『街』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
賑やかな街
静かな街
騒がしい街
穏やかな街
誰も居ない街
この街とも明後日でお別れだと思うと、つい感慨にふけってしまう。
毎朝1時間半、ラッシュアワーの電車との戦いの末たどり着くこの会社で、定年を迎えるのだ。
終身雇用という言葉がまだ生きていた時代に就職した。家のローンや子供たちの学費を考え、転職に踏み切ることなく我ながらよく頑張ってきたと思う。
退職後に自分の半生を自費出版する人たちを小ばかにしていた己を反省する。今ならその気持ちがわかる。何か偉大なことをなし遂げたわけではないが、困難を乗り越え完走した達成感が自負になっているのだ。
流行病に関しての外出制限がなくなったとはいえ、まさか部署の何人かで「ささやかな送別会」を開いてくれると聞かされた時は驚いた。俺なんかのために。
…嬉しいじゃないか。
最終日に妻をねぎらう花束の手配もしたし、このデスクの私物もあらかた持ち帰った。
明日の会議には俺は出ないと言ってある。これからの諸君にかかっている。頑張れよ。
この街の減ってしまったネオンともおさらばだ。
俺は今夜の送別会で、とことん飲むことにした。
お題「街」
街…
正常な 清浄な地は 街となる
脈絡のない 光はきらい
街
帰り道
キリが悪いと立ち止まり
駅の灯りで本を読む姿
レンギョウと雪柳の坂道で
腰掛けこちらに微笑む姿
だだっ広い緑の公園を
家族でゆるりと散歩した想い出
あちらこちらで目に浮かぶ
もう今は亡き父の姿
まだ見ていたい
この街で
街
実家は田舎だ。山に住んでいる。子供の頃、レジャーや大きな買い物の時は、車で街まで行っていた。
今は新しくバイパス道路ができたおかげで、街までだいぶ早く行けるようになったが、子供の頃はほぼ決まった道を行くしかなかった。
その古い道路が都市部に入ろうかという辺りに、橋がある。そしてそれを渡ったところに精肉工場があるのだが、ここがちょっとした関門だった。
匂いだ。橋を渡り始めてすぐ、猛烈な生臭い匂いが漂ってきていた。血と肉の匂い、というのだろうか、通り過ぎるまで息を止めようと思うほどの生々しい匂い。匂いだけでも子供の僕には苦悶だったのだが、それに輪をかけて、視覚からも責められた。
橋には、5メートルほどの間隔でアーチ状の街灯が並んでいたのだが、そこにカラスの群れが止まっていたのだ。匂いにつられて来たのだろう、と両親が話すのを聞いて、カラスは怖い鳥だ、と子どもの僕は思い込んだ。
匂いとカラスの恐怖に耐え、街での楽しい時間を過ごす。食事してカラオケをして買い物をして。
あ、でも帰りも通るのだ、とふと思い出しては憂鬱になる。そんな子ども時代の思い出。
街
街は明るい。
夜になっても電灯があるから明るい。
夜も好きになる。
元々は小さな町だった。私はその小さな町で町長をしていた。
住民は「いつもありがとう」と、作った米や野菜を差し入れてくれたりしていた。とてもいい町だった。
でも、人が少なかった。若者はどんどん都会へ出てしまう。このままではこの町がなくなってしまうかもしれない……。
私は手始めに大型商業施設を建設した。有名なお店や映画館も入っている。
若者はそこに集まって遊ぶようになり、大人達もみんなそこで買い物をするようになった。
次に新しく観光地を作った。多くの人が楽しめるような、次世代型の施設。観光客も増えてきた。
そんな形で、いろいろな物を作り、新しくしていくと、少しずつ外からも人が入るようになった。これで町はなくならないだろう。
ただ、昔からあった商店街は、新しいものに客を奪われ、廃れていった。
気付けば、小さな町は大きな街になっていた。私の懐も潤っていた。
でも、もう誰も自分のところで作った米や野菜を差し入れたりはしない。
私が好きだった小さな町は、もうなくなっていたのだ。
『街』
街
新しい街にいても、実家の方が街って言われたら思い浮かぶかもしれない。もっと新しい街にいたら、街って言われてもしっくり来るのかな?
_街
夕暮れ時から歩けば
空っぽな心を埋めてくれる気がしたんだ。
今夜も街を彷徨いて
ネオンにでも染まってしまおうか。
久々に生まれ育った古里に帰ってきたら街並みがすっかり変わっていた。見慣れていたはずの街並み。物足りなさを感じて離れようと決心したはずの街並み。戸惑っている私とは裏腹に周りは皆飄々としている。街に忘れられてしまったみたいで、妙に悲しい気持ちになった。いや、今まで忘れていたのは私の方だったのかもしれない。
ごめんね。ただいま。
街といっても僕にとってそれは都会じゃない。
東京は区切れなく続いている。
どこからどこが街という個性かわからない。
僕にとって街とは、
子供の時ママと暮らした場所、
初めて彼女とセックスできた時、住んでた場所、
出かけて思いでに残った場所、
そういう場所を街として思い出に格納している。
街
久しぶりに目を覚ました。
変わり果てたそれは、跡形がなかった。
僕は崩れ始めた。
呼吸が上手く出来なくなった。
この街の空気は僕には合わない。
涅色のような空気は肺を痛めた。
空気が行き漂わないこの世界は臭い。
いや、臭いのは外の世界では無い。
臭いのは僕自身なのかもしれない。
1枚、また1枚と鱗が崩れていく。
最期は鉄臭く、僕の肺を痛めるものと良い相性になる。
誰か救ってはくれないだろうか。
僕を救う聖水をこの鱗に一滴垂らしてはくれないだろうか。
街は僕がいなければ完成しなかった。
#05
街
各務原市に住んでもう、40年近く経つ
すっかり、この街に根を生やしたね
住めば都と言うけれど、本当だ
たまに不動産を見る、良い物件があるけれどいざ引っ越しと考えると悩むね
この家売って迄、代われないな
街中だけれど、ご近所さんが少ない
周りはアパートに空き地、前は草ぼうぼうだけれど、緑一杯ですね
この土地はたかし君達に面倒見てもらおう 東西に長いので、家2軒も建つことも
可能ね 少しずつ、手を加えて行こう
新しく、西に車庫も出来たね
知らない街で知らない視線だらけに嫌気がさし
睨み返したのが
僕のほんの少しの勇気
街に訪れ
人が多い
めまいがする
まだ無理だ
昔の友達置いて
街に移った
今、あの子は何をしているのだろう
こんな街には
長くはいられない
どこに行っても
あなたとの思い出が
ありすぎて
ボクは友達と歩いていると、友達とはぐれてしまった。ボクは泣きながら街を歩いていると、路地裏を抜けた先に賑やかな街並みが現れた。
そこは妖怪の街らしく、最初は怖かったが、妖怪のみんなは優しく、ボクにオモチャやお菓子を与えてくれた。
ボクは何日も妖怪の街で遊んだ後に気がついた。
「そろそろ帰らなきゃ」
しかし、妖怪のみんなは言った。
「君をイジメる親、友達、学校の元になんて戻る必要はないよ。それにね、大人になったら、今度は社会が君をイジメるんだよ? 悪意のない善意で君をイジメるんだよ? そんな怖い人間社会なんて見捨てて、ここで一生過ごそうよ。それにね」
と、妖怪のみんなが、ボクの顔を一斉に指さして口を釣り上げた。
「君はもう人間じゃないんだから」
こうして、ボクは妖怪として、妖怪の街で一生楽しく過ごすのでした。
「街って好きかい?」
男は私に聞いてきた。でも、この男に答える義務はない。だから私は無視をした。でもあまりにもしつこく聞いてくるものなので、「ええ、好きだと思いますよ。」と答えたら男は「変な答え方だな。」と言った
でもこんな無駄話してる場合ではない。
私はこの罪人に話を聞き少しでも物語のインスピレーションをもらいたかから。そう思っていたら罪人は口を開いて話した。
「俺は街は好きだ。」
「そう、じゃあどうして教会を爆破したのかしら?」
「それは、あそこが悪いんだよ。」
「どこが悪いの?みんなに崇められているこの世界の女神がいる教会よ。」
「そもそも、俺は教会が嫌いだ。女神もだ。」
「だから爆破したの。どうして嫌いになったの?」
「それはあいつらが、娘と妻が病に侵された時...」
「そこで何があったの」
「教会の人たちが、『平民に高貴な力は使いたくない』と言われても諦めきれずお願いしてもダメで、そして妻と娘は亡くなりました。」
「それで嫌いになって爆破と」
「いいえ、私だけじゃない他の奴らもそうだよ。」
なるほど、似たような悩みを持ってる同士で教会を爆破したのね。中々どうして爆破した理由も素敵ね。家族が見殺しにされた場所だから爆破。
私は、席を立ち「ありがとう」とだけ言って去った。
私はこうして良く罪人の話を聞いて物語を書く。
大体、劇的じゃないけど、まあそこは私の腕次第で劇的にもなるし、ならないしみたいだけどでも今日は余り足さなくてもいいかもしれない。
そうして私は家に帰り物語を描き本屋に持って行った
そう、その本の名前は
『罪人になった理由』
「街」
私は一つの小さな村にすんでいる普通の女子中学生だ。私は一度も村のそとに出たことがないが、大好きな家族と大切な友人たちがいればそんなこときにすることはなかった。
ある日、近所のお姉さんがどろどろになって死んでいるのが見つかった。私はあまり関係ないと思っていたが、どんどんいろんな人が変な死にかたをして見っかっている私は心配になって原因を探すことにした.だかなにも見つからないまま時が過ぎた。
~1ヶ月後~
私は古ぼけたほこらを見つけた。そこから手紙が置いてあることに気づいた。手紙を開けてみると
「未来のこの村のものたちへ、この村はとある怪物のはらのなかだこの村にいるものは逃げれるなら逃げてくれ.そうだ、この怪物の名をここに書いておく.怪物の名は『街』だ」