『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
病室という言葉で最初に浮かんだのは、父の最後の姿。
いろんなチューブと機械に繋がれていた。
でも最も痛々しく心に刺さったのは、両方の手を大きなミトンで覆われて、ベッドの柵に拘束されてたこと。
最期の瞬間も手足が自由でないなんて、自分だったら、耐えられない。
遺言を残すことを考えてる。
最後の瞬間は手足を伸ばして、旅立ちたいと。
アルツハイマーになってしまった父。
自分の行く末は自分で決めたかったはずなのに。
私は自分の事は最期まで自分で決める。
ありがとう、お父さん。
◎病室
病室のベッドにはテーブルがついてる。
あれ、かなり素晴らしいと思う。
なんでって?
そりゃあ、心地よいベッドの中で紙とペンが揃うんだよ?
最高以外の何ものでもないと思うんだけれど。
紙とペンがあれば、
絵も文も記号も模様もメモも書ける。
色や書き心地、メーカーを変えればテンションを上げることもできる。
想像力の全てをベッドの上で存分に発揮できる。
入院したいわけじゃないけど、良いなぁ
って思う。
3歳か4歳のとき、鼠径ヘルニアの手術で入院したことがある。
初めての入院で不安だし怖かったけど、小学生のお姉ちゃんや同い年くらいの女の子が遊んでくれて楽しかった。
そんな中で一つだけ後悔がある。
それは、同い年くらいの女の子とプレイルームで遊んでいるとき、誤ってその子の点滴に手が引っかかってしまっい針を抜いてしまったこと。
周りに大人はおらずたくさん出てくる血に驚いて逃げ出してしまった。
大変なことをしてしまった、バレたら怒られると思って看護師さんにも話さなかった。
その後、その子と会うこともなく私は退院。
あの子がどうなったのかも分からない。
あの時は本当にごめんなさい。
「病室」
祖母と同室だった人が結構「嫁最悪!娘最高!」なタイプの人だったらしく、高齢だった祖母は若干洗脳されて帰ってきたらしい
祖母の入院中から嫁は「祖母があんまり喋らなくなったんだけど大丈夫か」と困惑し、娘は「いらんこと吹き込むなあのクソババア」と頭を抱えていた
ちなみに退院後しばらくして洗脳は解けたらしい。高齢だったから多分忘れたんだろう
【病室】
白の匂い
病室に足を踏み入れると
いつも思った
白の匂いの中で
きみの笑顔は透き通っていた
母はいつも綺麗だった。
いつも笑顔で優しくて怒ると怖いけど
私も母のようになりたいなって思うようになった。
母は数日前に体調を崩した。
そして母は今救急車で病院に運ばれた。
日がたつにつれて体調が悪くなる母は
病室で寝ていた。
病室でみる母は
家でみる母とは違い
すぐに消えてしまうような儚さがあったように見えた。
早く元気になってね。
お母さん。
─────『病室』
『病室』
心も身体も弱っています。
一人でいると、長く退屈で寂しい時間。
だんだん、気持ちが滅入ってしまう。
だから、誰かの顔や声を聞きたくなる。
「大丈夫?」の一言でいい。
誰でもいいから、会いたいな。
厄災はいつだって外から訪れる。
そしてそれは自分のせいで訪れている。
それを外から見てみると、ほとんどが取るに足らない出来事だ。
例えば大学受験、本当はする必要がない。
そうさせるのは良い会社に入るとか沢山の事を学ぶとか他人の目を気にするとかそんなのだ。
それは外にある社会の仕組みのせいだ。
そして、それをしたいと思う。
それは、しないといけないと焦る自分のせいだ。
だって、本当はしなくてもいい。
普通に、は無理かもしれない。
でも、生きてゆける。
良い会社への就職だって、資格の勉強だって、大抵の事は本当はしなくてもいい。しなくても生きて行ける。
なのに、自分の中にいる他人に怯えて行動する。
なんて無駄なんだ。
僕は後悔している。
大学に行く為に必死になって勉強した事も、
毎日、毎日、出世の為に媚びへつらった事も、
高校以降、友達と遊びに行かなくなった事も、
あの日、会社を休まなかった事も。
あの日僕は仕事中に過労で倒れた。
目覚めたらベッドの上で、指一本も動かない。
とたんに後悔が押し寄せてくる。
どうせ無駄になるのなら努力なんてしなければよかった。
今までの全部が無駄になる。なくなってしまう。と。
いつだってそうだ。
いつも僕が理不尽な目に遭う。
そう、厄災はいつだって外から訪れる。
そしてそれは自分のせいで訪れる。
ある日突然、予想もしない日に。
しかし、後悔する事だけは許される。
もう、この病室から出ることも、ベッドから起き上がる事さえ叶わないのに。
「病室」
毎週の通院時に気になる部屋を見つけた
病棟であろう一角の部屋
毎回カーテンが閉まっている
(あの部屋だけは使われてないのかなぁ...)
通う度に気になっていた
通院もあとわずかという日
珍しくいつもとは違う時間の通院
気にしていた部屋であろう場所のカーテン
が開いていた
なんだ、気にし過ぎたなと少し安堵した
...が、それからもカーテンが閉まることは
無かった
そして私も通う必要が無くなってしまった
病室。時計の秒針の音だけが響く静かな場所。
ろくに遊べもしないこの場所で、患者はベッドに横たわる。起きている間は本当に退屈だが、寝てしまえば問題ない。何せこの病院の別名は神様病院。この病院のベッドで寝ると、神様とその使いの天使が夢に出てきて、一緒に遊んだり、悩みを聞いてくれたり、時には命のエネルギーを貰えたりする。なので、この病院では、重篤な症状で救急搬送されてきた人以外の死者は少ない。だから入院患者は毎日安心してこの病院で生活し、安心して眠りにつく。
ただし神様病院には欠点がある。それは、退院していまえば神様の御加護がなくなってしまうこと。この病院では入院中に亡くなる人は少ないが、退院直後に亡くなる人はそれなりにいる。
「〇〇さん、あと1週間程で退院できますよ」
医師から告げられるそれは、通常の病院であれば患者は喜ぶ。だが神様病院でのそれは、余命宣告のようなものである。
隣の病室にいる1週間後に退院する人の余命は
あと何日だろうか。
雲の合間から差し込む光が、眠る君を照らしていて、なんだか、君の迎えが来たかのようでたまらなく恐ろしかった。
でも、そんなこと、もうある訳が無いのに。
手術後のリハビリが苦しくも楽しいようで、目を覚ましてから毎日汗をかいて頑張っている君が愛おしかった。ぐっすりと眠る頬に手を添えれば、その暖かい肌に心が酷く安心した。
窓の外を、光が漏れ出る雲の方へ生き生きと飛んでいく二羽の鳥が、これからの僕たちの姿でありますように。
無数の穴と白色の天井、隣に目を向けると薄いカーテンが引かれていた。病室だ。なんで病院?起き上がってみると頭には包帯と脚にはギプスが巻かれていた。思い出せないなにがあったのか。。ナースコールを押した
コンコン
ノック音が聞こえた。○○さーん体調いかがですか。お目覚めになられんたんですね事故の記憶はありますか?
無いです。
ショック症状だね
時間が経てば思い出すかもしれません。
これから1ヶ月入院してもらいます
1ヶ月!?
そんな入院している暇な無い、だってこれから大事な試験があるのに?
そんな事をしている暇は無い、急いででも治さなくちゃ。
急ぐ気持ちは分かりますがまず治すことに専念してください。
これから長いリハビリが待っている。
こんな事になるならいっそのこと。もう考えるのはやめよう。また明日だ。
窓から眺める景色、いつもと変わらない。
真っ白なシーツ、静かな空間。
私はここから出られない。
人は来る。けれども私を連れ出してはくれない。
籠の中の鳥と同じね。
でも、鳥は飛んでいける。
私は飛べない、だから鳥籠よりも窮屈で退屈。
ここから見える景色、何も変わらない。
少し皺のついたシーツ、騒がしい空間。
私はここから出られない。
今日は人が多い。終わりが近いのね。
私はやっとここから出られる。
けれども自由ではない。
今まで過ごしたこの病室はまるで鳥籠のよう。
私は飛ぶことなく墜ちる鳥。
やっぱり、ここは鳥籠よりも窮屈で退屈ね。
目を覚ますと知らない天井ここはと思い起き上がると知らない人が隣にいた。
「痛いとこないですか」「ぐわえとか悪いですか」と聞いてきた。
俺は「大丈夫デスと答えた」
先生という声が響いたとき
部屋に知らないおじさんが入ってきた。
「自分の名前わかる」と聞かれた。
「俺のですか」と聞き返すと「そうだよ」と先生が言った。
俺は「分かりません」と答えた。
すると先生と女の人が慌てて部屋からでていった
今度は複数の人が部屋に入ってきた
するとベットを動かして機械の中に頭を入れて検査した。
すると記憶そうしつだということがわかった
確かに何も思い出せない
すると看護師さんが入ってきた
最初に見た女性で何故か目が離せない
すると看護師さんが話しかけてきた「もしも記憶を無くす前に大切な人がいたらどうしますか?」
俺は「分からないと答えた。」
それから看護師さんと色々話をした。
それから数ヶ月が過ぎた頃看護師さんが「もし貴方に恋人がいたらどうしますか?」と聞かれた。
俺は「看護師さんみたいな人と付き合えたらいいなと思います」と答えた。
すると看護師さんが涙を流して部屋を出ていった。
何か悪いことをしたかと思い次の日謝った。
すると看護師さんが言った。
「もう一度私と付き合ってくれませんか」
俺は「涙が溢れて止まらなかっまた。」
たまに他の看護師さんが来た時に聞いてみた。
「よく俺のお世話をしてくれる看護師さんがいるんだけどその人の名前教えてくれませんか。」
看護師さんは分かりましたといい名前をおしえてくれた。
それから色々思い出してきた。
あの時3年前俺は恋人にプロポーズするためバイクで走っていたすると突然地震が起きた。
俺は記憶を無くしたでも彼女はずっと俺のそばに居てくれたことを心から喜び涙を流した。
周りを確認して指輪の入った箱を手に取り看護師さんが来るのをまった。
10分が経った頃彼女が来てくれた。
俺は思っていたことを伝えた
「どうして看護師になったんですか」と聞くと
看護師さんは「大切な人が入院しているからです」とこたえてくれた。
俺は伝えることにした。
「3年と10ヶ月待たせてごめん今度は俺が君を支えていきたいだから良かったら俺と結婚してください!!」
病室
目が覚めたら、病室だった。
どうにも寝心地の悪いベッド。
飾り気の全くない内装。
消毒液が微かに匂う室内。
そして。
花瓶に生けられた、
不釣り合いな程鮮やかな花々。
手を動かしてみる。
邪魔な管が纏わりつく。
管が繋がれた手の甲が、
ズキリと痛むのは、
点滴の所為だろうか。
身体を動かしてみる。
まるで鎧でも着込んだかのように、
全身が馬鹿みたいに重たい。
身体を起こすのさえ、
ままならない。
ベッドの脇に飾られた、
悲しい程に綺麗な花々を眺める。
こんな状況の、こんな病室の、
唯一の、希望だ。
…だが、悪いな。
俺は心の中で謝る。
花瓶の水を変えてやる事さえ、
今の俺には、難しいらしい。
カーテンの空間
緑の葉っぱのどこかで小鳥が鳴いている
窓から見える景色は春か夏か
季節がわからない
砂時計だけが減っていく
甘くどろりとした
春翔けるそよ風のような
息出来ぬ水
『甘い重圧』
病室
隣の部屋の唸り声と絶叫が夜10時を知らせる。何を言っているかまでは分からないが、とにかく哀れだと思った。
隣人も、叫びたくはないだろう。ただやるせなくて、どうしようもなくなってしまうのだ。きっと。
そのまま叫び声をバックグラウンドにして、目を瞑る。夜は心が蝕まれるような感じがして早く寝てしまおうと思うのだけれど、妙に目が冴えて、天井と瞼の裏を交互に見ている。
ここに来てから、寝付けないとき祖父を思い出す。病室で寝たきりになっていて、最後の方は意識があるところさえ見れなかった祖父を。
私が思い出すのは決まってその最後の方で、暗くて、静かで、沈痛としている病室。そこで祖母や父母が先生と何か話していて、私は気まずくって端っこで黙っていたところ。
それと、棺の中の祖父と別れたところ。悲しかったはずなのに泣けなかった自分に、子供心ながら引いていたこと。
白い部屋で一人で寝ていると自分が異物になったようで、そんなことを思い出す。
自分のことばかり、と自嘲しても虚しくて、私も叫んでしまおうか、なんて。
病室
僕はまだここにはお世話にはなっていない。ドラマなどのそういうシーンではお見舞いをする側の視点でしか見ないし患者側の視点を見たところでどういう心境に足を停めているのかは分からないし無意味なのだろう。僕は幸運なことに丈夫な体に産んでくれて、疲労骨折はしたことがあるもののその痛みが骨折であると知らず二三日普通に歩いていたくらいには恵まれている。だからきっと僕がお世話になる時はドラマの情景のような視点で心をバイキングのように揺らすのだろう。将来のことを考えるのは柄でもないからやめよう。いくら備えてようが、
どうせ失わないと分からないんだから。
病室
「俺は認めへんぞ!!」
広くはない病室のベットから悲痛そうに叫んだのは、いつもは元気に動き回る緑の彼だった。
「これは決定事項だ。お前はいま万全じゃない。
そんなお前を戦場に送る気はない。以上だ」
そして、そう冷静に彼に告げた彼はこの軍を束ねる総統を務める黒の彼だった。
明日、この軍の運命に関わるといっても過言ではない戦争が起きる。
そんな中、今ベットに縛り付けられている彼は、先日の任務で結構な深傷を負い、病室の主に先ほどドクターストップをかけられていた。
「百歩譲って、俺が待機なのはいい。
で、でも。でもなんで」
全然納得してない顔で、言葉に詰まりながら続ける。
「でも、なんで。アイツが最前線なんや!!!!
そんなの認めへんぞ!!!!!」
「はぁ。もう決まった事や。飲み込め」
威圧するようにいつもより声を落として言う。
おれのいつもの役割は司令塔。あっても後方支援までだ。
それ以上でも以下でもない。
つまりお前が言いたいことは、
「おれじゃあてにならないってことか?」
そう少し傷ついた演技をする。
そんな簡単な事で、彼はまた開きかけていた口を閉ざした。
そう。彼は優しいのだ。仲間が傷つくことを好まない。
自己犠牲型では無いが、自分の命より仲間の安否の方を優先させる。
それは、彼の出生や性格、これまでの積み重ねによるものだが、それを知るものは幹部のなかでも極僅かだ。
「おれが強いこと知ってるやろ?
安心してお前はそのベットで神と一緒にお留守番しとき?」
彼を安心させるため、この会話を終わらせるためおれはそう言って、彼の頭を軽くなで椅子から立ち上がった。
「ん?なんだ、もういいのか??」
「うん。それに会議で決まったことを伝えにきただけやろ。おれも準備とか通常業務とかあるからもう戻るよ」
立ち去ろうとするおれの袖を咄嗟に掴もうとする彼の手を自然によけ、振り返り言った。
「後で監視室用のPCもってきてやるから、
俺の勇姿見てといてな?」
そう言い残し、有無も言わさずおれたちは病室を後にした。
お前はそこで。手も足も、アイツに限っては声すらも届かない場所で戦場をカメラ越しに見とけば良い。
毎回、おれがどんな気持ちで戦場や敵地にお前たちを送り出しているいるのか。
終始、その戦っている姿を上から見ているか知るといい。知ってしまえばいい。
…いや。知れ。その鋭すぎる目で、回りすぎる頭で、殺意を感じやすい身体で。お前の五感全てで感じろ。そして理解しろ。
お前の相棒が誰なのかを。
お前のライバルが誰だったかを。
「そこで見とけよ相棒。努力が才能を上回る瞬間を」
「お前が強いことなんて昔から知っとるわ、アホ…
頼むから。頼むから活躍せんといてな相棒。」
「お前が強いことが世界にバレてしまうから、、」
そう小さく溢れた本音は誰にも聞かれる事なく、独り静かな病室に溶けていった。
お題「病室」