胸の鼓動』の作文集

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胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/8/2023, 5:40:47 PM

風も明日も声も要らない
心すら野暮になるほどに

届かない熱の中に咲いた
君の横顔に鼓動が鳴った



-花は遠く-

9/8/2023, 5:32:14 PM

クジラが怖い。

不思議なことに映像だったり実物を見るのは平気。もちろん刺し身も美味しくいただく。

写真だったり静止画だと、頭がおかしくなってしまうのでは、というくらい怖い。

特に海面からマッコウクジラが頭を突き出している画像が。

思わず半ベソかいちゃうくらいだから、相当だと思う。

ググってみたら海洋なんたら恐怖症なんてものが出てきたので、とりあえず画像を見た瞬間、ギュンッと息が止まりそうになった。

ちょっと今、心臓が痛い。

テーマ「胸の鼓動」

9/8/2023, 5:18:01 PM

胸の鼓動


街の喧騒、
行き交う人々の声、
ハングルの響き、
ネオンの街に蠢く生命体のようなハングルの海、
香辛料の匂い…

街全体がまるで巨大な生き物のように、
熱くて、パワフルで、エネルギッシュ。

学生時代に初めて韓国を訪れたとき、
私は韓国の街のパワー、人々のそのパワーに気圧された。その胸の鼓動を今も覚えている。

そしてまた、何故だろうか、
初めて来たとき、言いようのない「懐かしさ」が身体中から溢れた。「韓国に帰ってきた」かのような…。

初めて韓国を訪れてから、
行くたびに、韓国の人々の熱さ、街のパワーの熱さに身体が躍動し、懐かしさでいっぱいになるあの感覚、
あの胸の鼓動が、たまらなく恋しくなる時がある。

韓国語で人を「사람(サラム)」と言い、
愛を「사랑(サラン)」と言う。
どちらも、綴りも音も似ている。
人(サラム)は、サラン(愛)があるから生きていかれるのだと、この2つの単語から思う。

そんなサランとサラムでいっぱいの韓国に、
もうどれぐらい行かれてないだろう…。
行きたくて、恋しくてたまらない。
胸の鼓動を身体いっぱいに感じながら。



ソンへ

9/8/2023, 5:03:30 PM

乾いた鼓動が鳴り響く部屋で
あなたと二人、どこまでも堕ちていく

【胸の鼓動】

9/8/2023, 5:02:19 PM

『胸の鼓動』

あなたに一目会っただけなのに、言葉とか交わしてないのに
一緒にいる時は当たり前のように名前で呼び合う。
まだまだぎこちない呼び方だけど
胸の鼓動を早めるには十分すぎるくらい。
慣れないことばかりで、キスもぎこちないけど
あなたと一緒にいる時間の胸の鼓動は早くて、幸せな音。
この音が止みませんように。

9/8/2023, 5:02:12 PM

#胸の鼓動

「一生の心拍数って決まってるらしいですよ」
「そうなの? だったら、私は貴方より早くゼロになっちゃうわね」
「そうとは限らないと思いますけど」
「なんでよ。私の方が1年分多く減ってるんだから絶対そうでしょ!」

 得意げに笑う貴女は、俺の想いに気付きもしない。
 ――1年分なんてとっくに追い抜いたと思うよ?


【あなたの隣は速度が上がる】

9/8/2023, 4:41:09 PM

『愚生の生涯(ぐせいのしょうがい)』

秋月が登り始めるこの季節。
ある校舎の裏ではこんな噂が流れていた。

「「満月の夜になると、校舎の中庭に幽霊が出てくるんだって」」

どこにでもある噂。子供時代によくやる遊び。

「「肝試しなど行ってはどうだい」」

そう教場の支配者から言われ、
逆らうこともできない愚生は夜の校舎に訪れていた。
どの時代にも大将などという者は存在するようで。愚生は孤独を感じたな。
さて来てみれば、木製の色味が薄く曖昧になっている校舎。
大分暗く不安になるが、中庭までの道筋なら灯火が無くとも行けるだろう。
そんなことを思いながら、人気のしない少々肌寒さを感じる廊下を進んでいく。

「何か外套でももってくればよかったかな…おや?外套?」

愚生、嫌なことに気がついた。

「嗚呼、外套。教場に置いたままだな」

仕方なく軋む階段を登ってゆく。
きいきいと鳴く床が妙に怪しい雰囲気を纏わせる。
すんすんと鼻を効かせてみれば、今にでも幽霊の冷風が鼻を突き抜けていきそうだ。

「さて、着いたぞ」

もう秋も近しいというのに
何故だか空気がどよんとした教場。今日来るには、まっこと相応しくない。

「いやに寒いな。外套は…あ、あったぞ」

場所を忘れていたので見つからないかと心配したが以外とあっさり見つかった。

「さてこれでも着れば少しは暖かく…」

愚生、気づき肩を震わせた。
なんと驚くことに外套に触れた瞬間、外套の中に人が見えたのだ。
女の顔だった。暗かったためよく見えなかったが、愚生を睨んでいたような。

この事実に、肝が座っていない愚生は回れ右をしてできるだけ急いで教場を後にした。

「嗚呼、何が幽霊だ馬鹿馬鹿しい。そんな者、非科学的だろうに……そんなことより、早く、一刻も早く中庭行って家に帰らねば」

愚生、頭が回らずに呼吸を乱して中庭に飛び出した。

そしてまた、愚生は意表を突かれた。

中庭に出ると、低い校舎の屋根の上で可憐な少女が舞っていたのだ。
ちらりとこちらを見てきた時の表情はまさに容姿端麗といったものだろう。

一瞬で心奪われた。

まだ十五ともとれぬ少女の近くに歩みよる。

「これ、外套で暖まっていたのはそなたであろうか」

少女はこちらに気づくことはなく、舞っている。
その月を見る遠い目が、なんと美しいことなのやら。

嗚呼、その顔に触れてみたい。

ふと、危なげに手を伸ばした。

さら、さらさら

少女は腐り、砂になった。

その瞬間、また愚生も手から全身へ砂に溶けるような空気に呑まれた。
だがしかし、空気に呑まれた、呑まれただけなのである。

「この空気がもし本当に愚生を呑んでくれるのなら、愚生はもう君とゆけるのだがな」

「愚生の胸の高まりはずっとこの時この場で止まったままだ」

愚生は今日もため息を吐いた。


__「あるお話し。愚生の生。有名な大正時代の本だ」

今日も僕は図書館で一冊の本を取る。

「すみません。これ借りられますか」
「ええ。よろしいですよ」

その本を借りたまま、僕のお気に入りのスポットへ移動。

「あれ、君今日もいるのかい」
「……」

愚生の生の主人公と一緒の屋根の上に座り、隣の猫を撫でる少女を見やる。

「君ももう少し素直になればいいのに」
「……」

相変わらず猫を撫でる君は、普段の君とは似つかわしくない。

「やっと会えたのに寂しいな」

また、この時代ですら、今日も僕はため息を吐く。



お題『胸の鼓動』
※愚生(ぐせい)=昔の一人称。謙虚さを用いた言い表し方。
※教場(きょうじょう)=昔の教室の言い方。クラス。
※秋月(あきづき・あきつき)=秋のお月様。
※外套(がいとう)=コートの古い言い方。
※容姿端麗(ようしたんれい)=姿かたちが美しいこと。主に女性の形容として使われる。

あとがき
さてさて、今回はモダンチック、大正チックな話しにしてみました。それから最近読むものがミステリーホラー系なのでこちらも少しだけ?ミステリーですね。意外と考察されてみたら楽しいものになると思います。色んな想像をしてみてくださると筆者も嬉しい限りです。是非是非、ご自分のお考えのもと物語を楽しんでくださいね。筆者的には「何故少女は睨んだのか、現世でも無愛想なのか」と「何故作品名は『愚生の生涯』なのに本は『愚生の生』なのか」を考察してみると楽しいと思われます。後、愚生の生で二人が砂になるシーンもですね。結構印象強いシーンだったかなと思います。それではまた次のお話しで。

織川より※織川の日常です。暇だったら読む程度でご了承願います。
夜お眠りになる前の皆様こんばんわ。朝起きられたお方おはようございます。やっと5日が過ぎてお休みですね。人によっては休みじゃないよーってお方もいられるかもしれませんね。いつもお疲れ様です。あのですね、織川模試をやったんですよ。志望校二つあるんですけど一つが合格の可能性『A』でもう一つが『D』でした。差が凄いです。偏差値の差が大きいので仕方ない…ってことにしたいです!!!もう本当に!!!いや、英語ほぼなんて言ってるか聞き取れなかったよ!?皆もめっちゃはずしてたよ!?厳しくない!?泣きたいです笑でもまぁ、一つAとれてるんでいいんですよ。ハハ。因みに織川の偏差値は丁度中間ぐらいです。54、5ぐらいですね。Dの方は63です。ま、まぁ頑張ります。というかもうすぐしたらまた模試ですよ。早いって!!ねぇ!!止めよう!?そういうのよくないよ!?まぁ、やることにかわりはないんですけどね。では、織川はそろそろ寝ますといっておきながら寝ません。じゃあおやすみなさい!!!

9/8/2023, 4:26:26 PM

ああ…生きている。
トクン、トクン…と、胸に耳を当てれば奏でられる命の音。
ずっと聴いていたくなる、愛しい人の音。

「そんなにこの音が好き?」
「もちろん。だって、世界でたった一つだけの音だもの。」

あなただけにしか奏でる事の出来ない、命の音。
今日もその音色に耳を傾けて眠りに就く。

「おやすみなさい…また明日。」



『胸の鼓動』

9/8/2023, 4:20:39 PM

どくん、どくん、

それは早鐘のようで。


【胸の鼓動】


僕を好きだと言ってはにかんだ君が愛しくて
思わず抱きしめた。

華奢な身体。
鼻腔をくすぐる君の匂い。


僕の腕の中に君がいる。


そう自覚したら僕の心臓は動きを早めた。
口から心臓が飛び出しそうだ。

こんなに激しいと君に聞こえやしないだろうか。

そう思いを下を向くと、
僕の腕の中で照れて真っ赤になっている君と目が合った。


どくん、どくん、

それは早鐘のようで。
僕のなのか、君のなのか。

9/8/2023, 4:18:29 PM

胸の鼓動


私と貴方のリズムが混ざって
私と貴方でメロディーを乗せて
ずっと一緒に奏でよう

どんな音楽ができるだろうね

9/8/2023, 4:05:01 PM

深く……、息を吐く。 

 身体を清め、純白の着物に袖を通し、純白の袴を着ける。

 小袖に白い襷を掛け、腰帯に一口の刀を差す。

 今日も……和多志は、人を殺める。

 死刑執行人として、死罪人の最期に立ち会う。

 

 ……丁寧に、……相手を死の苦しみを和らげるように。

 刀を振り下ろす速度……込める力……刃の角度……を寸分の狂い無く、

 首の皮一枚残し、刀を抜く……其の瞬間まで、相手の身体に合わせる。

 僅か、一瞬。

 其の一瞬で、相手の最期を…、人生を…、変えることが出来ると思う。

 例え、地獄のような苦しみの人生だとしても……。

 最期だけは、苦しみを和らげられる。

 相手を安らかに眠れるように……、人として最期を迎えられるように。

 相手の最期を見届け、自らの手で奪った命を生涯背負う。

 

 ……其れが、和多志に出来る、唯一の弔いだった。

9/8/2023, 4:03:17 PM

胸の鼓動

あなたが私の胸の鼓動を知っているみたいに。
あなたが私を愛してないことも知っている。

9/8/2023, 4:01:32 PM

「君ってさ、いっつも私のこと見てるよね」

「ねぇー、無視しないでよ」

「悲しいじゃん」

「せっかく話しかけてやってるのにさ」

「ていうか、忘れてないよね?」

「…ふふ。焦りすぎ」

「めっちゃ鼓動速くなってるよ」

「…夜も眠れてないんでしょ?」

「そりゃそうだよね」

「人、殺してるんだから」

「早く掘り起こして、自首してよ」

「言っとくけど私、」

「まだ成仏する気、無いからね」

「ずっと見ててあげる」


ー胸の鼓動ー

9/8/2023, 4:00:07 PM

胸の鼓動

私は老人ホームで働く介護福祉士である。月に5回ほど夜勤がある。ご飯の後に口腔ケアをして、トイレに付き添い、パジャマに着替えさせ、オムツの交換をする。水が飲みたい、トイレはどこ?家に帰りたいと、ナースコールが鳴り止まない。夕方の5時から働いてやっと静かになるのが22時ぐらい。自分達もご飯を食べて、記録を書く。その間にもナースコールでトイレに行ったり、ここはどこ?と起きてくる人がいる。

0時半、2人夜勤のうちの1人が仮眠の時間になり、1人になる。
いつもは1人でナースコールや、起きてくる人の対応をして忙しいのだが、今日は静かだ。
記録を書いている時、ふと、暗い廊下の突き当たりを見る。髪の長い高齢の女性。胸の鼓動が早くなる。もうすぐ午前1時。巡視の時間だ。しかし、金縛りにあったように身体が動かない。
女性がすーっと個室に入っていく。金縛りから解ける。
あの個室は、、、。
急いで行って電気を点ける。その部屋の93歳のYさんが息をしていない。ナースを呼び報告する。
Yさんは看取りの方だった。
するとあの女性は奥様?奥様は去年亡くなられている。
あー迎えに来たんだなー。
奥様と一緒に行ってしまったんだ。奥様と一緒でYさんも怖くないですね。
でも、私は少し怖かったですよ、奥様、、、。「こんばんは」ぐらい言って下さいよ。

9/8/2023, 3:52:50 PM

今回は普通に自分のこと書きます。
えっとですね、推しがヤバイんです。胸の鼓動っていうか、動悸と息切れヤバイ。ビジュ最高。まじかよ。
あーやばい。これってもう少し頑張れば小説にできませんかね?タイトル「推しがヤバイ」で。
あーマジで推しててよかった。

*胸の鼓動*
今日はふざけました。なのでいいねいらないです。こんなんで500いいね突破したくない……。

あしたからがんばります

9/8/2023, 3:51:47 PM

#胸の鼓動

胸の鼓動が早まる。

ドクドク、ドクドクと心臓が波打つ。

きっとこれが恋なのね。

それは初めての恋の訪れ。

9/8/2023, 3:37:12 PM

16日目


胸の鼓動が私のお腹で鳴り響く。

一定のリズムで動いている小さな小さな心臓。

当たり前のようで当たり前じゃない。

もしかしたら消えてなくなるかもしれない小さな命。

嬉しい気持ちもある反面、不安な気持ちも多少はある。

毎日お腹を擦りながら子守唄を聞かせてあげる。

産まれてくる子はどんな子なのかと今か今かと待っている。

私の夫も、もうすぐお兄ちゃんになる6歳の息子も毎日幸せそうに待っている。

あと2週間、もう少ししたら私たちの家族が1人増える。

楽しみで仕方がない。

9/8/2023, 3:33:04 PM

胸の鼓動が止まるまで

何気ない日々、
当たり前ではない。

この世に生まれた全ての人々の
思い出、出会い、別れ、期待、裏切り、
喜び、楽しみ、怒り、哀しみ、
希望、絶望、
それら全てが
綺麗なままである事を願う。

闇を抱える事なく、
真っ白なままでいて欲しい。

僕は黒い。
だからこそ分かる。
人は、闇を抱えたら、そのままだ。
抱えて生きていくしかない。
消すことの出来ない記憶として残るのだ。
そして、だんだんと世界から色が無くなっていく。

この暗いモノクロの世界は何も無い。
ただの広いだけの星。
そこには、前と何も変わらない日常がある。

しかし、何か一つだけ違う。
それが何なのか、ここまで来てしまったら分からない。

とても大切なもの。
やがてこの世界が終わっても、消えない、
そんな何か。

僕は探し続ける。
もう二度と手に入らない事は知っている。
それでも、見つけたい。

胸の鼓動が止まるまで
僕は生きる意味を探す。

9/8/2023, 3:30:02 PM

きっと私の人生の終わりは、自らの手によるものだと思う。


『他者によって生み出されて、強制的に始まった人生を自分で終わらせるなんて、すごく綺麗じゃない?』
そう言ったあなた。


出逢ったのは、肌寒さを感じるようになった夏の夜のこと。
わけもなく涙を流しながら帰路に着く私に、目を奪われたらしい。
同じ人間の気がしたって。
その勘は当たりで、本当に同じ考えを持っていた。


どうやら同じ方向に帰るようだ。
家は知らないが、人生観を語るのが帰り道のルーティーンになった。
T字路で左右に分かれる、ただそれだけの関係。






今日、あなたはいつもの場所に現れなかった。
周りを見渡すが、見つからない。
ちょっと待ってみる。






手に汗が滲み始める。
歯の奥が揺れる。
形だけの呼吸。


ふと風が吹く。
すっかり冷気を帯びていた。
ぐっと見上げると、建物の柵の外に立つあなた。
目が合った。
初めてちゃんと目を見た気がするよ。
いつもは横並びだから。

目に光がないのは、夜だからなんて理由じゃない。
この世界に持つ、希望にモヤがかかったようなそんな目をしていた。




一呼吸おいて、目を閉じて、前へと傾く体。





あっという間で、一瞬で。

あなたの息が止まった。
今までで一番、生きていると感じた。

9/8/2023, 3:27:57 PM

あの人の名前を聞くと耳がひくりとする。
 あの人の声を聞くと耳に血が集まる。
 あの人の前に出ると胸が苦しくなる。
 ...なんてことはない。
 そういうのは、聖火教会の恋愛小説にやらせておけばいい。

 でも、
 あの人と視線を交わすと胸が痛む。あの、実際そう珍しくない色あいのブラウンの眼に射すくめられると、俺はぎくりとしてしまう。そこに意味を感じさせるものが見えると、わずかに硬直してしまう。焼きごてを向けられたように。
 あの人に触れられると、背筋がぞわりとする。特に胸板や指と指の間、ちょっと感覚の違うところに触れられると、意図せず縫い留められた生地の模様のように、強烈な違和感と居心地の悪さを感じる。こことは違う、もっと刹那的な、吹き荒ぶ烈風のような、そう、あるべきものに反するような、自覚的に悪を為すような後ろめたさ。
 あの人に追い詰められると、もう死にたくなる。突き倒され、見おろされ、それを強要されると、胸の壁ががたがた言いだす。それ以上の刺激は毒だ――俺の脳、俺の心臓、背骨が訴える。死にたくなければ引き返すのだと。
 でも俺は、それらに絶対に抗えない。雪原に伏して獲物を待つ熊のように、火に魅了された愚かな羽虫のように、“粉”を前にした中毒患者のように。
 だって俺は――
「おい」
 その人の声が頭上から降ってくる。
「もう酔ってるのか?ちょっと早いんじゃないか?」
 それはそうなのだけど、酒を進める原因が自分だとこの人は気づいているのだろうか。機嫌がよければ酒は進むものだ。それはあなたが教えてくれたじゃない
か。
「今日だ。あの場所に」
 それだけ言ってその人は去る。いつもながら簡にして素な誘い文句。
「君、相当好かれてるようだね」
「もうちょっとこう、迷うふりだけでもしてやったほうがいいんじゃないか?」
 あまりに無抵抗だといいようにされるだけじゃないかな――
 同席していた男たちからそんな言葉が投げかけられる。さすがに詳細は知らないはずだが、それのたびに翌日消耗しきった状態で顔を出す俺を心配しているのだろう。けど。
「いえ、半分はあの人のすることですけど、半分は俺のやってることですから」
 そう言う俺の言葉に、ある人は肩をすくめ、ある人は天井に目をやり、ある人は憐れみとも軽蔑ともとれる視線を投げてよこす。

 しばらく適当に言葉を交わし、適当なものを飲んで時間を潰し、酒場を出ると早足に町を歩いて指定された家の指定された部屋の入る。彼女いつもように飲みながら待っていたようだ。
「待っていたぞ」
 そのひと言で、俺の血が沸きたつ。
「その様子だとまた何か言われたみたいだな」
 とは言うものの、その言葉の裏にはこれっぽっちも痛痒はない。
「ええ。でも、僕のことが分かるのは、ひとりいれば充分なんです」
 今日は俺のほうから彼女に近づいてねだる。それを察してくれたのか、彼女は酒をひと口含んで立ちあがり、俺に唇を重ねた。

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