『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
行かないで
あの景色 あの匂い あの音 あの時の君
私の記憶から消えて行かないで
あの頃のままで居て
行かないで…
逝かないで…と、言えない。
私はこの文言を見たり聞いたりすると、人生の旅路というものを思ってしまう。誰の旅路も、その人自身のものだ。もちろん、離れるのは寂しいし、自分自身の暮らしの風景が変わることにも怖さを感じたりする。
でも、引き留めることに躊躇する。旅路の自由意志は敬うべきものだと思うからだ。
これがもし、自死しようとしているとかなら、生きる選択肢を見つけてくれるようにあれこれと手を尽くす。その場合、問題の核心は「心のいたみ」だからだ。癒やす必要が目の前にあるなら、それが最優先事項だ。
また、今の時代には無いけれど、大切な人が戦争に取られるなどという場合なら、「行かないでほしい」とベソかきながら表現するだろう。鼻水垂らして汚く泣きながら、「そんな現実なんか受け入れたくない」と、相手を困らせるくらいゴネるかもしれない。
でも、その人なりに人生をせいいっぱい生きた果ての病の終わりだとか、新しく自分らしく生きてゆくために離れてゆくような場合なら、「寂しいからまだ居てくれ、行かないで」と言えない。私もせいいっぱいに「善かれ」と自分に言い聞かせて、「よき旅路を」と送り出すしかできない気がするのだ。
でも、胸の内には必ず響いてしまう。
「行かないで」
「逝かないで」と。
私はぺーぺーの甘ったれでもあるのだ、多分。
お願いだから、どこにも行かないで。
見捨てないで。
嫌いにならないで。
お願い。
ただ、そばに居て。
行かないで #6
行かないで 別れを惜しむ 心の声
行かないで
歩き出した君の背中に抱きついた…だって、ずっとずっと君と二人で、生きていきたいから…出逢って間もないけれど、私にはもう、君と離れるのは、一秒でも嫌だから…君の温もりと優しさ無しに、生きていけないよ…だから、せめてもう少しだけ、この儘一緒に居て欲しい…ついこの間まで知らずにいたこの想い…明日も逢えると知ってるけれど、この夜の帳が余りに切なくて…
行かないで
お母さん行かないで。
とっさに目が覚めた。
夢だったのかと呟く。
正夢なのか、そんなことを思った。
行かないで
伸ばした手は届かず
足はもつれて動けない
どんなに子供のように泣きじゃくったって
振り向いてすらくれなくて
貴方にとって
私のこの言葉がどれだけ残酷か
わかっている
だけど
私にとっては
貴方を失うことがどれほど苦しいか
貴方もきっと理解している
だからこそ
貴方は私の言葉に耳を貸さず
振り切るように
断ち切るように
行ってしまう
まだあたしだった頃の私を拾いに来た。
実際の風景と、ずっと持っていた風景にはズレがあって、上手くはまらない。なんとかはまった部分は盛り上がって、そこだけ異世界のようだ。目眩がする。行き交う人達が、双子にも、三つ子にも見える。
それでもなんとか、商店街の端に、空き地の中心に、歩道橋の上に、あたしを見つけた。
あたしはなんだか不安そうで、暇そうで、そして俯いて何かを探している。
何を探していたんだっけ。
どこのあたしも、ひとしきり探したら、走ってどこかへ行ってしまった。
最後のあたしを見つけた時、それはすっかり女の子で、制服なんか着て、お友達と同じように笑っていた。もう俯いて何かを探してはいなかった。
夕陽を背負い、かつての家路を行く。数歩離れて私も歩く。もうすっかり風景とのズレは無くなって、世界は終わろうとしているのに、こんなにも鮮明。
あたしが少し振り返った。驚いて立ち止まった時、目の前を電車が駆け抜けた。
「 。」
ふいに出た言葉は喉奥で消え、視界が抜けた踏切の向こうに、もうあたしはいない。
世界は遮断され、風景の線は単一になる。
見つけたのかしら。それとも
見つかったのかしら。
足元を見ながら、自宅に帰る。
いつの間にかすっかりの夜。歩き慣れ始めた道。俯いてはいるが、何かを探しているわけじゃない。
…拾い忘れたものがあったような。
ガード下を通る。電車は頭上を行く。世界は並行して在る。
少しずつ、落として、置いていく。
またね。
(行かないで)
学校に行ってない。
今日もDMはきていない。友情が薄れていくと感じている毎日。学校に味方は居ない。
ネガティブ思考全開。
来ないのかと心配するくせに、遊びに誘ったら他の子を理由にされる。
「優しくしてたと思ったんだけどな。」見返りを求めている訳ではないが考えてしまう。
毎日DMしてくれていた彼も気まづい関係になった。きっと好きな人が変わっていったからだ。
話したい人がいるが、学校に行かないと会えない。
自分が頑張ればいいのだが面倒なことを思われそうなので。
世の中に私の味方は居るのだろうか
ちょっとした軽い言葉でも重く感じる私。
嫌なことをされたらずっと心を閉ざしてしまう私。
何事も全力で楽しめない私。
雑談力のない私。
リアクション下手な私。
素直になれない私。
私のことが嫌いな私。
私は必要なのだろうか。
『面白いね』『一緒にできて楽しかった』『映画見に行かない?』『大丈夫じゃないでしょ』
『行かないで』
言われてみたいものだ。
その背中を追いかけることなどもうできはしない。
私を過去にして進む君に、私は枷にしかならないから…。
できることならば君の隣を歩いていたかった。広いこの世界の中で、数多い人々の中で、折り重なった想いがあったというのに。確かに君と心から笑いあった瞬間があったというのに。
私は、君を一番にはできなかった…。
大切だった。
好きだった。
愛していた。
だけどそれ以上に、私はどうしても【あの人】を忘れることはできなかった。
「行かないで」
なんて言う資格が私にはない。
もとより私自身が、過去から一歩も動いていなかったのだから。
【行かないで】
行かないで
ねぇ、どこにも行かないで。
僕を置いてきぼりにしないでよ…
なんで僕ばっかり置いてきぼりにするの?
僕は邪魔なの?ねぇ、お願いだから…
話聞いてよ…
終わり
#行かないで
彼女はどことなく
『あの子』に似ている-
『あの子』といると
時計の針が動き出す
ぽっかり空いた心の穴の
歯車がぴったり
はまったみたい
彼女といると
時計の針が狂ってしまう
ぽっかり空いた心の穴に
歯車がずれて
はまったみたい
あぁ、足掻いても変わらないんだ。
行かないで-
嘆いたって戻らないんだ。
いつも自分に素直になれない
行かないでの簡単な一言も言えなかった
「行かないで」
あ、行っちゃう。
そう思った時にはもう遅くて。
自分を伝える言葉はあるのに声が出なくて。
追いかける足はあるのに一歩も動かせなくて。
いつも気付くのが遅くて、
結局自分の願いは言えないままで。
そんな自分が、嫌いだ。
『はなればなれ』
一人の帰道は心悲しい 消えかかった街路樹の灯り
点滅するたび 胸を打つ できれば今、雨が降って欲しい 大雨でもかまわないから 雨が降って欲しい
躯が濡れて 髪が乱れても 気持ちは一向に変わらなかった 心よ、どうかはなればなれにならないで
「行かないで」
あなたは
行かないで
とは言わなかった。
ただ あとになって
あの時はつらかった
とだけ言った。
でも
その時に私も泣いたことは
ひみつ。
「行かないで」
【行かないで】
足は動かないのに、翼が生えたから天に行っちゃう。
「行かないで」
言ってしまった。
言わないつもりだったのに。言ったところでどうすることもできないのに。
ちらりと盗み見る。暗がりの中、困るでも喜ぶでもなく私を見ている
「……聞かなかったことにして」
「君はどうしたい」
君の視線から逃げるように俯いた。もう諦めなければと踵を返すより先、君が問いかけた。
どう。
叶うのなら行かないでほしい。引き止めたい。
「行かないでほしい……」
「それは聞いた。そこからどうするかだ」
もう一度口にする。そうではなかったらしい。
訳がわからないまま一度顔をあげる。
その視界には君の右手が招くように差し出されていた。
「さあ、君はどうしたい」
ねぇ、まだ行かないで
空を飛んでいる美しい一羽の鳥にむけて言う
この鳥とは自分が小さい時から時々会っていた。
人見知りの私にはその鳥だけが話し相手でもあり、友達だった。
だが鳥は、季節が変わると長い旅をしなければいけない。
毎年この時が来るけれどたった一人の友達がいなくなってしまうのはやっぱり悲しい
私をおいて 『行かないで』 鳥さん
(たった一人のお友達)
寂しいって言葉よりも
お似合いって言葉が似合うかな
桜の咲いた日に君は
またねって声をかけた
つくづく関心してしまうよ
人が良い君のこと
春過ぎて夏がやってきて
暑いからと先延ばし
たまに見かけるけれど
楽しそうでなによりです
秋肌寒い季節に 思い出す君の姿
冬になったら会えるかな
寂しいって思わなくなったときは
僕から連絡をしよう
君1人につきひとりなんて
そんなもんじゃないことは
分かってる
でも大部分を
誰に使うのか誰のために充てるのか
わかっているから なにもしないよ
流されて 君を見て
よかったなにも思わないじゃないかって
ほっと胸を撫で下ろすのに
会えない分溜まるこの気持ちは
いったいなんなんだろう
もし君が もし僕の
なんてくだらない妄想したこともう忘れて
なんだ、
簡単じゃないか
君に会いたい
行かないで