紅茶の香り』の作文集

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紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/27/2024, 12:26:17 PM

紅茶の香り

紅茶の香りって品があって
高価な香りで心に余裕をもたらしてくれる感じがする
日常の疲れがたまった時
きっと心と体は見た目的にも消沈している気がする
そんな時に香りを楽しみながら飲む紅茶は
癒やしと休憩を与えてくれる
紅茶というものがこの世にあって本当に嬉しいな
としみじみ感じる瞬間でもある

10/27/2024, 12:24:05 PM

今日のデートは恋人の青年のリクエストでレトロな喫茶店に来た。
 開店より少し前に到着していたけれど、既に行列が出来ていて、開店してから少し時間を置いてようやく入りテーブルに案内される。
 
「季節的に気候がちょうどいいから、待つのがそんなに苦じゃなくて良かったね」
「はい! 思ったより人が並んでいたのは驚きましたが……」
 
 周りを見てみると女性客の方が多く、みんな手元に来た食事や飲み物にカメラを向けた後、それぞれを楽しんでいるようだ。
 
 自分たちも今日の目的はハッキリしている!
 
 店員さんと目が合うと、静かにテーブルの傍に来てくれた。
 
「ご注文をおうかがいします」
 
 店に来る前からメニューを決めていたから、青年はピースを店員に向ける。
 
「季節限定のクリームソーダ、ふたつ!」
「季節限定のクリームソーダ、ふたつですね。以上でよろしいでしょうか?」
「はい!」
 
 そう、ふたりの目的はクリームソーダ。
 このお店のは季節限定でクリームソーダの味や見た目を変えていると知り、今の季節のクリームソーダを飲みに来たというわけだ。
 
「シックで素敵なお店ですね」
「そうだね、クラシカルな感じもあって、落ち着くかも」
「家とは違うくつろぎですね」
「そう、それ」
 
 ふたりで談笑していると、華やかな香りが彼女の鼻をくすぐった。柑橘系の香りだろうかと、辺りを見回す。
 
「とうしたの?」
「なんか、いい香りがして……」
 
 それは近くのテーブルに置かれた紅茶の香りだった。
 甘やかであり、華やかさもある。珈琲とは違った香りに気持ちが奪われた。
 
 くすり。
 青年が彼女を見て笑う。その声に慌てて振り返った。
 
「気になるなら頼もうよ。俺もこの香り気になるよ」
 
 楽しそうに笑ってくれる青年は、手を挙げて店員を呼ぶ。すると香りの話しと合わせて聞いてみると、アールグレイの紅茶のようだった。
 
 そこから聞いてみると、この店はクリームソーダもそうだが紅茶も力を入れている喫茶店で、アールグレイだけでも数種類があると説明を受けた。
 そうしてふたりは紅茶のメニューを見て悩み出してしまった。
 
「俺、違いがよく分からないから一般的……あ、もしくはオススメの紅茶を……あー……」
 
 視線の先にはふたりが先に注文していたクリームソーダを持った店員がいた。
 
「……飲み終わったらゆっくり選んで頼もうか」
「そうですね」
 
 テーブルに置かれるクリームソーダを見てメニューを閉じる。
 
「まずは今日の目的、だね」
「はい!」
 
 ふたりは冷たいクリームソーダに舌鼓をうちながら、幾度となく通り過ぎる紅茶の香りに誘われながら、優雅なひとときを過ごした。
 
 
 
おわり
 
 
 
一六四、紅茶の香り

10/27/2024, 12:22:37 PM

過去に紅茶店で働いて以来、アッサムティーが好きだ。
それまでティーバッグの紅茶は飲んだことがあったけれど、それほど美味しいとは思っていなかった。
初めて店でアッサムを試飲した時、はちみつの様な甘い香りと草原を思わせる様な葉っぱの良い香りがした。色はべっこう飴の様な色で、縁に金色の輪が見える。飲むと癖がなくシンプルでいて存在感のある味。香りや味に優しさとたくましさを感じほっとする。ストレートでもミルクを入れても◎。どちらもホットがおすすめ。スコーンとの相性も抜群。皆さんもぜひ、癒しのティータイムを。

10/27/2024, 12:19:42 PM

中学生の頃、定年になってもご厚意で勉強を教えてくれる先生がいた。家が近所だったので、友達に誘われて2年ほど教えていただいていた。2時間勉強を頑張ると、お疲れ様とティータイムの時間があった。洒落た洋菓子と共に出てきたのがティーカップに入った紅茶。独特な香りと味からあまり得意ではなかったが、甘いお菓子と頂くと美味しかった。今思うとこんなガキンチョにどうしてここまでしてくれるんだろう。色々あり疎遠になってしまったが、紅茶の香りを嗅ぐとあの勉強会を思い出す。

10/27/2024, 12:19:23 PM

紅茶の香り

紅茶が嫌い。匂いも見た目も、味も。全部嫌い。紅茶には嫌な思い出がこれでもかってくらい詰まってるから。
大好きだったバイト先の店長も、同じバイト先の片思いしていた先輩もみんな紅茶が好きだった。
この紅茶はどこ産で、この紅茶は、ここが特徴でー、とか紅茶の話をする時はみんな決まって笑顔だった。そんな笑顔で話すみんなの顔が大好きだった。みんなで、紅茶を囲んで話時間が何よりの宝物でずっと続くと思ってた。
衝撃だった、先輩の死亡を聞いた時は。猫の餌を買いに行った帰りに車に轢かれたと店長から聞いた。
その猫は、店長が道に捨ててあったのを保護した薄く茶色がかった毛色の猫だった。
憎らしくて憎らしくてたまらなかった。お前のせいだとお前が殺したんだと行き場のない怒りが涙と共に流れ落ちた。
それからしばらくして、店長もなくなってしまった。元々、持病がありだいぶ頑張ったのだと奥さんから聞いた。その頃からだ。紅茶が嫌いになったのは。紅茶を見るとあの時の幸せな光景を思い出してしまうから。泣いたって泣いたって彼らは戻ってこないのに、紅茶の匂いを嗅ぐと彼らがいるような気がしてならないのだ。すがりたかった、本当は、紅茶にすがりたかった。でも、それは紅茶がすきなかれらに失礼な気がして出来なかった。
一人暮らし、友達も居ない。唯一の居場所だったバイト先もなくなってしまった私にとって生きる意味を見いだせなくなってしまった。そんな私を心配し、店長の奥さんがあの時の猫の子供を育ててみないかと話をくれた。店長が、大切に育てた猫の、子供。さすがに、4匹は引き取れないので、一匹だけ引き取り育ててみることにした。
奥さんから、抱き方を学び猫を育てるための方法を知り、猫が何たるかを学んだ。
猫とご対面、ちっちゃかった。あの日保護したあの子と同じ顔だった。あぁ、親子なんだとわかる毛色だった。綺麗な顔から目を離し全体を見るともう首輪がつけてあることに気づいた。
「ごめんねぇ、どうしても貴方にはこの名前の子を育てて欲しくて。」
涙が、溢れて溢れて止まらなかった。
店長が、先輩がそこにいる気がして。
愛しくて愛しくてたまらなかった。

それから数年、私は香水を作る会社で働いている。それも、紅茶の香りが特徴の香水。
大っ嫌いだった、紅茶が今じゃ1番大好きなのだから、人というのは分からないものだなと思う。彼らの死を乗り越えられた訳では無いけれど、あの日、譲り受けた愛猫がいる限り私は紅茶を好きでいれるだろう。
「ありがとね、紅茶」
「にゃー」

薄く茶色がかった毛並みに、上品な顔立ちの私の愛猫の名前は、紅茶。

私の世界で1番の宝物。

10/27/2024, 12:16:55 PM

奮発して買ったアンティーク調の食器棚。白い壁の台所にはあんまり似合ってないけれど個人的には満足している。

戸棚を開けば、これもまた自分が気に入ったものだけを集めたカップとソーサー。最近のお気に入りは誕生日祝いに貰った、白地に茶色の横ラインの入ったすこしゴツめのティーカップ。

実はもうひとつ押し付けられた色違いのカップもあるのだが、これは贈り主が尋ねた時にこれに紅茶を淹れてくれと強請られている。既に何度か使ったお揃いのカップは茶渋が残らないように大切に、壊さないように大事に丁寧に扱っているからすっかり愛着が湧いてしまった。

この緑色の施されたお揃いのカップが有る限り友人が訪ねて来てくれるというだろうという期待も込めて。

棚の中に並んだ紅茶の缶を眺めて小さく唸る。
今日はどれにしようか。

大切な器に淹れる紅い液体はとびきりのものにしなくては。ストレート?ミルクティー?フレーバーティーも捨て難い。お茶請けは何にしよう。焼き菓子でもいいけれどたまには果物なんかでもいい気がしてきた。

悩みに悩んで手に取った紅茶の缶から茶葉を…2人分掬い上げる。調度沸いた湯をポットの中に注いで蒸らす。

その間に今日は横着をしないで洒落た籠の中へ焼き菓子を詰めた。フィナンシェとアーモンドのクッキー。近所の洋菓子屋で手に入れたお気に入りの菓子だ。

そうこうしている内に自分が好みだと認定した時間を迎えてしまった。慌ててポットの中身をティーカップへ注ぐ。

ふわりと品のいい香りが鼻腔を擽った。
窓に反射した自分の顔の口許が緩んでいる事に気が付いてしまい、少しだけ気恥ずかしくなる。

ちょうどその時、ぴーんぽん、と間の抜けたインターホンが鳴り響いた。タイミングを見計らったかのようなその音に堪えきれず吹き出して笑いながら床へスリッパの底を叩き付けるようパタパタと音を鳴らして玄関へ向かう。

「いらっしゃい。来ると思っていましたよ。」
「なんや、バレとったんか。…紅茶の香りすんな、淹れたとこ?」
「まさに今淹れたところです。さぁ、どうぞ。」
「ほな邪魔すんで。」

10/27/2024, 12:15:59 PM

紅茶の香り 

新宿ルミネの1階に紅茶の専門店がある。
紅茶といえば、ホテルの付属品を全て掻っ攫っては自宅で飲む程度の嗜みしかしらなかった。職場で東京都生まれ東京都育ちの生粋のお坊ちゃまおじ様から、冒頭の紅茶をいただいた。なんとなく仕事の帰りに寄ったところ、5,000円以上という金額に驚愕し、いそいそと自宅で箱を開けた。

紅茶の香り、に限らず、ワインやコーヒーなど飲料に関しての香りの区別は全くわからないタイプの人間だった。そもそも、私の育ちといえば商売人の娘であったのでゆっくりと食べ物を嗜むという感性がなかった。家族は馬車馬のように働き、ワークホリックとはまさにこのことかと学んだ。休んでいる日はなかった。父親からは「自衛隊は5分で食べるんだ」と叩き込まれていた。心の奥底で、お前自衛隊ちゃうやろ、という意見は喉までつかえていたが言うのをやめた。因みに親族に誰も自衛隊はいない。まじでなんだったんだ。

そういったわけで、おしゃれなカフェですら、1分でコーヒーを飲み干し、クッキーをバリバリと3秒ほどで食べ、滞在時間わずか5分で退店するような、人生の何かを欠落した女が出来上がったのだ。

しかし、手元にある紅茶は、ゆらゆらと湯気を漂わせながら優雅な香りを部屋に撒き散らしていた。「まぁそんな焦らんとゆっくりしときや」というエセ関西弁を話すバニラの妖精が私に語りかけているようだ。目の前の紅茶には、こんな私ですら「香りがすごい」という感想が脳に浮かばせるほどの威力を持っていた。さすが、職場のおじ様は東京の駅前の地主であるだけに、感性が研ぎ澄まされている。

香りは、バニラの香りだった。

バニラなんてアイス以外も味わっていいんですか?とくだらないことを考えながら、紅茶に湯を注ぐ。
100度にちゃんと設定しろと職場のおじ様に釘を刺されたので、言われた通りにした。

恐る恐る口元に近づければ、その甘い香りに軽く脳震盪を起こし、意識を戻して紅茶を口に運んだ。
当たり前と言われれば当たり前だが、甘くはなかった。
きちんとしたバニラの香りに、深みのある紅茶の味が口いっぱいに広がった。何度の湯であっても数秒で飲み干す強靭な舌ですら、この紅茶を楽しみたいと主張していた。

そのくらい、味と香りが美味しかった。

口に入れるものはおおよそ栄養補給他ないと考えていた私にとって、この紅茶の一杯は人生の革命だ。
香りを楽しむとはこういうことなんやで、と、バニラの妖精は私に語りかけるのだった。

折角このような紅茶をいただいたなら、
お洒落な容器でも買おうかしら、いや、紅茶似合うお菓子を小田急デパ地下で買ってみようかしら…なんてことが脳内に浮かんできた。間違いなく今まで働いていなかった脳の部分が活発に動き出している。あれ、なんか、私ワクワクしてる?下手な自己啓発本より人生に良いんじゃないかこれ。

私は1杯の紅茶をなるべく時間をかけて味わった。
長年咀嚼をしなかった罰か、それでも数分であったものの、間違いなく時間は伸びた。

別に食事は長けりゃいいってもんでもないと思うが、
私はこの紅茶の魔法に少しでも長く陶酔していたかった。

10/27/2024, 12:14:49 PM

妊娠してからというもの、
カフェインを控える生活から
紅茶の香りをかぐ事もなく一年が経とうとしている。

去年の11月、妊娠がわかった。
その日を思い出すと今でも涙が溢れてくる。
結婚して10年。やっとの妊娠だった。

この子の為、
妊婦によくないと言われる事はことごとく避け、
用心する生活が始まった。
大好きだったお酒は勿論、チーズに生ハム生魚。
口に入れる前にまず大丈夫かスマホで調べて食べる生活。

ある日外食で豚汁をいただいた際に一口含み箸を置いた。
酒粕の匂いがする。
店員さんに訊いて確認するとやはり入っていた。
加熱してアルコールはとんでるとのことだったが、
検索妊婦としては口にしてしまった事を悔んだ。 

そんな生活がトツキトウカ、そして授乳中の今も続いている。 あと何ヶ月だろう。
息子に私から栄養を与えられるのは。


卒乳。


その時のがきたらゆっくり紅茶の香りをかぎながら、
自分の体にお疲れ様と労いのアフタヌーンティーを楽しもう。
   
                       



ー【紅茶の香り】ー

10/27/2024, 12:14:16 PM

紅茶の香り
ふくよかなドレスを着た婦人
クッキーの香ばしさとともに
香る
物語の中にでもいるような
物語のマダムの甥っ子のような
甘い空間の中の香り

         ともこ

10/27/2024, 12:13:44 PM

紅茶の香り


私は疲れたり
苦しいとか悲しい時に
珈琲を飲む

その苦みが
自分の孤独と向き合い
肩を抱いてくれる

ちょこっと嬉しくて
幸福とか噛みしめたくて
紅茶は飲む

その香りは
花のようにミツバチ誘う
子守唄を唄う

紅茶の香り

芳醇で甘い調べ

恋をしてる、のか?

10/27/2024, 12:13:17 PM

「紅茶の香り」

私は断然紅茶派だ。

コーヒーは飲まない。

毎日紅茶を飲む。

日課の香り。

10/27/2024, 12:13:04 PM

【紅茶の香り】

私は紅茶が好き。朝目を覚ますと部屋の中にほのかに茶葉の香りが流れてくる。まだ眠気の残る瞼を擦りながら私はベッドから起き上がった。欠伸をひとつ、背伸びをする。さて、起きなくちゃ。ベッドを降りて私は寝室のドアを開ける。途端、紅茶のいい匂いが私の鼻を占領する。

「おはよう」

"おはよう"。リビングから柔らかく優しい声が私の耳に届けられる。
声の方に視線を向ければ、暖かな陽だまりのような微笑みが私に注がれた。
それに私もおはようと微笑んで大好きな彼の隣に腰を下ろした。

「今日はどうする?」
「うーん…最近寒くなってきたから、ミルクティーホットがいいかな」
「わかった」

そう言えば、彼は慣れた手付きで二つ用意されたマグカップに湯気の立ち上る紅茶を丁寧に注ぎ、牛乳と少しの蜂蜜を淹れてくれた。

「できたよ」
「ありがとう」

私は彼からカップを受け取るとそっと息を何度か吹きかけると口へと運んだ。
たちまち口の中は温かな紅茶と牛乳と蜂蜜を含んだ優しいあまみが広がって喉の奥へと流れていった。

「おいしい…君は紅茶を淹れるのが上手だね」
「そう?」

そう言って彼は少し照れくさそうに笑うと自分もカップに口をつけた。
私の大好きな彼。いつも一緒に過ごした次の日の朝は、必ず私より早く起きて、私が起きる頃に合わせて紅茶の準備をしてくれてる。だけど、本当は知ってるの。あなたが紅茶よりコーヒーが好きなこと。それなのに紅茶が好きな私に合わせて、私のために紅茶を淹れてくれる。だからかな。つい口に出しちゃった。

「…ねぇ、これからもずっと私のために紅茶を淹れてくれる?」
「いいよ」
「…え?」
「え?って、俺今プロポーズされたんじゃないの?」
「ぷろ…、もしかして、口に出てた?」
「うん」
「…」

やってしまった。私はたまに無意識に言葉が口から出ていってしまう。今も心の中で思ったつもりだったのに。

「ごめん、いつもの。だから今のは忘れて」
「悪いけど、それは無理かな」
「え?」
「だって、俺もあんたとずっと一緒にいたいし。だから、先に言われちゃったけど。」
「…っ」
「…毎朝、何時だってあんたに紅茶を淹れる役目は俺だけにして。ずっと一緒にいよう?」


…な~んて、言われてみたい。

10/27/2024, 12:11:35 PM

アフタヌーンティーがしたい
そう言っても君には通じなかった。
でもあの人ならきっと、

輝く宝石のようなスイーツに手を伸ばした。
ツンとした痛みにじんわりと香るのは
ただひとり、私が映る紅茶の水面。

#紅茶の香り

10/27/2024, 12:10:48 PM

『紅茶の香り』

連日の残業でぐったりとした私は、すっかり暗くなった夜道を一人暮らしのアパートに向かって歩いていた。
墨汁を零したような夜空の中で煌々と光る電灯に、目眩がした。
足元がふらついて、上手く立てない。
目の前が霞み、黄色い明かりだけが残った。
ふと視界が暗転する。
あ、これやばい、とぼんやりする頭で思った。
私はそのまま意識を失った。

ひんやりとした感触で、目が覚める。
私はいつの間にか、知らない場所にいた。
夜空の上である。
正確に言うと、一面の星空が映った湖の上にいた。
冷たく透き通った水が、私の体に触れる。
しかし不思議なことに、服が濡れないのだ。
しかも、底が見えないほど深い湖なのに、沈まない。

私は少し怖くなった。

え、これ夢?夢だよね?

帰れなかったらどうしよう。
ふいに、そんな考えが脳裏をよぎった。

私は足で強く水面を蹴り、息を弾ませながら、とにかく走る。
走って、走って、走り回った先に、それはあった。

湖の中にぽつんと建っている、小さな建物。
私は全身の力が抜けて、ふらふらとその温かい光に向かって歩く。
木製のドアを開けると、ちりんちりんと、可愛い音色のベルが鳴った。
「いらっしゃい」
そう迎えてくれたのは、タキシードをきちんと着た、猫のマスターだった。
思わずたじろぐ私に、背の高いマスターは、上品なティーカップになみなみと入った紅茶を出してくれる。
紅茶のこうばしい香りが、鼻をくすぐった。
私は恐る恐る、カップに口をつける。
熱いものが苦手な私にちょうどいい、優しい温度の液体が唇を濡らした。
そのまま紅茶を口に含むと、上品で柔らかい甘さとともに、紅茶特有のビターな香りがふわっと鼻腔を抜けた。
美味しい。
私は一息にカップの中身を飲み干して、ふうっと息をついた。
それを猫のマスターは、満足そうに見守っている。
「ごちそうさまでした」
そういうのと同時に、再び視界がぼやけた。

気がつくと、いつもの道に立っていた。
なあんだ、夢だったのか、と少し残念に思う。
でも、体の芯にはしっかり、あの美味しい紅茶の温度が残っていた。
私はしっかりと前を向いて、自分の家へ歩き出す。
遠くで、本当に小さくだけれど、マスターの「またいらっしゃい」という声が聞こえた気がした。

10/27/2024, 12:08:02 PM

「テーマ 紅茶の香り」


 今でもふと思い出す
 
 あの時の紅茶の香り
 
 君の顔が歪んでいた
 
 毎回失敗していたな  
 
 砂糖の量を間違えて

 もう見れないけどね

 あの時僕を庇ってさ

 君は最期に生きてよ

 って言ったんだよな

 そういえば君はさ..

 最期に嗅いだ香りは
  
 紅茶の香りだったね

 「あーあ....最期に......

 嫌なこと思い出しちゃったな」


 テーマ 紅茶の香り

10/27/2024, 12:05:59 PM

紅茶の香り
バースデーケーキにいつもお供する、リプトンの紅茶
長湯した茶葉の渋みが、生クリームの甘さを引き立てる
この苦みをありがたく思い、またひとつ歳を重ねたなとこころにしみる

10/27/2024, 12:05:49 PM

苦しかった。
毎日が海の中みたいで
息が吸えなくて、
どんどん減っていって。
魚たちが後ろを泳いでいく、
そのちょっとした波で
私は遠く流される。
ヒレもボロボロで
泳ぐことさえ出来なくて沈んで。
私は鮭みたいに
根気強くないから。
私はカジキみたいに
上手く泳げないから。
何もないのに
涙だけが零れていって
涙だけで溺れてしまうから。
紅茶の香りも
本の内容も
私には届かないの。
音楽が私を埋めてくれるの。
と、
柄にもない事を言ってみた。
後から恥ずかしくなってきたけど、
まー、すぐ忘れるし。
つい昨日読んだ漫画の絵が
女の子が電車に乗ってたら
海が押し寄せて
だんだん溺れるみたいな感じの絵で、
この女の子は
どんな事を思ってるんだろうとか、
この一角だけで
前後の物語を創るとしたら
どんなのになるかなーとか
考えてたら
音読したくなってきて。
でもこういうの、私結構好き。
深海に沈んでいく
何も出来ない魚。
爪を磨きながら考えた物語は
布と布を並縫いで合わせたような
ちょっとガタガタしてて
すぐ解けそうな話だ。
ストックしてるフルーチェの箱の
数を数えながら、
スピーカーをつけて
音楽をかける。
抹茶をコップに入れて
テレビをつけようと思ったけど
やめた。
暇だなぁと思うけど
耳をスピーカーに傾け続けた。
"Good Midnight!"
ケーキもお菓子もない
今日だけは
音楽に溺れていたくて。

10/27/2024, 12:04:40 PM

お題:紅茶の香り

紅茶も好きなお母さん。最近、ルイボスティーにハマっていて、、お肌が綺麗になったらしい✨
朝からルイボスティーの香りが漂うと癒され、「今日も頑張ろう!」と思える。
夜に香ると「今日も頑張った〜自分」と自分を褒めることができる。
そんなパワーもルイボスティーにはありそうだ(笑)

(2024/10/27/(日))

10/27/2024, 12:02:59 PM

ふわりと広がる紅茶の香りに君の唇を思い出す。
ティーカップのハンドルのように華奢だったあの指をいつまでも握っていられたなら、こんな胸の痛みを知ることはなかっただろう。
今日はコーヒー派の僕が唯一紅茶を飲む日。
ペアの指輪を磨いた手で、一緒に選んだカップを包みながら、あと何回紅茶を飲めば君にまた会えるかを古い窓辺でまた考えている。

10/27/2024, 12:02:32 PM

お気に入りの喫茶店がある。
有名なのはマスターオリジナルの珈琲。珈琲が苦手な私は飲んだことはなく、裏メニューの日替わりの紅茶を良く頼む。常連客は珈琲と本日のオススメのケーキを頼むみたいだ。お客さんの笑顔から珈琲の美味しさが伝わってくるのだから美味しいに違いないだろう。

カウンターに座り、マスターに注文する。”いつもの”で伝わる程にこの喫茶店に通っている。紅茶とケーキが並べられるとカップを手に持ち香りを楽しむ。匂いや味で紅茶の善し悪しなどミーハーの私には分からないがマスターの入れる紅茶が美味しいのだけは分かる。

一口飲むと紅茶の美味しさと香りが喉に広がる。
「私ね、マスターがいれるこの紅茶の香りが好きなの」

いつもの時間を忘れることの出来るマスターの紅茶。
私はこの紅茶の香りが好きだった。

「マスターがマスターでいられるうちは、まだまだ通いに来るから、元気でいてよね」

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