『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
我儘を言いすぎて消えていった貴方、今日まで関わってくれた人達との縁が切れる、そんなことを思いながら出会った当初から考えていた。
今そばにいてくれてる人を大事にできない。
そんな私を許してほしい。
悲しむってわかっているのに自分を大事にできない私を許して欲しい。
こんな私を許して欲しい。劣等感だらけの私を許して欲しい
人を羨んで憎んで生きている今を、若さを台無しにしている自分を、汚い心情のまま今を生きている自分を許して欲しい
「ねぇ、行かないで」
私は眠い目を擦りながら女性の裾を掴んだ
「、、、すぐに帰って来るから」
しかしその声とは逆に彼女の口どりは重かった
「本当❗えっとね、帰ってきたらね遊園地に行きたいの」
「早く帰ってきてね、ママ❗」
「行ってらっしゃいー」
母の後ろ姿なんて覚えていない
もう既に思い出したくもない
「ママ、遅いなぁー」
あの頃の私がバカみたい
カレンダーいっぱいに描かれた赤い丸
床に散りばめられた七色のクレヨンと紙
ごみが溜まりにたまった部屋に
ポツンとアルバムが一つ
帰ってくると信じてた
いつか「ごめんね」ってギュット抱き締めてくれるって信じてた
そしていつか「大好き」ってずっと一緒にいてくれることを願ってた
いつかいつかぁ「愛してる」って「世界一大好きよ」って、もうどこにも行かないって誓ってくれると思ってた。
だから昔は思ってた
私が悪い子だから帰ってこないんだって
どうやったら帰ってきてくれる?お母さん
「ねぇ、愛香あんたってシングルマザー?」
「うん、そうだよ、昔色々あってさ」
「まぁ、今はまだお母さん帰って来ないけど」
私は、昔を思いながら苦笑いをした
「えっ、それってやばくない?男のところに逃げたとか、、、、」
「どうして?」
「えっ?」
「だって親は子を愛するのが普通でしょ?」
それが全力の嘘だったのかもしれない
彼女が笑ったその笑みにはどことなく悲しく、むなしく、残酷だった。
行かないで
行かないでと私が引き留めたあなたの手は、戸惑いに揺れたのち私の手をぎゅっと握る。
その不器用で優しい手とは裏腹に案外冷たい。
そのことに気づいたのはもっと早かったはずなのに。
気づかないふりをしたのは私。
コメ欄にあった
『マラソン説』
とても好きでした。
ボカロ「いかないで」
過ぎていく日々
おぼろげに、でも鮮明に
あなたとの思い出をめぐる
もうなにも新しいものは生まれない
あなたがこの世を去ってしまってからは
もうなにも欲しいと思わなくなった
あなたとの思い出だけで生きていく
これ以上大切なものは
この手のひらに抱えない
だから、お願い
いつでも思い出すから
いつも想ってるから
わたしを置いて行かないで
あなた一人で
果てしなく遠いところに
◇いかないで◇
行かないで
もう少しだけ
ここにいて
あなたの瞳に
私を入れて
ふと、前を歩く友人の後ろ姿を見る。その背中は、初めて会ったときに比べると随分と小さくなっているような気がした。
もし何か大事があったとき、目の前の優しい心の持ち主は私を頼ってくれるのだろうか?
きっと心配させないように最期まで隠し通すのだろう。そして誰にも見つからない場所でそっと眠るのだろう。それが最善策だと信じて。
けどそんな終わり方は私が許さない。手を差し伸べられたあの日から、私はこの人と共に歩くと決めたのだ。
「ねえ、行かないでよ」
随分と前に行ってしまった背中に呼びかける。
「大丈夫。ボクは何処にも行かないよ」
そう振り返って笑いかける友人は少し寂しげで、やはり何処か遠くへ行ってしまうような気がした。
私は友人に追いつくと、遠くに行かないようにその袖を強く握り締めた。
【行かないで】🎼
【行かないで】
行かないでなんて言えなかった
言ったら君を困らせてしまう事は容易に想像出来たからだ
だけど
行かないで・・・
ほしかったなぁ
2月、あなたに恋をした。名前も知らない一目惚れだった。
4月、新しい教室に入ると風の噂で理系だと聞いたあなたが後ろの席にいた。
5月、あなたの隣にいるために必死に話しかけた。
7月、あなたから好きな人ができたと相談された。私の親友だった。
10月、フラれたと聞き慰めるふりをして喜んだ。
2月、0時ぴったりに送られたあなたからの「17歳おめでとう」
3月、強がりで言った「お前と別のクラスがいい」
4月、照れ隠しの「またお前が後ろとか最悪」
5月、彼女ができたときいた。あなた好みの年下の可愛い子だった。
10月、志望校が東京だと知った。不純だが私も東京への進学を決めた。
1月、彼女と別れたと聞いた。そして志望校が大阪になったことを知った。
2月、今年も誰よりも早く送ってくる「おめでとう」と机に置かれた不器用なプレゼントに頬が緩んだ。
3月、今日が終わったら私は東京へ、あなたは大阪へ行く。
いつも通り「ばいばい」と告げ反対方向に歩き出す。
明日になればまた会えるような気がした。
校門をくぐった瞬間になるスマホ。画面に映るのはあなたの名前。
「お前がいてくれてよかったお前のことが好きでした」
振り返っても君はもういなかった。
言うはずじゃなかった。言わないでおきたかった。言ったってどうにもならないことを分かっていた。
でも、口を塞ぐ前に、言葉が飛び出していた。
「——……」
最初で最後の、僕からきみへのわがままだった。
「待ってたぜ」
俺と翔也はそびえ立つ固い城門の前で期待と緊張に震えながら王城を見つめていた。翔也は自分を落ち着かせるように下を向いたあと呟いた。
「夢みたいだな」
「...そうだな。初めてあった日のこと覚えてるか」
「ああ」
俺と翔也は生まれてからずっと一緒に育ち同じ夢である聖騎士を目指して修業を続けてきた。
行かないで #2
「行かないで」
あの日、本当は、そう言いたかったのでしょう。
けれど貴方は「好きなようにすればいい」と大きな手で私の背中を押してくれた。
今日まで、私は自分の背中にある羽が、貴方がくれたものだということをすっかり忘れてしまっていました。
私は貴方のように、そっと手を離すことはできないようです。
「お願いだから、どうか、行かないで」
私の手の温もりを、貴方に分けることはもう叶わないのでしょうか。
みんな、それぞれの道を行くから。
バイバイと手を振って、私も選んだ道を行く。
悩みながら迷いながら、一歩一歩慎重に進んで。
私の望んだ未来を掴み取るために。
いつか、みんなに会ったときに誇れるように。
私は、こんなに頑張ったよ、と。
だから、バイバイ。
そう言って、追い縋る君の手を振り払った。
テーマ「行かないで」
ねえ、待ってよ。
もう少し、歩くスピードを緩めてよ。ううん、いっそ止まってよ。
私、出会ったときからあなたのこと好きだったんだよ。
年の差のせいで妹ポジションのまま動かないって何度もあなたから現実を突きつけられてきたけど、未来はわからないって、願い続ければいつか絶対叶う、叶えてみせるって自分を励まして、今まで進み続けてきたんだよ。
私の好きって言葉に、変わらない笑顔を向けてくれていたけど、実は少しでも動揺してくれたかなって期待して。
彼女ができたと知ったら、毎日「別れますように」「私が一番あなたにふさわしい相手だよ」って祈り続けて。
もちろん彼に会うたび、私を一人の女として見てもらえるように努力して。
エトセトラ、エトセトラ。
私が思いつく限りの手を尽くしてきたつもりだった。
ねえ、私、あなたしか知らないの。
あなた以外の素敵な人、一生を添い遂げたい人、知らないの。
脇目もふらずに、あなたを追いかけ続けたんだよ。
私以外の人と結婚間近なんてうそでしょう?
いつの間に、そんな相手を。
すぐに、あなたの目を醒ましてあげるから。
だから、私が追いつくまで待っていて。
置いて、いかないで。
お題:行かないで
そう叫んだって、泣いたって、どうにもならないことはわかっている。
だから細い声で呻くように呟いた。
聞こえても、無意味だから。
聞こえなくても、届くから。
「行かないで」
女の柔い手が俺の袖に触れている。いつもなら掛けられているはずの、お気をつけて、が聞こえない。
昨日の夜、青い顔をしたこの女を見た。
同僚と今日の段取りをつけていて、部屋の戸のすぐ外に立っている者の気配に気付かなかった。
慣れきっていた。この女に。
息を呑む微かな音に勢い良く戸を開けると、驚いた女は持っていた盆を落として尻餅をついた。湯呑みが二つ、廊下に転がる。
『こりゃ、すまんなあ。』
火傷はしとらんか?と、背中から同僚の声がする。女はいつになくか細い声で、はい、とだけ答えると湯呑みを拾って去っていった。
『手くらい握ってやれば良いものを。』
同僚のニヤついた顔に歯噛みする。この野郎、気付いていやがったな。俺が帰らなかった場合のなしをつけている時、よりによってあいつが聞いていたのを。
話していたのは念のため。死ぬつもりなど更々無い。
とは言え危険な仕事には違いなく、あいつに掛ける言葉は見つからなかった。その後、あいつはもう来なかった。
それから夜が明けてまた暮れるまで、いつもなら聞こえてくる女の明るい声は無かった。そしていざ例の仕事に出掛けようという時になって、女は俺の背に縋っている。
大丈夫。心配無用。俺が死ぬと思うか?…どれも違う。
俺が言いたいのは、お前が聞きたいのは?
俺の身を案じて泣く女に何て言ってやりゃあ良い?
手くらい握ってやれば、という声が蘇る。うるせえ、誰のせいだと思いながら、振り向いて女の肩を引き寄せた。
『うまい煮付けが食いたい。』
思い付く限り一番ましな……柄にもないが、願掛けだ。
いつものように飯を作れ。
いつものように、俺が帰るように。
【行かないで】
行くなよ…
その一言が言えなくて
ここまで出てるのに
言えないから…
切なくて苦しくて…
行かないで…
そんな言葉を待ってる男は…
そんな俺は
俺も嫌いなくせに
行くなよ…
たった4文字が言えなくて…
寝れない夜…
想うと言葉がうかんできては
切なくて苦しくて
今夜も会いたくて会えなくて
会いたくなって
胸が痛くて切なくて…
「行かないで」
あなたを引き止められたなら、こんな思いせずに済んだのでしょうか。
でも、思うのです。きっとあなたは、私が引き留めようとしたとて、遅かれ早かれ遠くへ行ってしまったでしょうね。だから同じこと。変わらなかった未来だと。そう、思うのです。
これは負け惜しみ。たったひとことが伝えられなかった私の、情けない私の、今もあなたを想ってしまう私の、負け惜しみ。
『行かないで』
「行かないで」と小さく呟いた声は、狭い部屋、反響もせずにとけていった。
行かないで…が全然思い付かない。
行かないでの引き出しが全然ない。
こりゃ困ったぞ…どんどん時間だけが過ぎて行く。
いや、待って。時間よ止まれ!
行かないで~!
paki