『自転車に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
流れ星を探しに
じっと待っているけどなかなか見つからない
キラキラ光るコンペイトウみたいな星
手を伸ばせば届くかな
星空はいつも輝いている
自転車に乗ってる人に聞いてほしいこと。
一時停止はちゃんと止まって。
自転車の人も守ってくれないといつかぶつかる。
残念な事に車だからバイクだからって必ず交通ルール
を守ってる人ばかりじゃない。
対向側に渡りたい時も後ろをちゃんと見てから渡ってね。車は急に止まれない。死角も多い。
その加速のまま行きたいのもわかる。
だけどあなたの大切な命にはかえられないでしょう?
音楽聴きながら、スマホを触りながら、一時停止無視。
自分の大切な人がしてたら怒ります。
明日も笑って過ごせるように。
→遠い遠い記憶
私の通学していた高校は郊外にあった。美術室だが進路指導室だかの窓にぶつかって死んだキジを鍋にして食べた教師が居たとか居ないとか……、そんな噂が流れるある意味のどかな高校だった。
私は自転車通学をしていた。
風を切って、国道やら川を越え、池や田畑を横目に自転車を漕ぎ、ラストにキツい勾配の長い坂道。
学校の校門はこの坂の先にあった。生徒たちはこの坂をえっちらおっちら登ることになる。
一年に二度三度、私は通学路の夢を見る。そして、夢の中の私が高校に到着することはない。
最後の難関の坂道を嫌って森の中に迂回路を探すこともあれば、山を越えて通学しようと悪戦苦闘することもあった。ちなみに現実には森の迂回路もなければ、越えるような山もない。
最終的にいつも遠くに高校を見て目を覚ます。
理由はよくわかっている。
高校3年間が私にとって快適ではなかったからだ。座右の銘でもないのに、勝手に孤独が私の横に居座ってしまっていた。ソイツを跳ね除ける勇気も愛嬌もない不器用者。楽しい思い出は数えるほどもない。高校生活のことはあまり思い出したくない。だから夢でも学校内に足を踏み入れないのだろう。なかなかに執念深い性格だ。
高校を卒業してから何年も経っている。個人の記憶とは恐ろしいもので、記録ではないから自分勝手に補正する。夢で見る通学路のように、ありもしないものを付け足したり。
案外と私の高校生活は本人が思うよりも楽だったかもしれないし、その反対かもしれない。
一度、実際に自転車に乗って、かつての通学路を巡ってみれば、何か再発見があるだろうか?
……うひょー、ネチネチとカッコつけちゃってねぇ。世の中そんなにロマンチック且つ都合よくできとりゃしませんがな。
テーマ; 自転車に乗って
「自転車に乗って」
あおい空の下で思いっきり自転車をこぐ。
真夏のせいかあまり涼しくない。
でも、いつか風が吹いてくるだろう。
そう信じて 風をめがけて沢山こぐ。こいで、こいで‥ほらきた
汗にしみる風がいま響く。
「なあ、生駒ぁあ〜〜! 疲れた! ちょっと休もうぜ」
「お前、さっきもそう言って休んだばかりだろ」
「そっからまた疲れた」
「まったくお前は……。そもそもこの、湖一周サイクリングをやりたいと言い出したのはお前だろ。この調子じゃ1日かかっても一周できんぞ」
「そりゃ、そういうイベントあったらやりたいじゃん。でも思ったよりきつかった。つーかお前が漕ぐの速い。もっと労われよ」
「どう考えてもお前の体力がなさすぎるぞ仁吾未来」
「うっわ突然のフルネーム。んなこと言ったってさ、俺高校の頃だって半分も体育の授業出てねぇぞ」
「知らん。そもそもお前と同じクラスになったことなどない」
「それは、確かに! でも俺が運動できないのってまあまあ有名だったじゃん」
「そんなことを誇るな。高校だって卒業してからずいぶん経ってる、そんな些末なこと覚えてられないさ」
「ゆーてまだ3年だし。──あっ、生駒くん。そこにカフェがありますよカッフェエが。涼んで思い出話でもしましょうよ」
「だからそんなことしてたらいつまで経っても進まないと……」
「だーー!! 鬼畜! 疲れた! 俺が喘息起こしてぶっ倒れても知らねぇぞ!」
「何歳だよ……。おいジンゴ、看板見ろ。ここから3km先に甘味処があるらしいぞ。お前和菓子派だったろ。そこまで行って休憩というのはどうだ?」
「──! 行く! ヒヒッ、覚えてんじゃん!」
出演:「サトルクエスチョン」より 仁吾未来(ジンゴミライ)、生駒龍臣(イコマタツオミ)
20240841.NO.22「自転車に乗って」
父は、毎晩私たちが寝静まった夜中に帰ってくる。そしてまだ外が少し暗い朝、家を静かに出ていく。会えるのはいつもより目が早く覚めたときだった。
急いで寝間着のまま階段を下りて、革靴を履こうとしている父より先に杖のように長い靴べらを取って差し出す。おお、おはようと振り向いた父を見送ったあと、すぐに鍵をかけることはせずに、外の門の先まで出てみる。駅に向かって歩いている父は、こちらに気づいたのか、曲がり角で振り返って大きく手を振ってきた。こちらも手を大きく振り返していると、今度は玄関の方向に向かって腕を横に振る。はやく家の中に戻れということだろう。私が家にひっこむまで父はこちらを向いたままだった。いったん、むこうから姿が見えなくなるところまで引き返して、再び歩き出す父を今度は本当に見送った。
父と長く一緒にいられたのは、五歳の夏休みだった。幼稚園に迎えに来た母が、自転車の前に妹、後ろに私を乗せて帰るとき、いつも私にいじわるをしてくる男の子が「まだお母さんの後ろに乗っているんだ」と馬鹿にしてきたことがはじまりだった。新品でピカピカの青いヘルメットと、同じような青色に白い雷のような模様が入った自転車が頭からはなれなくて、夜ご飯を食べているときもむくれていた。
そこで夏休みは午前中に父と自転車の特訓をすることになったのだった。
自転車に乗るのは思ったより怖くなくて、ペダルを踏みこんでスピードを上げればぐんぐん進んでいく。まだうしろもっててねと声をかけてみる。おう、と返ってきた声は小さくなっていて、もしや後ろの父は自転車を支える手を放していて、私はもう一人で乗れていたのかとブレーキをかけて振り返ると、汗だくで短い息を繰り返す父がすぐそこにいた。今まで本当に手を離さないでついてきていたらしい。
夏の終わりまで、なかなか手を離さない父に、もう離していいよと何度か言いながら自転車を漕ぎ続けていた。
幼稚園が再開した。自転車で母と同じスピードにはついていけないから、いつもより早く家を出る。坂を下るとき、少し冷たくなった風が前髪を吹き上げる。はやく着いて、この自転車をあの子より先に並べたい。
【自転車に乗って】
自転車に乗って
自転車は、近頃、もっぱら交通手段のひとつである。
しかし、ペダルをこぐと、どこか冒険にでも出かけるワクワク感に駆られる。
たどり着くのは、決まって幼稚園か東屋である。
少々憂鬱であれば幼稚園、ワクワクが勝れば東屋である。
これまでの人生で最も自転車に乗っていたのは、幼少期。
自転車に乗ると、少々タイムスリップが出来る。
なんとも幸せな乗り物である。
真っ直ぐな道を走ったあとは、ぐねぐねコース。
時折赤信号で止まって、また動き出す。
ぼくの人生みたい。
【自転車に乗って】
下り坂、
橋の下から聞こえる川音と
正面から当たる風が心地よかった
「 自転車に乗って 」
暑い夏の日、俺は自転車に乗って君の家まで向かう。
いっそこのままこの日常が終わらないで欲しいなんで口が裂けても言えない。
2024 . 8/15
それがどんなに素敵なことか
伝えるにはどうしたらいい?
心を動かすには何が必要なの
雨が降る夢の続きは夏の夜の
一雫を天へと放つ空に溶ける
世界が変化するキミとボクと
あんなに側にいたはずなのに
いつでも笑い合っていたのに
『自転車に乗って』
自転車に乗って
いつもの坂道を下る
この日常が変わらないでほしいと
勝手に願っている。
自転車に乗って
何処までも
大阪、東京、福岡
都市部へ行ってホテルに泊まって日本一周の旅したい!
わがまま言ってごめんなさい!
輪廻転生の果て ここに集う
交わした契りに希う
1人乗り おんぼろチャリで下り坂
溽暑に風薫る 飛輪に目を細める
視界を染めたのは 思い出の色
あの夏の 青
麦わら帽子を目印に
再び集う約束の夏
色鮮やかな青 欠けることなく
氷菓子は 幸せと涙の味
雲井を眺め 指切りをする
雀色時 3人で
おんぼろチャリで上り坂
お題【自転車に乗って】
タイトル【明日も来年もまた来世でさえも隣で笑って】
自分は自転車に乗ってなにがしたいんかな。
誰もいないとこに行きたいかも。
自分とちゃんと向き合いたい。
自分と向き合えてないのに、
他人と向き合うなんてわたしには烏滸がましい。
だから、誰もいないところで1から見つめ直したい。
「自転車に乗って」
自転車に乗って
最後に自転車に乗ったのはいつだろう。
ふと玄関の前に置きっぱなしの自転車を見て思う。
何度も何度も雨に降られ、汚れた自転車。
鍵が通るのかも分からないくらい錆びきっていた。
さすがにもうこれには乗れないけれど、
またいつか自転車に乗って、心地良い風を突っ切って。
そんな感覚を思い出すのが楽しみになる。
自転車に乗って、さあ!!どこに行こうか?
暑いから、涼しいところが良いね。
あの川のほとりを目指してみる?
そうだね。家からだと30分は、かかるね。どう?大丈夫?バテそう?
うん、じゃあ少し出るのは遅れるけど、お手製のサンドイッチとか作ってよーく冷えた麦茶も持ってツーリングだね。とにかく無理はしないこと!!
疲れたら、ベル🔔を一回鳴らして!それがサインだよ。
さあ!出かけよう!!夏を楽しもう!
「夏休み終わる間際の現実逃避」
「だからさぁ、チャリ通って青春って感じで憧れるわけよ」
「いや、わからん」
「夕暮れのなか、女子を後ろに乗せて……」
「いつの時代の漫画とかアニメだよ」
「自転車の二人乗りは禁止だぞ」
「そこをなんとか!」
「なんともならん!」
夏休み終了間近。
昼下がりのファミレス。
ダラダラと近況報告したり、どうでもいい話をしている、かつての仲良し四人組。
進学した高校は各自バラバラだ。
「そういうもんかね」
「バイク禁止なのは、わかる。だけど自転車通学も禁止って、ありえなくね?」
「そりゃ、お前の学校、あの立地なら仕方ねぇだろ」
「あー、郊外どころかほぼ山だからな」
「でも、バス通はバス通なりに良いことあるだろ。ほら、毎朝あのバス停で降りるあの子は私立のお嬢様学校の……みたいな」
「スクールバスだから他校生乗ってねーよ」
いや、朝のスクールバスで、ちょっといいなぁと思う子はいるんだ。うん……
ただ、その子、いつも男と一緒にいるんだよな。
妙に距離近いし、あれ絶対彼氏だろ……
こんなこと、こいつらには言えないし。
あぁ、明後日から学校か……。
────自転車に乗って
現在深夜3時。寒い空気に息苦しさを感じながら、ただ一心に自転車を漕ぐ。30分前に来た、あいつからの連絡。あの山頂で、待ってるから。そこから鬼電しようも何しようも連絡がつかなくなる。何故こんな夜中に必死になって自転車を漕いでいるのだろう。とんだお人好しだな、と息切れながら自分を嘲笑する。山の麓に着く頃にはもう汗だくで、自転車を投げ捨てる勢いで止めマフラーもコートも脱ぎ階段を駆け登る。時計を見るともう4時だ。息も絶え絶えで山を登りきり、山頂に乗り込む。そこには着膨れて寒さで顔を真っ赤に染めたあいつがいた。少しの間目が合った後、遅いよ。と笑いながら目を細めた。あまりの寒さに途中脱いだものをまた着直す。そうしてしばらく無言で身を寄せ合いながら星を眺める。いつの間に時間が経ったのか日の出の気配がして、隣にいたあいつが突然立ち上がった。そして夜と朝の狭間に立ちながら、少し泣きそうな顔で、 何処にいても必ず迎えに来てね 。と小さく呟く。その顔を見て自分は少し躊躇いながら、自転車でもいいかな。とはにかみながら返事をした。
#自転車に乗って
自転車に乗って
君の家の前まで行ったのは
通りの角から三軒目まで行って
引き換えした、次の日もそのまた次の日も
ストーカーか!? あの頃はそんな言葉もなくって、単純だた。
小さく心ときめく冒険と失敗の綱渡りをしながら大人になった。
人は、いつからを大人と呼ぶのか?
歳だけとっても、子供部屋大人だったりヒッキーニートだったりじゃ大人じゃないのだろうし。
確り自立納税者日々やっていても、心に子供の居場所があれば、自転車に乗って君の家の前でまちぶせた日の心にふと呼び戻される、それは子供なのか?
人はいつ、自転車に乗って君の家の前で
その窓を見つめた日を忘れるのか?
それが大人なのか?
今でも毎日自転車には乗るが
心ときめかせペダルを踏み風を切ることは
あの日から遠ざかれば遠ざかるほど
美しさだけが愛しく残る
それが大人になるということか?
それを否定し傷つくことを避け
心ときめかせることもなくては
見た目だけ大人になってしまっている
だろう、君もっと大人になれ
大人はわざわざ自分大人とは言わない
自転車に乗って、あの人の家の前で
まちぶせたことを切ない気持ちで
焼きついた時間を走馬灯に見つめる
それが、大人になったということか…。
令和6年8月14日
心幸