがいたこと。それしか覚えていない。
だから、それはホントに現実だったのか。あまりにも覚えていない為、夢なのではないかと感じる。それぐらいには、きっと古い記憶。
誰が、どんな表情で、なんて声をかけてくれたのか。自分かもしれない、全く知らない人かもしれない。
唯一、鮮明に覚えているのは1つだけ。
誰かの後ろに映る夕日はとても美しかったこと。
_逆光_
逆光。
逆光の
向こうに
ゆうが見えるなら
眩しいのかも。
柔らかい光に
包まれよう。
逆光
「あああ…やっぱり緊張します先輩…。」
舞台袖から見える人の山々。今からあの視線が全て自分たちに向けられると思うと、心臓を吐き出してしまいそうだ。
「弱気なこと言わない!」
「いっ、た!」
バシィッ!と先輩のキツイ一発をくらっても手の震えは止まらない。
「せ、先輩は緊張してないんですか…?」
「してるよ?今にも気絶しそうなくらいにはね〜。」
飄々とした態度で先輩は答える。普段からこんな感じだが、今日に限ってはどうしてそうも楽観的にいられるのだろうか。
「な、何さその目は。信用ないって思ってるだろ。」
「はい、すごく。」
「はぁ〜…君って素直でいい子だけど時々刺してくるよね〜…。」
やや呆れた顔でそう言うが、呆れたいのはこっちの方だ。
「ま、でもさ。」
先輩は向き直って言葉を続ける。
「観客は私たちの緊張した姿を見るためにここに来たわけじゃないんだから、それならばそのご要望に答えてやらなきゃね?」
開演のブザーが鳴り響く。「見てなって。」と言いたげな顔をして、先輩はスタスタと舞台の中心へ歩いていく。
先輩は、逆光を背負っていた。
写真を撮らなくなって何年も経つな、と思った今日のお題。個人的には順光の方がきれいに撮れるからそればっかりだったと思い出す。
「逆光」状態が気にされるのは写真だけじゃなかった記憶がある。実家は化粧品屋をやっていた時期があったから、シーズンごとに新しい色が出て「実際に使うとどうなのか」が試されていた。そんなときによく聞いた言葉が、「そっち座らないでこっちよ。逆光になるから」だった。確かに、化粧は逆光じゃダメだ。屋外の光か、屋内で蛍光灯の下で過ごすのか、あるいは暗めの照明なのか、どんな光の場所が主な活動の場なのかで、適切な色の使い方や顔の描き方が違う。自分で化粧するにしても、誰かの顔に化粧をするにしても、ちゃんと光が当たらないと人肌にのる色のニュアンスを掴めないのだ。新色の研修というとき、そこにいた女性達は仕事でそこにいた。昔だったから、自立心の権化みたいな、綺麗で迫力のある人が多かった。
化粧の魔法じみた視覚効果は、光があってこそのものだ。逆光のとき、暗めのトーンをのせている肌の場所はくすんで見えてしまうし、光の反射を利用して立体的視覚印象を狙ってる場所も「魔法が無効」になってしまう。じゃあ彼女たちは何かの花みたいにいつも光の方を向いていたかというとそうではなかった。ひとりひとり、その雰囲気自体が彼女たちの「綺麗の迫力」の本体だった気がする。順光だろうと、逆光だろうと、「勝負ドコロは化粧じゃない部分」だったんだろう。
逆光のシルエットが表情豊かな写真も多い。遠くからだったり、逆光だったりの写真の方が、物語を色濃く放つ気がする。
高校野球。
県大会、決勝の8回裏。
ツーアウト、1、3塁走者が帰ったら逆転の場面。
バッターボックスには、チーム1の瞬足で、今期4割超えの打者が入った。
チームのアイドルとも言えるムードメーカーの彼は、堂々とした様子で相手ピッチャーに構えた。
スタンドアルプス席は、最高の盛り上がり。
ワクワク、ドキドキが止まらない。
応援のボリュームも熱くなっているのがわかる。
今、どんな顔をして、どんな気持ちで構えているの?
逆光に照らされて、はっきりと見えない。首を伸ばし、踵を上げ、ジャンプして。その姿を焼き付けようとするけれど、うまく見えない。
その瞬間!
きゃぁー!太鼓が鳴り響く。
打った!え?どこ?打球を探す。
天高く吸い込まれるように、得点板の方へと入っていく。
まさかのホームラン!
願った逆転!
女生徒の黄色い声。
私も叫びたい。叫びたいけど、涙で声が出ない。
三塁ベースを踏んで、彼がホームへ戻って来る。
今やっと、誇らしげな彼の表情を捉える事が出来た。
昨夜、電話で、
明日必ずホームラン打つから、絶対見に来て!
と言ってくれた彼の声を重ねていた。
9回表で得点は入らず、試合終了。
優勝おめでとう!
甲子園でも、同じように大活躍してね。ずっと応援しているよ。
青春時代を野球に注いだ彼。
そのわずか3年間が終わりに近づいている。
そばで応援させてくれてありがとう。
私もあなたに出会えて、野球を好きになったよ。
校歌が球場に流れ、彼と初めて会話した日の事を思い出して涙した。
幸せって、こういう事かな。
自分以外の誰か大切な人の努力を応援させてもらえる事。
私をそばに置いてくれてありがとう。
《逆光》
君は誰よりも眩しい存在だ。
太陽のように、遍く全てを照らすような。
だから、その隣にいる僕は誰よりも暗い存在なのだ。
太陽に照らされた、月のように。
君は困っている人がいたら必ず手を差し伸べる。たとえ時間がなくとも、相手がどんな人であったとしても。
見ていてハラハラさせられるけど、君はそんなことまるで気にしていない。
僕なんかの心配を他所に、誰かのヒーローになってしまうのが、君という人だった。
泣いている人がいたら。
何があったの、話したくなったらでいいから、話を聞かせてくれると嬉しいな。
辺りを行き来している人を見たら。
どうしたの、どこかに行こうとしているの、なにか探し物なの、もしよかったら手伝わせてほしい。
怪我をしたら。
痛いよね、大丈夫だよ、手当しようか。
体調を崩している人がいたら。
大丈夫、ゆっくり呼吸して、何かできることあったら言ってね。
そんな風に、息をするように容易く駆け寄って人の役に立とうとする。
そんな君だったから、僕は隣にいられなくなった。
君が眩しすぎて、僕には君の姿が、本当の君が見えなくなっていったんだ。
人見知りで、泣き虫で、気弱で。
怖がりで、どん臭くて、不器用で。
僕が知っている君は、今とは正反対の君だった。
だから、いつの間にかその顔が上手く見れなくなって、声しか聞こえなくなった。
いつも通り、取り繕ったような明るい声。
怒った時だって、誰かの為に怒っていた。
だから、君の心の底からの罵倒など、聞いたことがない。
僕は、幼馴染なのに。
少なくとも幼い頃は君の一番近くにいたのに、僕の記憶の中の君は、ある時から弱音も一切吐かなくなった。
そうして、僕は思うのだ。
君が心の底から笑ったのは、自分の為に怒ったのは、周りを気にせずに過ごせたのは。
ずっとずっと幼い頃だけだったんじゃないか、と。
僕らは幼馴染だけど、それでも、こんなに近くて遠くにいる。
なら、それ以外の友達なんかはなおさら、本当の君の姿を見失っているんじゃないか。
考え出したら切りがない。
それくらい、今の君は眩しすぎる。
なのに、烏滸がましい筈の思いが溢れる。
——君の本当の姿を見付けられるのは、僕だけなんだ。
変に確信めいたその思いだけは、僕という影の中で輝きを放っているようだった。
逆光
「うわこれ逆光だ」
現像した写真を見ると、俺たちの顔は見事に真っ暗で、後ろに写る鳥居の影が地面を覆っていた。
「ほんとだ。フラッシュ焚き忘れてるじゃん」
今まで興味なさそうにソファーでスマホをいじっていた弟が急に後ろから覗き込んだかと思えば、その写真を俺の手から奪い取っていった。
「写真興味なかったんじゃないの?」
「んー。別に興味ないなんて言ってない」
「ふーん」
特に意味のない、ただ間を繋ぐためだけの会話。話は噛み合っているし、決して仲が悪いわけでもない。
それでもきっと、俺たちの光は一生交わることはない。
逆光
ゆっくり登る始めた階段…大きな鳥居をくぐると、何段あるのか判らない長い石段と、木立と澄んだ青空が見える…駐車場にあった案内板には、御祭神や由来や歴史等、色々書いて有り、そんな事を思い出し乍ら、一段一段進めていく…途中途中にちょっと広めの段があり、3つ目の場所で一息ついた…其処からあと半分位はありそうな石段の上に、長い髪の女性が立っていた…今から降りて来るのか、私が今しがた昇ってきた方を見てるように見えた…一瞬、何処かで見たような気がしたけれど、逆光でよく見えない…その瞬間、石段を昇ってきた胸の動悸とは違う、胸の高鳴りを感じて…
地味な男の子
それが第一印象
いつも教室の片隅か図書室で
ひとり静かに本を読んでる
絵にかいたような陰キャ
あたしは、自分で言うのもなんだけど
クラス女子で上から
3~5番目くらいかな
たぶん周りから見たら
上位の女子と男子は
キラキラな青春を送ってる
まぶしい存在
だから
あたしが好きな
よしもとばななを読んでるのをみて
たまには日陰に
あたしが光を届けてあげよう
なんて思って
それ面白いよね
って話しかけてみた
なのに
長い髪のあいだから
あたしを見上げた
あなたの目が
すごくすごく澄んでいて
それは鬱蒼とした森のなかで
木漏れ日みたいにあふれだす光に
とつぜん照らされたようだった
あたしはその瞬間めまいがして
そして何かに、落ちてしまいました
逆光
写真を撮って貰うつもりだった。この時間に。好きな人に。その人は来ない。約束だったのに。
何処にいるんだろう?
心のなかで問いかけてみた。でも、返ってこない。なんで急に居なくなったのだろう。やはり、捨てられたのだろうか。
やっぱりな、だろうと思った。
自分で自分に言い聞かせる事しか出来ない。来ないということは捨てられたとしか考えられない。
恋人ができるとこんな自分も変われる気がした。なんでも、憶測で決めつけてしまう自分が。
でも、無理だった。無理なんだ。一生変われない気がする。こういう所だ。自分でも分かってるのに。
自分で変わろうと思わないと変われないことも分かってる。だから、1人で写真を撮る。撮ることにした。たった1人で。
変わりたいから。
逆光と一緒に写真を撮る。
「ママぁ。上靴どこ?」
「その袋の中に入ってるよ。忘れないで持っていきなさい」
新学期の始業日は慌ただしい。持ち物も多く、両手に大きな袋を下げた娘の背中で、ランドセルが揺れている。
「遅刻しないでね」
玄関で娘を見送ると、依子は軽くこめかみを揉んだ。四十を過ぎたばかりとはいえ、このところ疲れが目立っている。
鏡のなかで、すっと引かれた目頭のシワにため息がでた。
「洗濯物を畳まなくっちゃ」
そう独りごちて、洗濯かごの横に座った。窓から眩しいくらいに日が射している。カーテンを引こうとして、ふいに頭をかすめた出来事があった。
あの日も眩しかった。目がくらむほどに。
私は真っ直ぐ見つめていた。彼の顔を。
彼もこちらを向いていた。夕陽が彼の輪郭を金色に縁取っていく。彼の背中でオレンジ色と金色が混ぜ合わさって、不思議な色味を帯びていた。光が輝けば輝くほど、彼の姿は黒く染まった。まるで昼と夜みたいに。
彼の表情を伺い知ることはできない。
「さようなら」
そう言って私は、その場をあとにした。彼は追わなかった。ただひとつの恋が、当たり前に終わっただけだった。
でも今になって思うのだ。あのとき彼は、どんな表情をしていたのだろう、と。
それを思うとき、私の心は風のない湖面のように凪いでいる。何か感情がうまれるわけではない。ただ時おり、思い出すときがある。
朝食を作る、まだ誰も起きてこない朝。家族がそれぞれ出掛けたあと。スーパーで買い物をしているとき。ひとり、夜に入る湯船。
そんななんでもない日常のなかに、ほのかに蘇る想い出が、私にもある。
カシャッ。
きれいすぎてふと彼女を撮った写真。
スマホには夕日を背に逆光で映る彼女の横顔。
「ねぇ今撮ったでしょ!」
「あ、バレた?笑」
「バレバレだよ!」
「ついきれいだったから」
「ふふ、ありがと!」
また1枚、また1枚って
これからも増えていくんだろうな。、
『逆光』