『窓から見える景色』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
色付いていく街でも貴方の色だけは
どうしても分からなくて、
今日もまた
窓の外をただ一人
眺めている小さなわたし
一番古い記憶
晴れの日も
雨の日も
今ひとつ馴染めない
ひとりっ子のわたし
母がお迎えに来る
其の姿をずっと待っている
不思議なのが
母が来た場面の記憶は無い
強烈に記憶に残る
園庭の先に見える
園舎の門扉
その記憶だけが
わたしをアンニュイな気持ちにさせる
真っ白で窓だけがある質素な部屋。
置かれているのは椅子とベッド、点滴だけ。
青白い入院着を纏う僕。
点滴に繋がれてベッドで横たわる日常。
視界は天井か窓の外の景色が映るだけ。
でも一度で良いから部屋の外に出てみたい。
身体に鞭を打ってベッドから起き上がる。
地面に足を置いたのは何時ぶりだろうか。
そんなことを思いながら窓の前に立つ。
震える手で窓を開ける。
久しぶりの外の空気を目一杯吸い込む。
「危ない!!」
その声が聞こえた時、僕の身体は窓からはみ出していた。
4つに分かれた窓の向こう
秘密の窓に触れないあなたへ
結露ガラスに指で傘書く
(窓から見える景色)
いつだって私たちは海を走っていた。季節も、時間も関係なく。会うたびに車で海を走る。夜中のときは、どこまでも深く吸い込まれそうなほど恐ろしく感じる海も、彼となら楽しく過ごせた。
砂浜に寝転がって、服の隙間に入った砂もおもしろく感じるほど、彼と過ごす時間は特別なのだ。
それなのに、突然終わった。
LINEの返事が来なくなって、電話も繋がらなくなって、家に行ってもいなくて。意味がわからなかった私は、ただひたすらに連絡を待ち続けた。
だが、その答えを突然知ることになった。ニュース番組でいつも走っていた海沿いの道路からガードレールを突き抜けて、車が海に落ちたのだ。なんとなく近場だなと感じただけで、テレビから目を逸らそうとした瞬間、彼の愛車が映った。信じられなくて、テレビに飛びつく。続けて映されたのは、その事故で亡くなった彼の顔写真と名前だった。
あまりのショックに視界がくらみそうになった。私は夢を見ているのだと思おうとした。
そして、私のほうに彼の訃報が届かなかった理由にも気づいた。
元々、遠距離恋愛で彼が地元を飛び出して私が住んでいるところまで来た。その時に笑顔で、親とも縁切ったなんてことを言っていたのを思い出した。私は彼の両親を知らないが、きっといい思いはしなかっただだろうし、私のことも嫌っていたのかもしれない。
線香だけでもあげに行きたいと思ったが、あいにく彼の実家の住所は知らない。
毎日飽きずに見続けた窓から見える景色と彼の車で流した音楽、くだらない会話もすべてを抱きしめながら。
彼が事故を起こした場所で、最後の愛してるだけ残して私は立ち去った。
窓から見える景色は、時間帯によって姿を変えている。私は、気まぐれに外を見ては代わり映えのない景色に興味を失って家事の続きをしたりする。
けれど、夕方の時間帯だけは窓から見える景色に目を凝らしている。すると、小さな複数の人影が我が家に向かって走ってくる。私は、それに気づくと窓からではなく玄関でその人影を迎える準備をする。5分もすれば、玄関は開き家に命が芽吹く。彼らは、疲れた様子も見せずに私の胸元に飛び込んで来てただいまと言う。
私は、それがたまらなく愛おしくおかえりと言うのだ。
窓から見える景色は、鮮やかな笑顔と共に輝く。
お終い
【窓から見える景色】#57
見つけられないんだ。
どれだけ目を凝らして
ここから君を探そうとも
君を見つけられない。
なぁ、君は今何処にいるんだ?
どの窓から君を見つければ良い?
お願いだ、教えてくれ。
あぁ、全て見たよ。
どの窓から見える景色も
君のいる空でなかった。
いいや、君はいるはずだ。
ここは僕が思っている以上に狭かったのか?
9/25「窓から見える景色」
僕らは旅立つ。希望に燃えて、とは行かないが、次の場所を探しに行く。
僕たちを運ぶのは最後の便だ。あとに残るのは留まりたいと望んだ者だけ。
窓の外には昼も夜もない。星々が無限に広がっている。反対側の窓からは、200年も前ならばまるで違う景色が見えたのだろう。
僕たちは進む。進むしかない。窓に浮かぶ枯れた惑星―――地球を残して。
(所要時間:9分)
おれさまはなんの景色でも知ってる!
トウキョウにあるタワーとか、
びわコとか、
フランスのエッフェルとうとか、
とにかくおれさまはなんでも知ってる!
でもびょういんにいるあいつは、びょういんの外にある景色だけしか知らないらしい
だから、おれはあいつに知らせてやる
この世界にはすごい景色があるんだと!
_2023.9.25「窓から見える景色」
「窓から見える景色」
仕事も恋愛も不器用で
友人たちは家族構築に忙しい
親との関係は数的に不利
わたしが幸運と実情で得たのは
この公営住宅の居住権だけだ
悲しいことはたくさんあったけれど
抽選で得た思いもよらない最上階は
「STILL LOVE HER (失われた風景)」が似合う
強制されたクラシックへの恨みは
TMNがぶっ壊して砕いてくれた
私はシティハンターではないけれど
シティライファーなのかもしれない
【窓から見える景色】
車窓から見えたのは、みたこともない紅葉でした。
「わー! 見ろよ! 山一面が紅葉してるぞ!」
「うわぁ、ほんまや! 初めてみた!」
「俺たちは本当に遠くまで来たんだな……」
親友の角田と宮野をつれて、列車に揺られること二日目。
とうとう見たことのない景色をまえに、俺たちのテンションは最高潮に達していた。
今、列車が走っているのがどこかは知らない。
行き先も知らずに深夜に駆け込んだ駅から、適当に乗り継いで来たからだ。
県外なのはわかる。多分、西に向かってる。
けど、この冒険は初めてのことばかりでも、ちっとも怖くなんかなかった。
「今頃みんなどうしてるかなー」
「流石に高校生三人が失踪! なんて話題になっとったりせぇへんかな? 俺たち話題の人やん」
「それは無いさ。俺と角田はともかく、桜井の親は国会議員だ。子供の夜逃げなんて話題にもしないさ」
俺と角田と違い、宮野だけは冷静に言った。
確かに、そうかも。
淡白で仕事人間、そんな親の顔を思い浮かべて、うん、と言うと宮野がすぐに笑い返した。
「お陰で静かに旅行できそうだけどな」
「帰ったら怖いでぇ〜! 牢に入れられるかもしれへん」
「その時は三人一緒な」
「ぶっっっは!」
盛大に吹き出す角田に、俺も笑った。
抑圧されていた環境。
管理された家族。
監視される日々。
親のキャリアを潰さないように、と面目ばかり気にしていた俺を、親友が連れ出してくれたんだ。
今だけは、この時間を思う存分楽しみたかった。
例え、家に帰ったら、二度と外には出られなくなったとしても。
「安心しろよ、桜井」
「せやせや。俺たち高校生やで。危ない目にあっても三人ならどうにかなるって。もちろん、ヤベー事はせぇへんけど!」
「うん。ありがとうな、二人とも」
心から、勇気が込み上がる。
言葉が心に染みると、目頭が熱くなるんだって、二人が教えてくれた。
だからこそ。
「なぁ、記念写真撮ろうよ」
「ええなぁ! みんなで撮るか!」
「背景は車窓にしようか。紅葉が綺麗で映えるしさ」
「撮るでー!」
俺はこの旅を、これからもずっと忘れない。
晴れの日も、雨の日も、曇りの日も、雪の日も、窓から見える景色は、私の心のようだった。
「…。」
窓際で、肘を付き、思い耽る。
目に映る景色はいつも通りなのに、
今日の僕には滲んで見えた。
/窓から見える景色
いつものカフェ、いつもの窓際奥の席、いつものホットカフェラテを注文して持ってきていたお気に入りの文庫本を読んでいる。ただ、頭の中は今いち物語の内容を考えられておらず。読みながら、まだかなまだかなとさっきから落ち着かないでいる。大切な人を待つ時って、こんな気持ちになるんだな。
せっかく頼んだことだし、と思ってカフェラテに口をつけた。今日は秋晴れで過ごしやすい。少し前までは暑い日々だったから、こういう室内で会うことを好んでいたけれど。そろそろ外を散歩するのもいいかもしれない。ここからすぐ近くに有名なイチョウ並木の道がある。もう少ししたら見ごろかな。駅の反対側には、コキアがいっぱい植えられた公園がある。あそこもそろそろ色づいて来る頃かもしれない。夏が終わっても、綺麗な景色は近くに沢山あるものだ。何気ない風景だって、あの人と一緒に歩けば特別なものになる。
噂をすれば、窓から見える交差点に見慣れた人物が信号待ちをしている。待ってる間もしきりに腕時計を確認しているのが見える。約束の時間から2分遅刻だ。ここに来たらまずは私に謝ってくるんだろうな。そんなことを想像しながら、私は店の窓から貴方を観察している。そうとは知らずに貴方は青になった横断歩道を駆け足で渡っている。私のもとに駆けつけるために急いでいる。そんな、他人から見たらなんてことない風景だけど、私の瞳にはかけがえのない幸せな風景に映るのです。
車に乗せてもらっていた時、親戚が「細い雲が
ずーっと伸びている。」と言った。
細い雲って何だ、ひこうき雲か?と窓の外に目をやったけれど、自分の席からは、角度が違ったのか見ることはできなかった。
そう言えば、自分が運転していない時って、周りを自由に眺められるな、と、普段運転している側として、気づかなかったことに気づいた。
あらためて窓から空を見上げてみた。さわやかな秋の空が広がっていた。
「窓から見える景色」
窓から見える風景
もうすぐ、中秋の名月。
わたしの部屋は、東南向き。
上がってくる月が見える。
窓から見える風景。
お月さま、満月の風景。
じっと見てると傷ついた心が、
癒されてく。
美しいだけじゃない、
癒される、月の光で。
窓から見える景色
飛行機の窓から見える景色は、どこか特別なものだと感じる。
わたあめのような白い雲、小さくなった街並み、どこまでも広がる青い海。
乗る度に、胸が高鳴る。見ていて飽きないし、普段じゃ味わえないものである。
富士山が見られた時は、いいことがあるかもしれないと興奮した。
飛行機の窓から見える景色は、本当に良いものだ――
僕の温もりと声だけを頼りに
ほら…目を瞑ったまま
こっちへ来てごらん
きっと…見たことのない景色を
今 僕が君に見せてあげる
夏の終わりのぬるい空気が
窓辺の君の髪を湿らせる
君の瞳の奥に見える翳りは
時折…僕の本能を揺さぶる
さぁ…目を開けてごらん
この窓から見える景色の中で
今夜…僕は本能のままに
君を抱いて…
離さない
免許を取った後、自分の車を買ったのは何月のことだったのか、多分年を越してからだと思う。サカイのゴルフを一緒に乗ってたけど、うちは実家もマニュアル車だから運転出来ないと困るので、中古車雑誌に載ってたトヨタのワインレッドのマニュアル車を買った。
買ったはいいけど、まだオートマチックしか乗ったことがなくて、取りに行くのもマニュアルを運転できるアツトに付いて来てもらって家まで運転してもらったんだよね。うちのカーポートは緩やかな坂になってるから、まずはそこで坂道発進の特訓をした。花壇の冊壊してごめんなさい。お陰で数日の練習で問題なく運転できるようになりました。その後帰国するまでこの車が私の相棒になった。
窓から見える景色
今見える景色はあと6ヶ月もない。
悲しいな。
最近、綺麗な夕暮れが見えて気分が落ち着く。
6ヶ月後にはどんな景色なのかな。