『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
行かないで
あの人との会話が
ちくりと胸に刺さったまま
もう何も考えることもできなくなってしまった
あの人はなぜ、私の前から消えてしまったの……?
”行かないで”
ピンポーン
「はーい」
誰だろう。こんな時間に。
私は玄関のドアを開けた。
そこにいたのは大好きな彼だった。
彼は暗い顔をしていた。
「急にどうしたの?なんかあった?」
そう私が聞いても彼は何も言わない。
「上がる?お茶でものむ?」
そう聞くと彼は
「別れよう」
そう言った。私は一瞬何を言われたのか分からなかった。時間が止まったように感じた。私は何も聞かなかったように
「外寒かったでしょ。早く上がりなよ。緑茶でいい?」
と早口で言った。彼が言った言葉を信じたくなかった。
すると彼は
「ごめん、もう終わりにしたいんだ。分かってくれ。」
と言った。訳がわからない。あんなに好きだと言ってくれたのに。私しかいないと、ずっとそばにいると言ったのに。私と結婚したいと言ったのに。おばあちゃんおじいちゃんになるまで一緒にいようと言ったのに。
「どうして?私の事好きじゃないの?他の女の子と遊んでもいいよ。最後に私のとこに戻ってきてくれたらいいから。ね?見て見ぬふりするから。だからお願い、別れようなんて言わないで。私は貴方のそばにいれたらそれでいいから、私には貴方しかいないの。」
「ごめん。」
彼はそう言って出ていった。
行かないで。
涙を流しながら
そう呟いた時には彼は部屋にいなかった。
『行かないで』
シャツの裾を
つかもうとしたけれど
あなたをひきとめることは
できないってわかってた
右手はちからなく落ち
言葉にならない
「行かないで」
行かないで
私を置いて行かないで。
貴方と居ることで
私は幸せになれるのに。
神様がいじわるだから
私たちは運命じゃないみたい。
それでもどうか私の隣に居てください。
待って…
畳の匂いと
セミの鳴き声
兄のシャツを掴むと
汗の臭い
あたしもアイス欲しい
一緒行こう
待ってって
置いて行かないで
#行かないで
巻かれた栗色の髪はいつも艶めき、落ち着きのないくせにふわふわと揺れる危ないスカートを好む、トイプードルのように騒がしく無邪気な彼女。
感情を顔や声に出すのが苦手で、人間という物を理解できなかった、いわば人間もどきである俺の、唯一の理解者だった彼女。
いつもいつも笑顔で、どんな文章を書いても、決してそれと俺を否定しなかった、人間のくせに優しすぎた彼女。
雨の夜、ただ夜道を女一人で歩いていたというだけで、悪意ある人間に追いかけ回され、このマンションの手前でぐっさりと刺された不憫な彼女。
俺の目の前で、遠く、遠くへ行って、もう二度と、帰ってこない彼女。
冷たい、冷たい、彼女。
……何故?何故俺は、一緒に行かなかった。たかが近所のコンビニ、だったら共に行っても良かったじゃないか。それか、雨だし暗いから。そんな感じの言い訳で、引き留めていれば良かったのか?
通り雨が衣服を濡らしていくのにも構わず、俺はベランダからあの道路を見下ろし、一人過去の幻想を描いていた。
行かないで
遠ざかる景色に憂鬱を感じる。
過ぎ去って行くものに示す感情は無意味か。
故郷への郷愁も記憶の中の貴方さえも、遠ざかって行く。
痛みや慈しみも、悲しみや怒りも。
もはや朧気な思い出と成り果てた。
行くなと言えば良いのか、
それも無意味と知っていた。
口遊むのは別れ唄、別れは駅の車窓にて。
#行かないで
Blut auf Glas
透き通る器
秤に掛け
朱雫流し 刻み廻り
虚像との残像…
孤高を纏い
裂いた聲
叶わぬ望み
哀しげな薄笑み
足跡が傷み
想い馳せ
届かぬ祈り
色褪せてく陽炎
「在ルベキ 其ノ願イ…」
透き通る器
秤に掛け
朱雫流し 刻み廻り
虚像との残像…
儚げに煌き
瞳に映し
瞼閉じて 描き彩り
虚像との幻像…
「静カニ破片ハ…」
数年経ったのに
あの時の自分の言葉が、時々脳内を乱反射する
「行かないで」
何度唱えても、彼女の足を止める事は出来なかった
むしろ、速度は速まるばかり
同時に、身体は震え、息を乱す音すら聞こえる
それに気づいた瞬間、怖くなった
彼女の顔を見る勇気が、自信がなくなった
僕は卑怯者だ、呼び止めておきながら
それを受け止める覚悟がなかった
あの時、それでも呼び止めていたら…
金木犀を眺める、最後に一緒に眺めた花
香りが、陶酔を呼び込む
今日、小学校時代からの付き合いの友が遠くへ引っ越してしまう。
遊んでいたらもうこんな時間。
私は帰らなきゃだし、友達は駅に行かないといけない。
もう会えないかもしれないんだ。
友達が別れを告げようとしたところを割り込んで、駅まで一緒に行くことを告げた。
友達は泣きながらありがとう、と感謝の言葉を発していた
友達のご両親と合流して、電車に乗った友達。
ドアが締まる直前で
「こんな私とずっと遊んでくれて、友達になってくれてありがとう。」
と涙を頬に伝わらせながらこちらに微笑んでいた
泣かないでよ。
そんな事言わないで。
私まで泣いちゃう。
止めたくなっちゃう。
本当は行ってほしくなんかない。
ずっとこっちにいて欲しい。
行かないで。
そんな私の願いは、電車の音と共に消えていった
行かないで
嫌いなものは終電前のスマートフォン
まるで糸切りばさみのように
私達は分かれさせられる
必ずまた同じ場所に帰ると
信じて何も言わない
言えない。最後まで。
言えなかった「行かないで」
本当の自分を知られたら
もしもう嫌気がさしてたら
声が聞けない期間がつづいたら
会えない日が長かったら
冷めてやっぱり。。と思われるのではないか、と
考える。
めんどくさい人にはなりたくない。
けど。
どこへも行かないで。
行かないで
5歳年下の友人
独身、ネコ1匹と一人暮らしをしている
バイクに車、模型作り、暇つぶしの趣味は
一通りやった
このまま気楽に独身生活を続けて行くもの
と思っていた
ある日、突然宣言する
永遠のパートナーを探しに行くと
行かないで!と叫びたかったが
友人のしあわせを願うと言えなかった
がんばって! 健闘を祈る
そんな気持ちで送り出した
40歳、独身男の決断は間違っていなかった
後、家もファミリーも手に入れ
あの、寂しい部屋にいた暮らしから
羽ばたくことに成功した
行かないで!あなたを追いかけたいから。いかないで!あなたと一緒に行きたいから
「行かないで」
人間の本当に苦しい時に言えない言葉は、
「助けて」と、
「行かないで」なのだろう。
言えば良かった、
まだ話してたいって
言えればよかった、
まだ通話切りたくないって
あの時正直に言えてたら、
素直に甘えられてたら、
何か違ったのかな、、
「行かないで」
大切な人が行ってしまった。正直心配だった。最近外に出ることが増えている気がする。浮気かな。そう思っていた。
ある日、大切な人の声がした。ほかの女の名前を呼んでいた。振り向くとそこには、大切な人と知らない女がいた。
渋谷に。(最初から読んでください)
今日で最後。
これでお別れ。
もう会う事はないだろう。
私は大丈夫だからさ
あんまり無理するんじゃないよ
じゃあね、ばいばい
今までありがとう
楽しかったよ
君が背中を向けた時に
涙が頬を伝う
お願い行かないで
貴方と一緒がいい
そのわがままを言えてたら
今でも隣にいたのかな?
でも
貴方を困らせたくないもの
幸せそうでいてほしいもの
だからまたどこかでその笑顔見せて
私の幸せも願っててね
忘れないで。
#16 ちゃんと朝が来た。
朝日が昇る日、ベットから起き上がることができた。
少し前、苦しくなった時、あの人が声をかけてくれた。
いつも孤独で辛い思いをしていたからこそ、
初めて心配してくれたことが嬉しかった。
心の中でずっと助けを求めていたのかもしれない。
でも、次の日、その次の日もいつもとは何も変わらないただのクラスメイトだった。
よく話すわけでもなく、別に話さないわけでもない。
最近、あの日から一年が経って、痛みが強く、時間も増えてきた。だから、孤独で苦しむ時、その人のことを思い出す。
朝が来て、その日が始まるけど、その人に助けてほしい。
「大丈夫?」その一言だけが、心のどこかでは嬉しくて、平気なふりをして逃げてしまって、寂しいことに気づいたから。
行かないで。……苦しくて……助けてほしい。
そう思ってしまう。何も関係ないのに。
何も言わないから、わからないのに。
その人、"彼"が気になってしまう。
苦しみの中の光。
それでも、何も変わらない日々は続いていく。
いつかは、終わってしまうけど。
___行かないで
行かないで
君の前では強がりな私だから、
行かないでなんて言わない。
君を不安にさせちゃだめだからね。
君が旅立った後の駅のホームで
独り静かに呟いた。
"本当は行ってほしくなかった"