『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
終わりのない旅といいながら
終点はいつかくる
必ずやって来るけれど
まだ見えない終点
絶望の痕を刻みながら
希望の光を頼りに進む
終点は見えそうで
まだ見えない
終点を超えた先には
真の始まりが待っているのだろうか
何を以て終了とするのか
それによって終着点は変わってくる
ただ言えることは
全てにおいて終わりは無いということ
学びも技術も
日々新しい変化や発見がある
新しいものを得ずに終了とするのは
勿体ないとしか言えない
知識であっても物であっても
欲というものは新しいものを常に欲する
それが人間の業なのだろう
永遠にない終着点
それでいいと思う
但し
決して自身の命の終了は下してはならない
それが何よりも重い罪なのだから
「終点」
終点
行く当てもなく乗った列車の車内に
終点を告げるアナウンスが流れる
この先どうしようか
何をしようか、どこへ行こうか
目的もなければ土地勘もない
勢いで始まった一人旅
まだワクワクした気持ちよりも
飛び出した時の悲しみの気持ちの方が大きい
だけど終わりは新しい始まり
今は全てを忘れて終点に着いた列車を降りる
No.86『終点』
君も電車が好きだったよね。
じゃあさ、人生の終点まで一緒に行ってくれないかな?
ガタンゴトンと音を立てながら電車が、決められた路線を走っている。
周りを見ると少し古びていて明治時代の蒸気機関車のようだった。
ただ違うのは、電車の窓の景色を眺めると、本のページや映写機など様々な記録媒体が宙を浮いている事だ。かなり不気味で何故、こんなところが世界の中にあるのか分からなかったし、こんなヘンテコな電車に何故、乗ったのかも分からなかった。
しばらく、ガランとした車内を見つめていると、車掌室に繋がるドアが開いた。
ドアから出てきたのは、車掌らしき人だった。
手には、切符回収のための道具を持っていて、ゆっくりと私に近づいてきた。
私は鞄の中から切符を取り出そうとして気づいた。
そういえば私が切符を買った記憶は無かった。
とりあえず車掌に謝ろうと口を開くと突然、
「はい、2人分」と誰かが私の隣で車掌に切符を渡した。切符を確認すると車掌は元いたところに去っていった。
そして私は隣の席に座っている人を見た。
服装は探検家のようなベージュ一色の服に身を包み頭にはライト付きのヘルメットを付けている。
目の色やヘルメットからはみ出る髪の色からして日本人のようだった。
そして口元には人懐っこい笑みを浮かべていた。
「さっきは危なかったね。なんで切符持ってなかったの?」
「そちらこそ何故切符を2枚待ってるんですか?」
「そりゃ、探検家たる者予備は常に用意しないと」
ああ、やっぱり探検家なのねと。推測から確信に変わった。
「なんの探検をされてるんですか?」
「もう、やってないよ。死んじゃったから。」
「死んだ?あなたは今ここで動いてるのに?」
「あれ?君もしかしてまだ死んでないの?迷い込んだ感じかー」
「迷い込むって?」
「この電車はね、終点列車というもので、本来人生の終点、つまり死んだ人しか乗れないんだ。
けれどたまに紛れ込む人もいる。
そういう時はこの終点列車の終点で降りるといい。
そこが君たちが住む生者の世界だから。
死者だと肉体がない魂だけだからただ、見て回るしかできないけど生きているなら元通りだ。」
「それは良かったです。」
「じゃっ僕の話を退屈凌ぎに聞いてくれるかな。」
「はい」
「僕はね、さっき言った通り、探検家でいろんな地方のいろんな場所を、見て回ってたんだ。
日本も面白いところはいっぱいあったんだけどやっぱり一番面白かったのは、アマゾンだね。
アマゾンは暑くて危険もいっぱいだけど、生物が豊富で生き物の宝庫って言われてるんだ。
そこで僕はアマゾンの先住民と話したり、
川でピラニアやピラルクなどを見たりしたんだ。
まぁでもその後に川にうっかり落ちちゃってピラルクに跳ね飛ばされて死んじゃったんだよね。
こうして僕の人生は終点ってわけ。」
そう語り終えると、電車の方も終点だった。
私が降りようとすると探検家が「自由に暮らしな。そうすれば、きっと自分の終点がいいものになるから。」
その言葉を覚えて私は現世に戻ってきた。
お題終点
ここまで読んでいただきありがとうございます。
【終点】
「あなたが動けば、景色は変わる。」
だんだんと景色がゆっくり流れていくのを、視界の端に捉えながら、旅行会社の広告のキャッチコピーが、自然と頭に入ってくる。
退屈な人生が突然変わる事を期待して、ただ毎日会社に行って帰るだけの人生を過ごしている健二は、今も電車に揺られている。
"突然女性の叫び声とともに、数人の乗客が健二のいる車両に流れ込んできた。
そちらに視線を向けると、刃物らしきものをも持った男性とその男性に捕らえられている女性が見えた。
健二はそんな展開を期待していたのだが、実際に起きると不安と緊張を感じながら、ただただ拳を膝の上で握って下にうつむくだけで動けずにいた。
そんな自分に嫌悪感を感じ、何か出来ないかと顔を上げると
"あなたが動けば、景色は変わる"
の文字がくっきりと見えた。
(そうだよな。動かないと何も変わらないよな。)
そう思った瞬間、身体は勝手に動いていた。
気付けば、目の前には、刃物を持った男。男は叫びながら健二に向かって刃物を突き刺してくる。健二はそれを左へ受け流すと同時に刃物を叩き落とした。健二のまさかの反撃に驚いてる男の後ろに回り、腕を捻りあげる。先程とは違った叫び声を聞きながら、健二は女性に"もう大丈夫ですよ"と声を掛け、乗客から拍手を受けていた。"
「終点。お忘れ物の無いように。」
アナウンスと共に、健二の妄想は終わる。
今日も退屈な1日がやっと終わる。
いいじゃないか、もう。
ここまでそれなりに頑張ってきた。
人並みに満足もしている。
ここが終点でも、後悔はない。
それでも。
ふと遠くに灯りが見えた気がした。
幼い頃読んだ「マッチ売りの少女」の幻のように。
遠くて小さいけれど、いくつもの灯りが浮かんで。
その中に何か、大切なものがちらついていた。
うん、やっぱり、もう少しだけ、行こうか。
あの、灯りのところまで。
(お題:終点)
『終点』
あるく。あるく。
どこまで?
どこまでも。この脚が朽ちるまで、この身が褪せるまで。
私はどこに着くのか。
どこまで行ったら、必要とされるのだろうか。
どこが、終点なのだろうか。
ここに、私の居場所は無い。
歩け、進め、ないならそこは終点足り得ないのだから。
たくさん乗り換えをして、たくさん時間を合わせて、たまには駅で一休みして、終点を目指していく。
そうして辿り着く終点には一体なにが待っているのか心を躍らせながら。
終点に着いたあとはどうすれば良いのでしょう?
そこで終わりなのでしょうか?
そのときはゆっくり休んでまた次の終点を目指しましょう。
終点は出発点でもあるのだから。
『終点』
いつまでも止まらない電車に乗っていた。
ぼーっと正面を見つめて
向かいの電車の窓を眺めてた。
なんでかいつからここに居たのかもう分からない。
もうどうでもよかった。
自分の頑張りと結果が追いつかないし
すぐに上手くなれる訳じゃなくて
勢いで家を出た自分に
両親はいい思いはしていないような気がして
実家にも帰れない。
だからこそ自分の避難場所が
欲しかったのかもしれない。
この電車にはきっと自分と同じ
避難場所を探す人達が集まっているのかもしれない。
ただそこに乗り合わせた人として
独り言のような会話して
去っていく。
途中で降りていく人もいれば
降りていかない人もいる。
ここに駅なんてなかったはずなのに
降りていくひとはみんな
嬉しそうな安心した顔をして降りていく。
自分にもそんな駅があるのだろうか
終点のない電車に乗って
今日も景色を眺めてる
─────『終点』
終点はうれしい
端っこまで制覇できたみたいで
終点はさみしい
気に入ったマンガの最終回みたいで
でも終点なんて単なる点だから
誰かが便宜上つけただけだから
始まりも終わりもいつでもどこにでも
自分の好きなようにつけたらいい
「お客さん、終点です。」
車掌に揺すられ、目を覚ました。
しまった!寝過ごした!
終電の終点……なんてこった………
ホームからは辺りに灯りは一つも見えない…
無人駅じゃないだろうか。
空を見上げると紺碧の空にたくさんの小さな星たち。涼しい風がさあっと柔らかく吹いた。
もういいや。心地いい気温だしここで寝てしまおう。
まだ眠たかったおれはホームのベンチに横になった。
十分ほどした頃だろうか
タタタン…タタタン…
電車?
終電だったはずなのに
整備用の車両とか?
思っていると
青い一両だけの電車が目の前に止まった。
中にはお客のような人影も数名見える。
ええい!ままよ!
おれは吸い込まれるように電車に乗った。
タタタン…タタタン…
電車はおれの行きたい方向と逆に進んだ。
なんだよ。
まだ先があるのかよ。
おれはたいそうがっかりして
もういいや。
と電車のリズムに身を任せることにした。
朝
目が覚めるとおれは自宅の布団の中にいた。
あれは夢だった?
不思議な気持ちで仕事をしながら時折小首を傾げていたら、先輩が
「どうした?」
と声をかけてきたので昨晩から今朝のことについて話してみた。
「はっはっは。
お前、化かされたな!」
若いのになんて古風な。
「狐とか狸ってことですか?
それはないですって。
たぶん寝ぼけてたんですよ。」
「いやいや、
おれ、あそこの鉄道に知り合いがいるんだけど、出るらしいよ。その駅。」
「狸?ですか?」
「そうそう。
それでおんなじこと言う客がけっこういるらしい。
まあ、いつもってわけじゃなく気まぐれらしいから、運がよかったな!」
「狸………」
親切な狸がいたもんだ。
確かにあの景色じゃ(昼は一面田んぼとか?)狸はいるだろうけど。
ホームで寝てる人間が気になるのか。
邪魔なのか。
心配なのか。
それともいたずら心で驚かせたいのか。
そんな狸のことをぼーっと考えながら、なんかお礼をしたいと思うのだった。
「終点」
『終点』
夏休みのある日、親の寝ている隙に財布からくすねたお金を持って兄妹ふたりで家を出た。夏休みに売り出されている全線乗り降り自由というきっぷを買って駅に来た列車に乗り込むと、いい思い出のひとつもない生まれ育った街が遠ざかっていく。列車の終点に辿り着いては遠くに行ける列車を探しまた終点まで乗り続ける。未成年ふたりの姿は昼間は怪しまれなかったけれど、夜になればなるほど視線を感じることが増えていった。
「君たち、どこへ行きたいの?」
最終列車のアナウンスが聞こえるホームに降り立つと声を掛けられた。振り向いた先が駅員さんなら走って逃げようかと思っていたけれど、そこにいたのは人ではなく、ぬいぐるみのようにふわふわとした生き物だった。後ろに隠れた妹がそのかわいらしい生き物を熱心に見つめている。自分もかわいらしさにほだされて、それまで誰とも話してこなかった旅路を口にしていた。
「……わからないです。とにかく家から逃げ出したくて、来る列車を乗り継いでここまで来ました」
「そうなんだ。ここまでがんばってきたんだね」
不意にかけられた優しい言葉にまぶたが熱くなって鼻がつんとする。我慢しようと思ったけれどふわふわした温かいものに体を抱きしめられて無理だと思った。妹は体いっぱい使ってふわふわとしたものに抱きついて笑っていた。
「次の列車に一緒に乗るかい?その列車が終点まで行ってしまうと、この世界ともお別れになってしまうけれど」
今日までいい思い出のひとつもなかった兄妹ふたりは迷うこともなく頷いていた。すると見たことのない色の列車がホームに音もなく滑り込んできて3人の前に停まる。一度だけ後ろを振り返ってその列車に乗り込むと、列車は来たときと同じように音もなく動き出し、そして終点に向かって真っ直ぐに進み始めた。
終点
この単語は意味はわかるがが頭の片隅にあって日頃、使う事がないので久しぶりに見た。
語彙力がある人はもれなく、たくさんの読書量、文章に触れている。
自分は語彙力、文章力がないので夏休みは本を1日1冊は読むようにしたい。
終点
終点でバスを降りて、だいたい5分くらい歩くと見えてくる小さなレストランが今日の目的地だ。なぜ、こんな山奥にこんなにも美味しいビーフシチューを出してくれるレストランが存在するのか。理由は分からないがとにかく超美味しい。
レストランに向かうために、初めてこのバスに乗ったのは小学生の低学年のころだ。
その時、バスの中でおばあちゃんに約束させられたことがある。
「いいかい。さっきの電車の駅に戻るまで、お前の名前は〝チィちゃん〟だ」
「なんで。チィちゃんはおばあちゃんの家の猫じゃん」
「そうだね。でも、今はお前がチィちゃんだよ。誰に名前を聞かれてもそれ以外の名前を名乗ってはだめだ。約束できないなら次のバス停で降りなさい。帰りのバスはすぐには来ないから駅まで歩きなさい」
「え〜。歩けない〜」
「そうかい。約束は守りなさいね」
おばあちゃんに約束させられ、ちょっと不貞腐れながらバスの座席に座っていれば、小柄で着物姿のおばさあんがバス停から乗ってきた。
「おや。久しぶりだね。魔法の。孫かい」
「久しいねぇ。砂かけの。孫のチィだ。」
こんにちはと挨拶をすれば、バスに乗ってきたおばさあんはニコニコとしていた。
このバスは、電車の駅が出発点で途中でショッピングモールや住宅街を抜けていくため始めの頃は人が多い。でも住宅街が抜け、トンネルを出たところのバス停あたりから人影はなくなり、代わりにちょっと変わった人々がバスに乗ってくる。そのほとんどか例のレストランのビーフシチューが目当てだ。目の前に座っているのは唐傘を被った人。通路をはさんで隣は手や足に水かきみたいなものがある人。時々はおばあちゃんの知り合いのように人間ような人もいる。
おばあちゃんと知り合いの人は、レストランに着いてからもずっと喋っていたので、私は大人しくビーフシチューを平らげた。あー。美味しい。超美味しい。
このバスは不思議なことにおばあちゃんと一緒のときでないと乗れないことが多い。一度友達を山奥のレストランに連れて行きたくで誘ったが、電車の駅から出るバスには乗ることはできたが、終点で次のバスに乗り換えようと思っても次のバスのバス停を見つけることができないのだ。そう。山奥のレストランは、終点の先の終点にある。最近は1人でも2つ目のバスに乗れるようになったので、ゆっくり気にせすビーフシチューを堪能している。
ようやくチィちゃんとしての顔が売れてきたのかもしれない。
「終点」
人生の終点はどこにあるのか。いつくるのか。
今乗り換えをしてもいいのか。途中下車はありか。
終点
私の住む海沿いの田舎の町には
子供の頃までバスの終点場所が2つあった
田舎暮らしに必須な町の人々の車の所有数と共に
その2つのバスの終点場所も無くなった
ここに住む高齢者はバスという足を無くした
代わりに町が持つ巡回バスが走るようになり
町役場までと
一番近い隣の市の市立病院までの足が出来た
その後隣の市との合併があり
町の名前は消えた
そして
この町の巡回バスも消えた
比較的潤っていた町の税収は
合併したその市の一部となり
市は市役所を新築し
この町の役場はほんの一部の機能しかない
庁舎へと変わった
私の元 町であった市の外れは人々の住む終点の場所
立場の弱い人々にとって
全く優しさのない地域
地域格差とはこういう事だとハッキリわかる
終点の地
「終点です〜おりてー」
「しゅうてんじゃない!」
「終わりだよ〜」
「おわりじゃない!」
「重いよ〜おりて〜」
「おもいじゃない!」
「アイスたべる?」
「アイスたべる!」
終点、終点、水見ヶ丘
電車のアナウンスで目が覚める。
「あ、乗り過ごした」
急いで友達を起こす
「おい、起きろー」
[うーん?]
「今、水見ヶ丘やで」
[え?、何?]
「今、水見ヶ丘やで、終点、うちら
の・り・す・ご・し・た」
[はぁ、まじか]
「うい」
[なんでそんなに楽しそうなんだ、]
「えー、だってー夏休みやし大丈夫やろ」
[はぁ、なんだよそれ]
「夜同士歩こうぜー」
[夜同士って夜通しな、]
「何でもええねん!楽しいから。」
❦
ガタンゴトン ガタンゴトン
砂浜に松並木を抜けると終点
少し居眠りをしてしまって
慌てて降りてスポーツバッグを
忘れても早く気づけば
取りに戻れた学生時代
終点で助かった~🤭
✴️115✴️終点
あとがき
久しぶりにその終点へ向かう
路線に乗ってみると
ドアの側に開閉ボタンがついていて
クーラーの冷気が漏れにくくて
いいなと思いました🤗